80年代アニメを知りたい! 伝えたい!

主に1980年代に制作されたアニメや関西で行われるイベントについてを20代の若造の視点で書いていこうと思います。

『王立宇宙軍 オネアミスの翼』20代の若き才能で作る、80年代アニメ映画

どうも、先日BS 12(トゥエルブ)にて放送されていた劇場版『銀河鉄道999』を久しぶりに観て、改めて(ストーリーの)テンポの良さに魅了されたSATAトミオです


いや〜ホント良いですね『銀河鉄道999

なんと言ってもゴダイゴが歌うエンディング曲「銀河鉄道999」に最後はグッときます

 


BS放送の「BS12(トゥエルブ)」というチャンネルでは、新作・旧作・隠れた名作まで毎週日曜よる7時に放送する『日曜アニメ劇場』という番組があります

 
そして、その『日曜アニメ劇場』枠で2月28日(日) に、ガイナックス衝撃のデビュー作!王立宇宙軍オネアミスの翼(1987)』が放送されます!!

 


イェーーーイ!!パチパチ👏

 
オネアミスの翼』ですよ、奥さん!

www.twellv.co.jp


王立宇宙軍 オネアミスの翼(以後、『王立宇宙軍』)とは、『トップをねらえ!(1988)』や『新世紀エヴァンゲリオン(1995)』などで知られるアニメ制作会社「GAINAXガイナックス)」のデビュー作であり、1987年に公開されたアニメ映画

企画に岡田斗司夫さん、監督・原案・脚本に山賀博之さん、キャラクターデザインに貞本義行さん、作画監督(スペシャルエフェクトアーチスト)に庵野秀明さんといった当時20代だったオタク第1世代のクリエイターたちがメインスタッフとなり、若き才能で新たな映像に挑戦した作品です

さらに音楽監督には「戦場のメリークリスマス」で知られる坂本龍一さんや主人公シロツグ・ラーダットの声優に森本レオさんを起用し、話題性を集めます

 


王立宇宙軍』といえば、シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』でも監督される庵野秀明さんがアニメーターとして参加されているというところです


実は以前更新した、【庵野 秀明ヒストリー】20代の頃の庵野監督を調べてみたら凄すぎた🚀という記事を書く為に、80年代に庵野さんが関わられた様々な作品について調べました

知っていた出来事でも深く調べてみることで改めて気付かされる庵野さんの凄さがあったような気がします

そんな中でも知らないことも多くあり、アニメーター・庵野秀明にとって欠かせられない『王立宇宙軍オネアミスの翼』が未視聴だったので観たところ…いやはや、とんでもない作品を観たという感じでした!

 
今まで観たきたアニメとは一味も二味も違う感じがあり、本作にしか感じれない唯一無二の凄さがあったように思えます

 
近々BSでも放送されるということなので、今回はそんな本作の魅力を書いていきます

 

80sanime.hatenablog.com

 

 

あらすじーー

"戦わない軍隊"として政府や世間から不要な存在としてバカにされている「王立宇宙軍」に所属するシロツグ・ラーダット(cv.森本レオ)は、仲間たちと自堕落な生活を過ごしていました

この日も夜の歓楽街で遊んでいた宇宙軍の仲間とシロツグ…仲間たちが各々に遊ぶなかシロツグは広場でビラを配り信仰活動をしていた少女と出会いビラを受け取るのです

翌日、淡い下心を胸に書かれていた住所に向かったシロツグ…住所に書かれていた民家を訪ねるとビラ配りをしていた少女リイクニ・ノンデライコ(cv.弥生みつき)に迎えられます

リイクニからの熱い眼差しを受け舞い上がったシロツグは、誰もが嫌がる人類初の有人宇宙飛行計画のパイロットに志願するのです

始めはリイクニへの期待に応える為、不純な動機から志願した宇宙パイロットでしたが次第に思いは変わっていき、シロツグと宇宙軍の仲間たちは人類初の有人宇宙飛行計画の成功を目指します

 


本作は、ハラハラドキドキといった刺激の強い作品が好きな方からすると〔何が面白いの?〕というぐらい評価が分かれる作品であります

主人公シロツグが宇宙パイロットに志願し、人類初の有人宇宙飛行計画の成功を目指す過程を淡々と描き、ストーリー的に〔コレだ!〕といえる見せ場があるわけでもありません…

そういう意味では"つまらない作品"なのかと考えてしまいます

しかし!そうではありません!

 
心の中で芽生えた小さな感情の一つ一つが、なんて事ないシーンの積み重ねでフツフツと大きくなっていき、その溜まり溜まったフラストレーションは最後の打ち上げシーンで大爆発する爽快感と言ったら、他に比べようがないぐらい凄いです!

凄いのです!!


そこには、【スタッフ平均年齢:20代半ば】の若きクリエイターたちの熱意が凝縮されています!

 

ガイナックスの母体、伝説のアマチュア集団「DAICON FILM

まず『王立宇宙軍』の魅力を語る前に、作品が制作された経緯について語りましょう


80年代というのは、『ヤマト』『ガンダム』ブームなどでアニメ業界が盛り上がっていった時代でありました

その盛り上がりは、とあるアマチュアアニメ制作集団が登場することにより更に加熱していきます

それがDAICON FILMです


DAICON FILM」は、岡田さんや山賀さんや庵野さんらが大学生の頃に参加していた自主制作映像チームであり、大阪で開催されたSF大会DAICON Ⅲ&Ⅳ」のオープニングアニメを手掛けアマチュアながら凄すぎるクオリティにプロから一目をおかれるほどの注目を集めます

DAICON Ⅲ&Ⅳ」の成功をきっかけに1984年頃に『王立宇宙軍』の企画に着手し、本作を制作する為に「DAICON FILM」メンバーで設立したアニメ制作会社が「ガイナックス」であります

これが『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の始まりです


そこから『王立宇宙軍』というタイトルでパイロットフィルムが制作され全国各地で上映されたのちに、公開前年の1986年に『王立宇宙軍 リイクニの翼』というタイトルで制作発表されます


その後、タイトルを『王立宇宙軍 オネアミスの翼』と変え本作は公開されたのでした

 

宇宙に行きたいとは思っていない主人公

王立宇宙軍』という作品は、不純な動機から人類初の有人宇宙飛行計画のパイロットを目指すことになるシロツグに焦点をあてた作品であり、宇宙パイロットを目指す過程で変化するシロツグの微妙な感情の変化が魅力の作品であります

そんな主人公シロツグ・ラーダットの魅力について語りましょう

 


シロツグ・ラーダット(cv.森本レオ)

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子どもの頃に水軍のパイロットに憧れ所属することを夢見るものの、学校の成績不振により断念し、"戦わない軍隊"とバカにされている「王立宇宙軍」に所属することになります

誰からも期待されないことにより自堕落な生活を送るものの、リイクニと出会うことで人類初の有人宇宙飛行計画のパイロットに志願し宇宙を目指すのです


志願した当初のシロツグは、ぶっちゃけ宇宙に行きたいとは思っていないわけです

リイクニへの淡い恋心を実らせる為だけに利用し、少しでも気を惹きたいと考えるシロツグの思惑が溢れています

しかし、宇宙パイロットになる為に様々なトレーニングを受け、打ち上げるシャトルを製造するスタッフやサポートする宇宙軍の同僚らに感化されていき、自分のため…仲間たちのために本気で有人宇宙飛行計画する為に努力するのです

そこがカッコいい!


さらに、人類初の有人宇宙飛行計画のパイロットを目指すシロツグを政府が国民的英雄に祭り上げ、国のPRに使うことで周辺諸国から暗殺命令が出されて狙われる展開に発展…そこで葛藤するシロツグの感情にも注目してください!

 



主人公シロツグの声優を担当されているのは、俳優・ナレーターなどで有名な森本レオさんです

森本レオさんといえば「きかんしゃトーマス」(第1期〜第8期)でナレーションされており、落ち着いたトーンで語られる声が印象的な方だと思います

本作でもその声は健在で、森本レオさん演じるシロツグは淡々と落ち着いて喋るキャラクターであり、あまりの落ち着きっぷりなので、初見で聴いた時は〔これが主人公なのか…〕と驚きました

しかし、作品が進むごとに声とキャラクターがドンドンとシンクロしていき、見終わる頃には森本レオさん以外シロツグの声はありえない!と思えます

是非、森本レオさん演じるシロツグにも注目してください!

 

シンプルすぎるモノローグ&オープニング

本作が他の作品と一味も二味も違うのは、物語の導入であるモノローグ&オープニングを見ていただければ分かると思います

ジェット機の離陸シーンに主人公シロツグのナレーションが入り、自分の夢について語るのです

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いいことなのか、それとも、悪いことなのか、わからない…

でも、多くの人間がそうであるように、俺もまた自分の生まれた国で育った

そして、ごく普通の中流家庭に、生まれつくことができた

だから、貴族の不幸も、貧乏人の苦労も知らない

別に、知りたいとも思わない

 

子どものころは、水軍のパイロットになりたかった

ジェットに乗るには、水軍に入るしかないからだ

早く、高く、空を飛ぶことは、何よりも素晴らしく美しい

でも、学校を卒業する2ヶ月前、そんなものにはなれないってことを成績表が教えてくれた

 

 

だから、宇宙軍に入った……

 

王立宇宙軍 オネアミスの翼』モノローグより

 

ナレーションの通り、『王立宇宙軍』(シロツグ)の物語は挫折からスタートします

アニメ映画の始まり方としては実にシンプル過ぎる展開…

しかし、こういった経験って誰もが持っていると思いますし、シロツグが背伸びしていない等身大のキャラクターであることが掴めるシーンで好きなんですよね

 


そんな挫折スタートから流れるのが、坂本龍一さんのオープニングテーマ

コーラスなどはなく淡々と流れる音楽に民族的な静画がスライドショー形式で流れる…オープニングも実にシンプルなんです(このオープニングテーマ曲がまた良い)

実にシンプルだからこそ奥ゆかしさが溢れ、そこが『王立宇宙軍』の魅力ではないかと思っています

 

熱意とこだわりが詰まった、独自のデザイン

王立宇宙軍』という作品はメインスタッフの大半が当時20代と若い力で作られた作品です

そして、その若さは作品の中に登場する機材や小道具などの設定デザインにも現れており、既存の作品にない独自のデザインで作り上げた世界観になっています

王立宇宙軍』だけで使われる異世界文字に始まり、ネジを締める工具に至るまで細部にまで拘り抜いています

中には独自のデザインに拘りすぎて多少無理もあるデザインもありますが、新たな映像作りに挑戦している熱意は伝わりそこも『王立宇宙軍』の魅力です

ここで『王立宇宙軍』に登場する独自のデザインの小道具を紹介します

 

出港式

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豪華客船みたいな船が出港する時に紙テープを投げて見送るような風習がありますが、『王立宇宙軍』では乗客が木の板を叩いて音を鳴らす風習があるような描写があります

 

王立宇宙軍』に登場する本は独特で、様々な形をしております

まずは私たちの世界でも一般的な両手に広げるタイプの本…しかし本の隅が切り落とされており、台形のような形になっています

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次にシロツグが読む本(聖典)…縦長に持って読み進めていくタイプとして描かれているのです

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貨幣

王立宇宙軍』の独自のデザインの中で一番有名なのが貨幣ではないでしょうか

私たちが暮らす世界では硬貨(コイン)や紙幣をお金として扱っていますが、『王立宇宙軍』では棒状の金属品をお金として扱っております

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例えるなら、麻雀の点棒のようなものです

種類も金・銀・銅など複数あり、それぞれに長さや重さが異なる作りになっており貨幣としての価値の違いが表現されています

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異世界文字

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ファンタジー作品といえば異世界文字であります

異世界文字自体は、他の作品でも独自のデザインを設定されてることはよくあることですが、『王立宇宙軍』のこだわりはハンパないです

数字はもちろん、毛筆文字・活字・デジタル文字をそれぞれに設定し、さらには活字の元になった象形文字まで設定しており、完璧な異世界文字を作り上げております

はっきり言って異常です

 

originalnews.nico

 

その他にもテレビ・バイク・インターホンなど、独自のデザインをした小道具がたくさん散りばめられています

こういったデザインがごく自然に登場しますので、画面の隅々にまで目を凝らして観ていただきたいです

 

"セル画最高峰"の打ち上げシーン

王立宇宙軍』といえば、作画のクオリティが異常に高い作品として知られています

その作画クオリティを支えているのが『エヴァ』シリーズの監督として知られている庵野秀明さんです

本作で庵野さんは作画監督と【スペシャルエフェクトアーティスト】という肩書きでクレジットされており、クライマックスシーンの爆破エフェクトなど担当されております

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その中でも代表的なのが、シャトルの打ち上げシーンです

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シャトル打ち上げ時に発生する氷片一つ一つに番号をつけ手描きで作画され、そして氷片の動きすべてに異なる変化をつけて作画されている為に、膨大な時間とコストをかけて描かれています

これらは全てCGでなくセル画で表現されているというのが驚きです

是非、クライマックスシーンの手描き作画にも注目してください!

 

若い力で挑んだ、シロツグらと制作スタッフ

王立宇宙軍』という作品は、主人公シロツグと宇宙軍の同僚たちが若い力で人類初の有人宇宙飛行計画の成功に挑んだ作品です

そして本作もまた、監督の山賀さんを始め平均年齢20代半ばの制作スタッフが若い力で新たな映像表現に挑んだ作品であります

つまり、シロツグらと制作するスタッフの年齢はリンクして観ることができ、若い力でしか描くことができない熱意やこだわりが『王立宇宙軍』の世界(映像)には存在するのです

だからこそ、本作は若い方に刺激を与える作品であり、多くの若者に観ていただきたく思います

20代だった山賀監督や庵野さんらが、若き日の青春を全てぶつけ徹底的にこだわりぬいて作り上げた本作はきっと今を生きる為のヒントがあるはずです

 

是非ご覧ください!

 

 

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放送日 2021年2月28日(日)よる7時〜
放送局 BS12(トゥエルブ)
 🌟-前回の記事-🌟

【まつもと泉先生】『きまぐれオレンジ☆ロード』作品は永遠に語り継がれる👒

どうも、学生時代の素晴らしさを今更ながら感じる26歳のSATAトミオです

ホントに今更ながら学生時代ってなんて凄い期間なんだと感じます

当時は何とも思わずアニメに浸る生活をしていましたが…もっと色々しておけばと思う次第です


突然ですが、青春って良いですよね!

青春時代って、異常に何かに夢中になったり、そのひと時が人生において特別な時間であり一生を左右したりと不思議な力がある気がします

この世の中の全てが青春で包まれていたら…なんて思うわけで…

 


青春といえば、やっぱりブコメ

ということで今回は、80年代の青春ラブコメ作品『きまぐれオレンジ☆ロード』を取り上げていきます

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きまぐれオレンジ☆ロードとは、1984年に週刊少年ジャンプで漫画連載され、1987年にスタジオぴえろ制作によりTVアニメ化し、全48話放送されたまつもと泉原作のラブコメディです

TVアニメ放送終了後には、劇場版やOVAシリーズが制作されるほどの80年代アニメを代表する人気アニメとなります


キュートで可愛い檜山ひかる・セクシーで大人な鮎川まどか、そして優柔不断な主人公春日恭介、この三角関係で描かれる微妙な恋模様が魅力の作品です

特にまどかは80年代ヒロインの中でも上位にランクインするほどの人気キャラクターであり、80年代アニメを語る上で外せません

 

多くの人が愛した『きまぐれオレンジ☆ロード』、今回はTVアニメシリーズを基に魅力を語っていきたいと思います!

 


あらすじーー

超能力一家の長男である主人公・春日恭介(cv.古谷徹)は、引っ越し初日に赤い麦わら帽子を拾い、持ち主である黒髪の美少女鮎川まどか(cv.鶴ひろみ)と出会う

まどかと話すうちに惹かれていく恭介であったが、転校先の学校で再会したまどかは誰とも口を聞かない不良少女と噂される問題児であった

まどかを慕う後輩・檜山ひかる(cv.原えりこ)に恭介は一目惚れされ、【まどか・恭介・ひかる】という三角関係の中で恭介の心は揺れ動く

 


【1つの出会いが、2つの恋に進み、3つのふるえる心が、優しい音色を奏でた

春日恭介15歳、青春、してます。】

オープニング曲が流れる前にこのようなナレーションから始まる本作は80年代の青春そのものが詰まっている作品であり、【不良、バイク、サックス、ディスコ、バンド 】などの当時の若者文化が多く取り入れられていて80年代後半ならではの時代感を楽しむことができます


また『きまぐれオレンジ☆ロード』は他のラブコメ作品とは違い、主人公である恭介は瞬間移動できるテレポーテーション、物を空中で停止させることができるサイコキネシスなどの超能力(アニメではパワーと呼ぶ)を使うことができます

普段は超能力者であることを隠していますが、ピンチの場面では超能力を使い、難を乗り越える時もあれば、超能力者であるがバレそうになる…そんなハラハラさせる展開も用意されているのです

特に、同じく超能力が使えるいとこの一弥(cv.坂本千夏)は作中一のトラブルメーカーであり、物語を引っ掻き回してくれる存在であります

恭介らの超能力が『きまぐれオレンジ☆ロード』のキーポイントになるということです

 

あなたは、「まどか派」?「ひかる派」?

きまぐれオレンジ☆ロード』といえば、なんといっても黒髪ロングの「鮎川まどか」と栗色ショートの「檜山ひかる」のタイプの違う2人のヒロインであり、この2人の存在無くしては語れません

2人のヒロインをめぐり「まどか派」「ひかる派」というように分かれ議論されることがあると思います

そんな本作のヒロインを紹介しましょう

 

鮎川まどか

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恭介が引っ越してきた初日に、丘の上にある100段階段で出会い赤い麦わら帽子を恭介にあげる中学3年生の黒髪ロング美少女

クールで大人っぽい雰囲気と仲間想いの優しさを持つ彼女ですが、学校ではクラスに馴染めず煙草を吸う不良少女でありミステリアスな一面から様々な噂が飛び交う問題児であった

そこからクラスメイトになる恭介と接していくことで、徐々に誤解を解いていき本来の優しい一面を見せるようになります


恭介に対して優しい一面を見せたと思えば、すぐにそっけない態度で突きはねる…ツンデレな対応で見ている側を翻弄するのがまどかの魅力です

今では当たり前となっているラブコメ作品でのツンデレキャラ…しかし80年代当時のラブコメ作品には珍しい存在であり、"元祖ツンデレ"ヒロインとして語られることがあります


スポーツ万能・勉強成績も優秀・音楽性にも長けていると完璧なヒロイン像であるまどか

特に音楽に関しては両親が海外で活躍する有名な音楽家である為、まどかもサックスやギターなどの演奏を得意としています

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幼い頃から仲の良いひかるちゃんを妹同然のように可愛がり、ひかるちゃんから恭介のことが好きだと打ち明けらた時も、大切に想うあまりに自分の気持ちを隠しひかるの恋を応援してしまうのです

不器用なまどかさんが可愛い!


しかし、そんなまどかも恭介と二人で居るときには秘めていた感情が表にあらわれ、ドキッとさせるような大胆な一面を見せるときもあります

あざとさ全開のまどかさんもいいです!


ひかるちゃんを大切にするあまりに、関係を壊したくないと三角関係を続けるまどかの心の動きにも注目してください

 

・声優

まどかの魅力といえば、声の存在も重要であります

声を演じられた鶴ひろみさんは芯のある女性キャラクターを演じられることが多く、これがまたドンピシャにハマっているのです

特にアニメ版でのまどかは、鶴さんの声で(視聴者を)恋に落としにくると言っていいほど破壊力であり、その魅力は100倍増量されているように思えます

 

ちなみにまどかのモデルとなったのは、「少女A」を歌っている時の中森明菜さんだったりします

言われてみれば「少女A」の歌詞そのものが、まどかを象徴しているような歌詞になっていると思えます

 

檜山ひかる

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反対側のバスケットコートから座ったままの状態で(超能力を使い)ロングシュートを決める恭介を偶然目撃し、一目惚れする天真爛漫な中学一年生の栗色ショート美少女

細く長いまつ毛と泣きぼくろがチャーミングで良いですよね

 

幼い頃から姉のようにまどかを慕い、まどかの影響で不良のような汚い言葉遣いもする時もありますが、好きな恭介の前では言葉を正して一途であり積極的にアタックするひかるちゃんの姿は魅力的であります

 

ひかるちゃんの魅力といえば、なんといってもチョー積極的なところ!

人目を気にせず恭介のことを「ダーリン」と呼び、抱きつき迫ってきます

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「ダーリン」って呼んでくる後輩って可愛くないですか!?

 

あと、恭介の為に弁当を作るなど料理が得意であり、常に好きな恭介のことを想い献身的に尽くします

実は家庭的なひかるちゃんも可愛い存在なのです

 

ひかるちゃんは恭介とまどかが惹かれあっている関係に気づかず、積極的に迫る姿勢が恭介をさらに優柔不断にさせ、恋の三角関係が加速していきます

 

・声優

まどか同様、ひかるちゃんも声が魅力的なキャラクターです

ひかるちゃんの声を演じられた原えりこさんは大人の女性よりも少女役をする事が多く、元気でハツラツとした甲高いひかるちゃんの声は原さんにしか出来ないように思います

 

 

まどか、ひかるの2人のヒロイン以外にも、恭介の双子の妹くるみ(cv.本多知恵子)とまなみ(cv.富沢美智子)にもメイン回が用意されており魅力的な女性キャラクターであります

 

新たな映像表現に挑んだOP・ED

きまぐれオレンジ☆ロード』(毎週月曜19:30〜20:00)が放送スタートした1987年4月6日というのは、同日に『シティーハンター』(毎週月曜19:00〜19:30)が同じ日本・よみうりテレビ系列で放送スタートしたこともあり、『メガゾーン23』や『エヴァ』シリーズで知られる鷺巣詩郎さんが担当されるなど音楽に力を入れている作品であります

特にオープニング・エンディングには、新たな映像表現を取り入れた意欲作ばかりであり、それらのアニメ映像だけを観ても価値がある作品です

時代を先取りしたオープニング・エンディング映像を紹介していきます

 

1stオープニング「NIGHT OF SUMMERSIDE」

キャラクターの動きやアップにした映像が細かく切り替わったり、映像と映像の間に白バックのスタッフクレジットを入れる「サブミリナル効果」を意識したかのような演出が取り入れらています

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サブミリナル効果は、洗脳などに使われる観点から現在では禁止されている技法です

その為、本オープニング映像は80年当時を象徴するオープニングの一つといえます

 

1stエンディング「夏のミラージュ」

映像にはまどかのみが登場し、ビルが立ち並ぶ都会的なシーンから自然溢れる湖のシーンまで、様々なシーンを通してまどかの魅力を演出しています

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またシーンごとに衣装が変わることで、まどかのキャラクター性を表現しているのです

 

2ndオープニング「オレンジ・ミステリー」

まどかがギターを、恭介がドラムを持ちバンドを組み、ロックバンドのMV(ミュージック・ビデオ)のような映像になっております

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映像も全体にモノトーンカラーに仕上げ、映像にも加工処理を施しあるので最高にカッコいいです

涼宮ハルヒの憂鬱」など、現在のラブコメアニメではキャラクターがロックバンドを組み演奏するシーンが描かれる作品は多くありますが、その先駆けとなったのが当時バンドブームを迎えていた『きまぐれオレンジ☆ロード』あたりからではないでしょうか

 

2ndエンディング「悲しいハートは燃えている」

当時の日本では珍しかったサンドアニメーションを起用しており、サンドアーティストの第一人者・飯面雅子さんが本EDの映像を担当されております

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サンドアニメーションとは、砂を使用したアニメ技法でありストップモーションアニメーションのように、砂が動いているように見せる映像が魅力です

また、まどかの感情の揺めきをサンドアニメーションで表現されていると感じます

 

3rdオープニング「鏡の中のアクトレス

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本オープニングのアニメ映像は特殊な演出をされているとして有名であり、カメラカットが切り替わらずにシーンが連続して進んでいく1カットのみの映像となっております

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(例:①走るジンゴロが、コーヒーカップで回るまどかのブローチ→②回るコーヒーカップ(遊具)が小さくなり、その取っ手を掴みコーヒーカップを持ち上げるひかる→③コーヒーの飲むひかるからカメラが引き、喫茶「Abcb」の外観へ)


当時CG技術もそれほど使われておらず、全編手描きで行われるセル画アニメーションでカメラワークを回転させる演出の連続である本オープニングは圧巻です

ちなみに1stオープニング「NIGHT OF SUMMERSIDE」の総カット数が245カットに対して、本オープニングが1カットという対比も面白く思えます

 

3rdエンディング「Dance in the memories」

パズルのように少しずつ画像のピースはめ込まれていき、徐々にまどかのイラストが出来上がっていく演出がされています

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演出的な面ではこれまで紹介した中でも一番シンプルではありますが、シンプルだからこそ心に響くエンディングになっているのではないでしょうか

 

その他にも挿入歌、劇場版「あの日にかえりたい」でも魅力的な映像表現がされていますので、是非チェックしてみてください!

 

公式から買える喜び

きまぐれオレンジ☆ロード』のサントラなどの音楽作品7タイトルが4月24日(土)にアナログレコード盤として再発されます

今回の復刻では、アートワークやポスターなどの特典は当時のままであり、レコード盤面には各タイトルごとに異なるカラーリングを施された初回生産限定での販売です

 


きまぐれオレンジ☆ロード』のレコード市場はというと、発売された当時から30年経った現在でも帯がついた美品の中古LPレコードであれば1万円は軽く越える高価で取り引きされております

それだけに正規の値段で購入できる今回の復刻は、とてもありがたい事です

 

そして今回の復刻で注目すべきは、ポスターなどの特典がそのまま封入されている点であります

つまりこれは、高田明美さんが描かれた美麗な『きまぐれオレンジ☆ロード』のポスターも手に入れることができるということです

高田明美さんの『きまぐれオレンジ☆ロード』のイラストには、今風に言えば「エモみ」があります


今回の復刻で封入されるポスターをまとめてみましたので見てください!

高田明美描き下ろし ポスター〉

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きまぐれオレンジ☆ロード Sound Color 1

きまぐれオレンジ☆ロード Sound Color 2
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きまぐれオレンジ☆ロード Sound Color 3

きまぐれオレンジ☆ロード Singing Heart
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きまぐれオレンジ☆ロード あの日にかえりたい

きまぐれオレンジ☆ロード カセットテープの伝言

 


後藤真砂子(原画) ポスター〉

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きまぐれオレンジ☆ステーション


めちゃくちゃ良くないですか!?


実は『きまぐれオレンジ☆ロード』のポスターも他の80年代アニメのポスターに比べてネットオークションでは高値で取り引きされている貴重アイテムであり、新品状態で入手できる今回の復刻はめちゃくちゃ凄いのであります!

マジでポスター目当てでも購入すべきではないでしょうか!


そして何よりも、中古ではなく新品で購入できるということは公式にお金を落とせる(払える)というです

昔のアニメを愛する我々にとって、新規コンテンツに投資できる機会は中々ありません

そして、今回の復刻LPレコードの売り上げが良ければ…それは次に繋がります


まだ作品を観てない方・レコードプレーヤーを持ってない方でも、買っておいて絶対に損はないハズの代物です

公式から正規の値段で買える今、購入していただきたく思います!

www.hmv.co.jp

 

金色の 夏の蜃気楼(ミラージュ)

2020年10月6日に逝去された『きまぐれオレンジ☆ロード』の作者まつもと泉先生を追悼した作品集

まつもと泉 追悼イラスト集 【金色のミラージュ】』が「とらのあな」より登場します

 本書は連載当時まつもと泉先生のアシスタントをされていた萩原一至先生と岡崎武士先生が企画したものであり、『きまぐれオレンジ☆ロード』に影響された又は所縁のある漫画家、イラストレーター、文筆家、総勢60名を超える作家陣が集結しフルカラーイラストやマンガ・コラム・追悼文などが収録された作品集となっております

当時のアニメスタッフからは、キャラクターデザインをされた高田明美さんや作画監督をされた後藤隆幸さんなども参加されています


また本書の売り上げ・収益金は御香料としてご遺族にお納められるとのことです

 

まつもと泉先生の追悼本が制作されていると知ったのは、亡くなられてから2ヶ月後の12月中旬だったと思います

Twitterで情報を見つけ、まさかそんな企画が進んでいるとも知らず驚きました

そして「金色のミラージュ」というタイトルを見て、本当に嬉しい気持ちになったのを憶えてます


本書のタイトルにもなっている「金色のミラージュ」は、アニメ『きまぐれオレンジ☆ロード』のエンディング曲「夏のミラージュ/和田加奈子」の歌詞から取られているワケです(憶測ですが)

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こういったところに、作品への愛とまつもと泉先生を偲ぶ想いが深く感じ取れます

 


 

そして先日、とらのあなで予約していた本書が届きボリュームの凄さに圧倒されました

それぞれがまつもと泉先生…『きまぐれオレンジ☆ロード』への思いを語り、故人を悼まれております

その中でも10ページに渡り掲載されていた「マンガユニット“まつもと泉"結成から解散まで」という記事に心を打たれました

デビュー当初は2人組のユニットとして活動されていたまつもと泉先生…

この記事では「もうひとつのまつもと泉」さんが、亡くなられたまつもと泉(一弥)さんとの出会いからデビュー当時の話…そして生前の話が語られています

きまぐれオレンジ☆ロード』の誕生…漫画家“まつもと泉"の活躍の裏には「もうひとつのまつもと泉」さんの存在があってこそだと、思わず涙を浮かべながら読ませていただきました

是非、多くの方に読んでいただきたく思います

 

本書は1300円+税とらのあなより購入することができます

とらのあなの通販からも購入することができ、送料を入れても2000円以内です

そして何より、本書を購入することで売り上げ金がご遺族にお納められることになり、まつもと泉先生や作品への想い・恩返しの念を届けることができるのですから…

きまぐれオレンジ☆ロード』が青春だった方も、『きまぐれオレンジ☆ロード』をこれから愛する方も絶対に手にとっていただきたい一冊であります

 

とらのあな 通販ページ

ecs.toranoana.jp

 

永遠に終わらないんだ

まつもと泉先生が訃報から2ヶ月後の12月上旬ごろ、先生の地元が富山県高岡市であるとは知っていたので、とあるイベントで富山県に行くことがあり高岡市にも行ってきました

高岡の街を散策しながら商店街通りを通ったり模型屋を見つけて〔この模型屋には行かれていたのか~〕と思いながら、『きまぐれオレンジ☆ロード』のモデルにもなった高岡古城公園に訪れます

 

訪れたのが早朝だったので朝日が池に反射しとても眩しかったり、石段があれば作中での100段階段ように数を数えながら登り、まつもと泉先生が見たであろう情景をなんとなく思い浮かべながら偲ばせていただきました

短い時間でしたがホントに訪れて良かったです

 


 

今回の記事は、まつもと泉先生の追悼イラスト集「金色のミラージュ」が制作されていることを知り、また『きまぐれオレンジ☆ロード』の魅力を多くの次世代に知っていただきたく書きました


昔のアニメを愛する平成生まれからすると、新たに見始めた80年代のアニメ作品に出演されていた声優やスタッフの方が既に鬼籍に入られているということはそう珍しくありません

出演されている中で気になる作者や声優などを見つけても、Wikipedia上でそういった情報を知り悲しい思いをしたことは何度もあります

しかし、それでも作品に吹き込まれた生命は消えることなく絶えず語り継がれていくことで変わらず生き続けるはずです

だからこそ、故人が込めた想いをまた次世代に伝え広めていくことが、作品の素晴らしいを知るモノの役目であると信じております


平成生まれの自分もそうありたいと思っております

ありがとうございました

 

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 🌟-前回の記事-🌟

ついに入手!幻の80年代アニメ雑誌「BREAK・TIME」アニメ会社の裏側📏

どうも、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が映画館で観れるイベント「GG映画祭」が延期になり立ち直れないSATAトミオです

ビューティフル・ドリーマー』を映画館観る為に、年末年始コツコツと『うる星やつらTVシリーズを観ていたワケですがホントに残念でしかありません…

中止ではなく延期だという所に、一縷の望みを持ちいつか映画館で観れる日を待ちたいと思います

 

 

ここで一つ報告があります

ついに、長年追い続けていた幻の80年代アニメ雑誌BREAK・TIME(ブレーク・タイム)」を入手しました!

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「BREAK・TIME」の存在を知ったのはアニメ雑誌に興味を持ち始めた2019年の5月、それから約1年半…ネットオークションに張りつき続け、競り合いに負けながらの念願の獲得であります

 

おそらく、この記事を見てくださっている方の半数以上が初耳だと思われる謎のマイナー80年代アニメ雑誌「BREAK・TIME」…

どんな内容か気になりませんか?

 

ということで今回は、幻の80年代アニメ雑誌「BREAK・TIME」の紹介をしていきたいと思います

まだ誰も取り上げていないであろう「BREAK・TIME」…そこには当時発売されていたアニメ専門雑誌とは決定的な違いがあるのです

 

アニメスタッフが作る業界誌

まず「BREAK・TIME(ブレーク・タイム)」が発売されていた80年代のアニメ雑誌事情について説明します

 

1980年代というのは、「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」らの社会的ヒットによりアニメブームが到来した時代でした

そこで、アニメを専門に取り扱った雑誌【アニメ専門雑誌】が続々と登場し、アニメーターや監督などのアニメクリエイターが注目を集めていくようになります

1985年には、学習研究社角川書店などの大手出版社の参入もありアニメ雑誌最大8誌刊行される【アニメ雑誌戦国時代】を迎えるのでした

(「月刊OUT[1977]」「アニメージュ[1978]」「アニメック[1978]」「ジ・アニメ[1979]」「マイアニメ[1981]」「アニメディア[1981]」「月刊ニュータイプ[1985]」「アニメV[1985]」、計8誌[創刊年度])

その後アニメブームも低迷し、最大8誌刊行されていたアニメ雑誌も休刊されていき現在も刊行され続けているのは、アニメージュアニメディア月刊ニュータイプの僅か3誌のみ…それだけ生き残るのが難しかったというわけです

その中には、小さな星のごとくわずがな輝きだけを残して静かに歴史の幕を下ろしたアニメ雑誌もあったわけです…その内の一つが「BREAK・TIME」であります

80sanime.hatenablog.com

 

ここからは「BREAK・TIME」の基本情報を紹介していきますが、その前に一つ

この「BREAK・TIME」というアニメ雑誌実は、いつ創刊されて何号まで刊行されていたという情報も曖昧であり、そもそも一般的な書店で売られていたのかも怪しいかったりします

Wikipediaも存在しないぐらい、実態は謎に包まれている幻のアニメ雑誌なのです


というわけで、今回は私が一年半かけて調べた情報を書いていきます


「BREAK・TIME(ブレーク・タイム)」は、【アニメスタッフが作る業界誌】をキャッチコピーにした雑誌であり、新作アニメ情報よりもアニメスタジオの紹介やアニメ会社への就職情報などを中心に掲載されています(略称はBT)

本誌の制作・編集をしていたのは、当時主にタツノコプロ制作のアニメに参加していた「スタジオワールド」というアニメ制作会社(1988年解散)

アニメ制作会社が作る業界誌というだけあってディープな誰得情報も多く、故に80年代アニメを愛し広く知りたいと思っている私としては大変ありがたいアニメ雑誌です


現在、確認できている「BREAK・TIME」の発行号数は全部で6号まで

入手した情報によれば本誌は季刊誌であり、NO.1が創刊されたのはおそらく1984年夏頃だと思われます

そして、今回私が入手したのはNo.③の『魔法の天使 クリィミーマミ』が表紙の号です

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「BREAK・TIME(ブレーク・タイム)」表紙リスト

No.① 不明 1984年夏頃

No.② 幻夢戦記レダ 1984年秋頃

No.③ クリィミーマミ 1985年2月(冬)発行

No.④ キャッツアイ 1985年5月(春)発行

No.⑤ ミンキーモモ 1985年8月(夏)発行(創刊一周年)

No.⑥ アリオン 1985年秋頃

 (No.⑥以降も刊行されていたかは不明)

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ここからは、今回私が入手したNo.③を元に「BREAK・TIME」の内容を紹介していきます

 

クリィミーマミ』を誤表記するアニメ雑誌

今回紹介する『魔法の天使 クリィミーマミ』が表紙のNo.③号では、『クリィミーマミ』を制作したスタジオぴえろが特集されております

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時々『クリーミィーマミ 』や『クリーミーマミ』といった鉄板の伸ばし棒誤表記があるのはアニメ雑誌としてはいただけませんが、スタジオぴえろのファンクラブ会報誌などが紹介されていて楽しい記事になっておりました

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(正しくは『クリィミーマミ、魔法のステッキは一本だけと覚えましょう♪)

80sanime.hatenablog.com

また、インターナショナルスクールに通う子ども達に人気作品とキャラクターのアンケートを取った記事や血液型から自分の向いているアニメ業種がわかる記事もあります

 

80年代アニメ業界の裏側に迫る

「BREAK・TIME」では「楽屋通信」という記事で、普段見れないアニメーター又はアニメスタジオの様々な実態が紹介されています

私が注目した記事の内容ちょっと書いてみましょう

 

スタジオにもモーターサイクルの波

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最近、疲れたアニメーターが増えてきている。と始まる本記事…

この記事では、アニメスタッフ達にモーターサイクル(オートバイ)のブームが到来したと書かれています

モーターサイクルブームは"金田パース"などで知られる伝説のアニメーター・金田伊功さんを教習所で見かけられる程のブームであり、それほどまでに盛り上がっていったと語られています

しかし冬のシーズンになると、アニメスタッフにとってモーターサイクルは大きな脅威となり、寒さの副作用から手が震えて出社1時間は仕事ができない問題が発生

そして、事故をして怪我したら仕事が出来なくなり、ただバイクを持った貧乏人になると問題提起もされております

 

制作の車が夜の街に疾走!

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この記事では、アニメの作画されたカット袋を回収する制作進行の社用車の特徴が書かれていました

中々に面白かったので文面をそのまま紹介します

まず車種。たいがいあのヤング向けファミリーカーの代表ファミリアかスターレット

スピードが出て燃費がいいという、うってつけの車だ。

色は白、黄色、青が主流。黒、グレー、紺色など気持ちを落ち込ませるおそれのある色は御法度となっている。

タイヤは激しいコーナーリングのためすり減っている場合が多く、アルミホイールなど絶対にない。左フェンダー(ウィンカーのへん)や左右のドア後ろのバンパーなどぶっつけている。

窓には放映中の作品のステッカーが貼ってあり、そのガラスはあくまできったない(ウォッシャー液もきれている)。

ドアのへっこみと重なって〇〇プロダクションもか、スタジオ〇〇〇〇と書いてあることもある。「BREAK・TIME」No.③ p.14より

当時から制作進行の主な仕事は作画されたカット袋の回収であったと記されており、デジタル作業が増えてデータでやり取りしている現代よりも1980年代は制作カーを爆走させていたことが想像できます

 

給料前と給料後⁉︎

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アニメスタッフにとっての待ち遠しい日といえば給料日であり、給料日を迎えて喜ぶのはどの業界も同じであると紹介されていました

給料日前の貧乏メシとして、おかゆ、のり玉、江戸むらさきでご飯を食べていることが書かれておりソース定食だけはやりたくない!と、アニメスタッフはどの時代も切り詰めて生活していたことが分かります

そして昼食のラーメン代63円には手を出さず迎えた給料日後は、ブタと白菜とトーフで水タキをやろうと意気込み、今度の休みには「ゴーストバスターズ」(1984年12月公開)を観に行こうと書かれているのでした

 


そして本記事の文面で特に驚いたのが、【7-11】という謎の言葉です

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これ、何て読むか分かりますか?

 

当たり前のように記事に書いているので、アニメ業界用語かな?と思ったのですがこれ…コンビニの"セブンイレブン"のことです


よくよく考えればすぐわかることだと思いますが、「セブンイレブン」がまさか80年代では「7-11 」で表記されているとは思いもしませんでした

こういった所に現在26歳の若造は、ジェネレーションギャップを感じてしまいます

 

その他にも、「二日酔いで仕事をすると」や「ワッ自分の作品がTVに!」や「スタジオの冷蔵庫に突撃調査!」などユニークな誰得情報が満載です

是非、本誌をGETして楽しんでください!

 

アニメ業界就職情報

この記事では、1985年当時のアニメ業界事情と就職するアニメスタジオの選び方などが書かれています

その中でも「近い未来 アニメ業界は…⁉︎」というアニメ業界の未来について書かれている記事に注目しました


記事の内容を見ますと、3〜4年後にはアニメの放送本数が減少していくと書かれています

この予言は見事に当たり、本誌が発行された1985年というのは、 ロボットアニメの人気低下や『ガンダム』ブームに続くオリジナルアニメが登場せず、1985年〜1990年あたりまでは「アニメ 冬の時代」と呼ばれ苦しい状況下にあった時代です

その為、制作本数も減少傾向になりました


そして、最近でもたびたび話題になっている自動中割りツールも既にこの頃から考えられていたというのは意外でした

 
中割りとは、アニメの原画と原画の間を補う作業


そして本記事の最後に書かれていた一文を紹介したいと思います

今後、中途半端な技術しか持たないものは、アニメ界にいれなくなってしまうといわれることが、いよいよ本当のものになってきた。

今の時期、技術面、創造面で一定のレベル以上までにいけない人は、必要なくなるだろう。

これからアニメ界を目指す人々にとっては多難な将来といえる。「BREAK・TIME」No.③ p.44より


80年代以降からは、セル画を使ったアナログ制作からコンピュータを使ったデジタル制作に移行していったことにより、アニメスタッフに求められる技術が大きく変わっていきました

アニメスタッフにとっては、新しい技術の登場により助けられた部分もあれば、それらと技術力の面で勝負して勝たないと仕事を失う恐怖との戦いであったかと思います

そういった意味でも、順応できず一定のレベル以上までにいけない人は、必要なくなってしまうのかもしれません

 

誰が興味あんねん!? 伝説のアニメスタジオの弱点

中でも目を引くのが「りょう子ちゃんのスタジオ探検記」という記事です

この記事では、毎回アニメスタジオを訪ねてスクープを掲載するといった感じになっています

そして今回は、『伝説巨神イデオン』『戦闘メカザブングル』『聖戦士ダンバイン』らのキャラクターデザインをされた湖川友謙さんが率いる「ビーボォー」の特集でした

 

ビーボォーとは、1979年に設立された『イデオン』『ザブングル』などの80年代サンライズ作品に参加し『Zガンダム』のキャラクターデザインをされた北爪宏幸さんや"板野サーカス"で知られる板野一郎さんも所属していた伝説のアニメ作画スタジオであります(1989年に解散)


そんな伝説的作画スタジオとして知られる「ビーボォー」でありますが、本記事ではある弱点が取り上げられております

それが「ビーボォー」が参加している"アニメリーグ"という野球リーグ戦での勝敗成績です

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1勝10敗…

ビーボォー」めちゃくちゃ弱い!!
どこの会社にも社員らで結成する草野球チームはあると思いますが、その試合結果を雑誌で取り上げようとするスタイルが面白すぎます(さすが、アニメスタッフが作る業界誌!)

 

あとアニメリーグについても軽く説明しますと、アニメスタッフの運動不足解消と各アニメ制作会社・スタジオの親睦を深める目的で1977年より毎年行われており、現在でもその活動は続いているのです

つまりは40年以上の歴史があります


そして今回の記事では、(全18戦のうち)リーグ開幕から10連敗した「ビーボォー」野球チームが念願の初勝利をおさめた記録が鮮明に載っているのです

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スタジオの代表である湖川さん自らがピッチャーをされていたり、「BLACK LAGOON」や「デジモンアドベンチャー tri.」のキャラクターデザインをされ現在も活躍されている筱雅律さんが3試合で2本もホームランを打つバリバリの長距離打者であったことも分かります(ホント、誰得情報だよ…)

 

また本記事では、当時の湖川さんの写真も掲載されており、当時のアニメ業界について熱く語られております

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マニアックでマイナーだからこそ、伝えていくべき魅力!

いかがだったでしょうか…?

「誰が興味あんねん!」とツッコミたくなるようなマニアックな記事ばかりで、本誌に対する当時の評価が気になるところです

記事内でも書いたように、今回紹介した「BREAK・TIME」は刊行されていた当時からマイナーな雑誌だったかと感じます

それを裏付けのが前回(No.②)の号での応募プレゼント総数を発表しているページです

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めちゃくちゃ少ない!

応募総数を全部合わせても、200件いかないってどうなのかと思います

本誌のマイナーさが窺えます

 


 

制作進行の車などのアニメ業界あるあるを見ていると、少し前に放送され劇場版にもなったアニメ制作会社を舞台にした「SHIROBAKO」というアニメ作品を思い出します

本誌ではまさに、リアル「SHIROBAKOの世界がそのままに記録されているのです

 


1980年代という時代は当然ながらインターネットもなく、情報を得れるメディアが限られていました

だからこそ、情報が乏しい時代であった80年代において本誌のようなアニメ業界の裏側を取り上げる雑誌が必要であり、アニメ業界で働くことを夢見る若者には凄く重宝した雑誌だったのかと思います

ただマニアックな情報をメインにしたことで短期間で休刊し、幻の80年代アニメ雑誌となったのではないでしょうか


輝かしい栄光の中には、ひっそりと消えていったモノもあります…

そういった当時のモノも含めて、80年代アニメの魅力ではないでしょうか?


今後も80年代アニメの魅力をメジャー・マイナー問わず、次世代の若者に伝えていければと思います

とりあえず次は、もう一つの幻のアニメ雑誌Globian(グロービアン)」について書きましょうかw

 

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BREAK・TIME(ブレーク・タイム)」の情報大募集!!

まだまだ謎に包まれている本誌の情報を大募集しております

「BREAK・TIME」についての情報があれば、当ブログのコメント欄又はTwitterの方に連絡ください

 

よろしくお願いします!

twitter.com

 

🌟-前回の記事-🌟

80sanime.hatenablog.com

名作プレイバック第13回『太陽の牙ダグラム』会議シーンで魅せるオトナのアニメ👔

どうも、年始休みにブログ活動をサボりまくって記事の書き方を忘れたSATAトミオです

新年一発目の記事がまさかの11日目…さすがに書けなさすぎる自分に呆れています

正月太りと共に、たるんだ姿勢を少しずつ解消していきたいですね

 


本記事を投稿する1月11日は『装甲騎兵ボトムズ(1983)』『機甲界ガリアン(1984)』『蒼き流星SPTレイズナー(1985)』の監督として知られる高橋良輔監督の誕生日だったりします!


🎉誕生日おめでとうございます🎉

(実は書いている当日に気付きました)


今年で78歳になられた高橋良輔監督、年末に放送された『ボトムズ』のBlu-rayBOX発売を記念した特番に出演されていた姿を見ても元気そうで嬉しく思いました

 


装甲騎兵ボトムズ 「炎のさだめ2020ver.」PV


ここまで高橋良輔監督の名前を出して書いてきましたので、今回の記事は戦闘シーンよりも政治ドラマが光るロボットアニメ太陽の牙ダグラムの紹介であります

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太陽の牙ダグラムとは、1981年に日本サンライズ(現・サンライズ)制作で監督・高橋良輔神田武幸により全75話放送されたロボットアニメ

また1983年には本編を再編集した映画『ドキュメント 太陽の牙ダグラム』が公開されました(併映作品は『ザブングルグラフィティ』と『チョロQダグラム』)

 


高橋良輔作品といえば『ボトムズ』みたいなところがありますが、私は断然『ダグラム』を推しています

 


今回は『ダグラム』の魅力を紹介する記事なのですが…コレだけは始めに言っておきます

ダグラム』という作品は…まーあ!地味です!!

 

80年代のロボットアニメといえば、ロボットアニメ黄金期と呼ばれる時代であります

そんな時代群の中で本作は、宇宙空間での戦闘もなく、合体・変形もなし、必殺技を叫んでカッコよく勝利!という展開もありません…

 

しかし、そんなロボットアニメの方程式を全て覆し、ミリタリー色を徹底的に極めたロボットアニメが『ダグラム』なのです!


そんな地味だけど見応えが満載な『太陽の牙ダグラム』を今回は紹介していきます


あらすじーー

地球の植民惑星デロイアでは、150年におよぶ地球連邦政府の支配から解放をねがい、デロイア各地でゲリラ部隊が自由と独立のための戦いが絶えない星でありました

ある日、デロイアに訪問していた地球連邦評議会議長のドナン・カシム(cv.山内雅人)を監禁し独立を要求する事件が起きます

父親が監禁されていることをニュースで知った息子クリン・カシム(cv.井上和彦)は、地球からデロイア行きを決意し地球連邦軍の人質救出部隊に参加するのです

しかし、監禁事件はドナンらが仕組んだことであり、デロイアを地球連邦の自治州として認め地球連邦軍によるゲリラを一掃する為のものでありました

偽りの独立とゲリラ狩りをする父ドナンのやり方が許せなかった息子クリンは、デロイアの完全独立を求める指導者デビット・サマリン博士(cv.宮内幸平)と出会い、植民惑星デロイアの現実を知ります

そしてクリンは、独立ゲリラ派が開発し地球連邦軍に奪われていた最新鋭コンバット・アーマー「ダグラム」を奪回し、ゲリラ部隊の一員としてデロイア独立の為に父ドナンと闘うことを選ぶのでした

 


一発の銃声がすべての始まりだった。】というセリフから始まる本作は、全75話とロボットアニメの中でもめちゃくちゃ長い作品ですが、見始めればアッという間に終わります

現に私が視聴した時も3ヶ月も経たない内に全75話完走しました

つまり、それぐらい面白くてドンドン先が観たくなる作品だということです


父と子の確執、地球人クリンとデロイア人ロッキーらとの友情、恋人デイジーとのすれ違う愛、デロイア人同士の戦い、裏で暗躍する大人たちなど…


本作は色んな角度から観ることができ、見どころがたくさん描かれているわけです

 

クリンらと共に戦う仲間

地球人でありながらデロイア独立を目指すゲリラ解放部隊に参加することになるクリンでありますが、そこで共に戦い生まれる友情も本作の魅力であります

というわけでまずはクリンら「太陽の牙」メンバーの簡単に紹介をしていきましょう

 

クリン・カシム(cv.井上和彦)

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地球連邦評議会議長のドナン・カシムの三男として生まれた地球人、本作の主人公

ゲリラ狩りをする父ドナンの考えに反対し、地球人でありながらデロイア独立解放軍に参加・「太陽の牙」メンバーとなり、コンバットアーマー「ダグラム」のパイロットとなります

 

ロッキー・アンドル(cv.田中亮)

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地球で暴走族"デロイア7"のリーダーをしていたデロイア人の男

ドナン監禁事件以前に地球でクリンと出会い仲良くなるものの、クリンが政治家の息子(それも地球人の)と知り敵視していましたが、次第に仲間として迎え入れ一番の理解者となります

デロイア7のリーダーであったことから「太陽の牙」もリーダーを務め、培われた人望と統率力で引っ張っていくのです

 

キャナリー・ドネット(cv.山田栄子)

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ロッキーと幼馴染のデロイア人の女

兄を地球連邦軍のゲリラ狩りで亡くし「太陽の牙」に参加することになります

ロッキー同様にドナンの息子であるクリンを敵視していましたが、次第に仲間として迎え入れるのです

 

チコ・ビエンテ(cv.田中崇〈改名前〉銀河万丈〈改名後〉)

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スキンヘッド頭のイカつい長身のデロイア人の男

大重量のビッグEガンを簡単に扱い、その命中率と破壊力はコンバットアーマー以上であり個人的にはチートキャラクターだと思っています

デロイア7からのメンバーであり、最年少のビリーと絡むシーンが多く描かれてる

 

ナナシ(cv.緒方賢一)

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大柄で常に半裸のデロイア人の男

「〜だなす!」というセリフが特徴的な陽気な人物であり、野生的な感覚で活躍する時があります

デロイア7からのメンバー

 

ビリー・ボール(cv.梨羽雪子)

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小柄なデロイア人の少年

子供っぽいところもあるが芯は強く、「太陽の牙」のムードメーカー的な存在であります

デロイア7からのメンバー

 

フェスタ・ブロンコ(cv.鈴木清信)

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ケンカっ早く起伏の激しいデロイア人の男

だが時より優しい一面を見せる時があります

デロイア7からのメンバー

 

「太陽の牙」メンバーとの掛け合いや友情など、クリンが成長する過程には常に彼らがいて本作を盛り上げてくれる存在となります

是非注目していただきたく思います

 

戦争はテーブルの上で決まる

ダグラム』というは、主人公のクリン達の奮戦している裏で暗躍する政治ドラマが売りの作品です

会談などの話し合いをするシーンも多く、アクションシーンもないのに盛り上げてくるストーリー構成は圧巻といえます

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本作を観ていると戦争というのは戦場で勝敗が分かつわけではなく、テーブルの上で決められていることを教えてくれるのです


そういった陰謀や野心…それぞれの思惑が重なり縺れあい、ゴタゴタになるドラマこそ『ダグラム』の見どころであります

ロボットアニメの中でも戦略戦や政治的ストーリーを好む方は、テーブルの上での戦いこそ魅力の『ダグラム』にハマること間違えないです!

 

全然会わない恋愛ドラマ

ダグラム』で外せないのが、他のアニメとは一味違う主人公・クリンとヒロイン・デイジーの恋人関係です


まず始めに本作のヒロインであるデイジー・オーセル(cv.高島雅羅)の画像を見ていただきましょう

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頬骨のクセが強い…

しかし、キャラクターデザインだけで魅力を語ってはいけないのが『ダグラム』の恐ろしさであり面白いと感じるポイントです

 

デイジーは、クリンが地球にいた時からの恋人であり、クリンを追いかけてデロイアにやってきます

お嬢様育ちであるデイジーは、クリンとも親交のある新聞記者ラルターフ(cv.兼本新吾)と共に追いかけ、デロイアで様々な経験を積むのです

クリンがゲリラ部隊に参加して戦うなら、デイジー野戦病院で看護婦の手伝いをしたり…それぞれがデロイアで起きていることに直面しながら成長していくのでした


そして、何といってもクリンとデイジーはなかなか会うことができません

デイジーもクリンを追いかけて色んな場所に行くのですが、すれ違いばかりを繰り返しのです

逆にいつ再会するのかに注目して観ていただければと思います

 

自分だけの"推しの大人(オトナ)"が見つかる

ダグラム』はクリンらが所属するゲリラ部隊「太陽の牙」のキャラクターがメインとなりストーリーが進んでいく作品ではありますが、そのストーリーをさらに盛り上げてくれるのが人間味に溢れる大人たちです

その中でも野心に溢れる大人が多く登場し物語をかき乱す存在となります

今回は『ダグラム』において重要な2人の人物を紹介します

 

ヘルムート・J・ラコック(cv.仁内建之)

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ドナン・カシムの補佐官として共にデロイアの地に降りた若き青年

補佐官としては頼もしい仕事をするのですが、とにかく冷徹でありドナンとも考え方が違い、補佐官としての自分に満足できない日々を過ごしていました

故に芽生える野心…その野心は長い時間をかけて育てられ、やがて…

 

彼の存在がストーリーを大きく動かし、作品全体に深みを与えて、本作の裏主人公はラコックだと私は思っています

自分の実力が認められず表舞台に出れないでいる事に苛立ち、屈折した考えを持ってしまう…

若い日に誰もが抱く野心をリアルに描き、ラコックの人生を全75話と長きに渡り描いているところに『ダグラム』の魅力があると思います

 

コール・デスタン(cv.広瀬正志)

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デロイア独立ゲリラの組織リーダーを務めていた男で、クリンら「太陽の牙」を指揮していた時もある

しかし、組織内での地位を維持できずに失踪…独立ゲリラ部隊の情報を流す情報屋として影を潜めてながら活動します


デスタンを演じられた広瀬正志さんの代表作といえば、誰もが理想の上司として上げる『機動戦士ガンダム』のランバ・ラルだと思います

人格者であり部下思い、そしてカッコいい

こんなカッコいい大人になりたいと憧れるのがランバ・ラルというキャラクターです


では、『ダグラム』に登場するデスタンはどうなのかといえば…その真逆

臆病者の姑息、自分が助かる為なら他人を蹴おとす行為もします

その上、実権を持つ相手にはゴマすりをして気に入られようとするのです

 

しかし、そんなデスタンも始めから悪いキャラだったわけではありません

それなりに順風満帆だった人生が、一つのボタンのかけ違いで転落していく…それでも生き残ろうと苦しみもがく、とても悲しきキャラクターなのです

卑怯者ながらもそういった人間味があるところにデスタンの魅力なのかもしれません

 

 

その他にも、クリンの叔父さんであり地球連邦軍の将校のレーク・ボイド、デロイア人民解放軍の幹部のヘシ・カルメル、ザルツェフ、J・ロック…もう名前を挙げればキリがありません

是非、自分だけの"推しオトナ"を探してみてください!

 

"雪が溶けたら"何になるか知ってますか?

ダグラム』という作品は、実と理想の狭間で揺れ動く主人公クリンら若者の葛藤を描いた作品であり、己が権力の為に時に人間の弱さを見せる大人たちのドラマという色んな視点から観れる作品であります

だからこそ、面白いのです

 そしてその物語は、全75話と長期に渡り語られているので正直ダレる部分もあるかもしれません

しかし物語がゆっくりと動くことで、変わりゆくキャラクターの心情や立場の変化を時計の秒針のように見届けることができます

はっきり言って、こんな作品は滅多にありませんよ

是非、『ダグラム』を一話一話噛み締めるように観ていただきたく思います

 



最後に私の大好きなセリフを紹介します

クリンとデイジーの会話の中に「雪が溶けたら何になるか知ってる?」というやりとりがあります

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そう聞かれたクリンは「水になるんだろ?」と答えますが、デイジーは「ふふ、きっとそう答えるだろうと思ってたわ。雪が溶けたらね…になるのよ。」返すのでした

 
この言い回しは色んな作品でも使われていますが、まさに今の時代にこそ必要な言葉だと思います

コロナ禍の現在、関東圏では再び緊急事態宣言も発令し更には変異種となるものまで現れ、辛い日々が続いています…

雪が溶けたら春になる…この言葉の通り、雪が溶ける頃にはきっと暗い日々を脱して明るい春の季節が訪れると信じています

今は耐えるとき…こんな時こそ、自由と己の信念の為に戦い、様々な人物が織りなす『ダグラム』の世界観に浸りながら春の訪れを待ちましょう!

 

Not even justice, I want to get truth

【真実は見えるか!】

 

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anime.dmkt-sp.jp

 

🌟-前回の記事-🌟

80sanime.hatenablog.com

 

あっ、遅くなりましたが…

新年明けましたおめでとうございます!

今年もよろしくね♪

私が観た、2020年下半期ベストアニメ80's

2020年下半期を振り返れば…いや、2020年の一年間を丸々振り返ってもやはり新型コロナウイルスに狂わされた一年という感じがします

それでも辛く苦しかった上半期とは違い、下半期は緊急事態宣言が解け「Go Toトラベル」などの事業と共に平穏であった日々に戻ろうとした半年でもありました

まだまだコロナ禍での戦いは続いていく中…「心機一転」2021年を迎えるにあたり、この半年の行いを振り返る必要があります

 

ということは、当ブログ名物『ベストアニメ80's』を見てもらう時です

 

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半年前に上半期の『ベストアニメ80's』を書いたのがつい先日のように感じ、時の早さを痛感しつつも〔よく飽きもせずブログ活動を続けているような~〕と、この時ばかりは自分を褒めたくなる瞬間でもあります

 
昨年上半期から始め今回で第4回を迎えた『ベストアニメ80's』、やる事は今までと同じです

私が2020年下半期に観た80年代アニメを作品、キャラ、歌に分けて独自に勝手に大胆に語っていきたいと思います

個人的な記録という意味合いもありますので過度な期待はしないでください

 

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2020年下半期(7月〜12月)に観た80年代アニメ作品は以下の通りです(※完結まで観賞した作品を対象とする)

 


テレビ作品

宇宙大帝ゴッドシグマ(1980)全50話

レディジョージィ(1983)全45話

夢戦士ウイングマン(1984)全47話

超獣機神ダンクーガ(1985)全38話

タッチ(1985)全101話

銀牙 流れ星銀(1986)全21話


映画作品

夏への扉(1981)

あしたのジョー2(1981)

幻魔大戦(1983)

風の谷のナウシカ(1984)

オーディーン 光子帆船スターライト(1985)

ハイスクール!奇面組(1986)

バツ&テリー(1987)

王立宇宙軍 オネアミスの翼(1987)

妖獣都市(1987)

グリム童話 金の鳥(1987)

めぞん一刻 完結編(1988)

きまぐれオレンジロード あの日にかえりたい(1988)


スペシャル作品

きまぐれオレンジロード ジャンプスペシャル(1985)


OVA作品

NORA(1985)

夢次元ハンター ファンドラ レム・ファイト編(1985)

コール・ミー・トュナイト(1986)

超獣機神ダングーガ 失われた者たちへの鎮魂歌(1986)

トワイライトQ 全2話(1987)

デジタル・デビル物語 女神転生(1987)

大魔獣激闘 鋼の鬼(1987)

ジャンクボーイ(1987)


映画館視聴作品

幻魔大戦(1983)

風の谷のナウシカ(1984)

トップをねらえ! 全6話(1988)

AKIRA IMAX版(1988)

機動警察パトレイバー the Movie 4DX(1989)

 

(制作年順)

 

・作品部門

夏への扉(1981)

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本作は『地球へ…』や『風と木の詩』などで知られる漫画家・竹宮恵子さんの短編漫画で、1981年にアニメ映画化された作品であります


恋愛感情を持たない主人公・マリオン(cv.水島裕)と仲良しであり同じ男子寮で生活する合理党のメンバー、ジャック(cv.古谷徹)・リンド(cv.古川登志夫)・クロード(cv.三ツ矢雄二)…4人の少年は固い友情で結ばれていました

しかしある夏の日、突然現れた娼婦・サラ(cv.武藤礼子)の妖艶な魅力に狂わさられ、1人大人への階段を登ったマリオン…

その出来事をきっかけに固い友情で結ばれていたハズの4人の絆は脆く崩れてゆき、思春期の少年らが抱いていた感情は抑えることができず、物語の針は大きく動き出すのです


本作はアニメ映画としては短い、 1時間ほどの作品でありますがクライマックスへのストーリーの持っていき方がめちゃくちゃ秀逸な作品あります

終盤に襲いかかってくる怒涛の展開はホントに圧巻であり、〔アァああァーー!!〕と叫んでしまうほど衝撃的な展開が描かれていました

そして、そのストーリー展開をさらに盛り上げるのが『渡る世間は鬼ばかり』や『超時空要塞マクロス』で知られる羽田健太郎さんの音楽です

マジで音楽の凄さに呑まれていきます


またマリオンをはじめとする合理党のメンバーも魅力であり、水島裕さん・古谷徹さん・古川登志夫さん・三ツ矢雄二さんといった1981年当時、今でいうアイドル声優としての人気を博していた4人が主要キャストを担当されていてめちゃくちゃ豪華なのです

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1時間で物語が完結し、ハネケン(羽田健太郎)さんの音楽も素晴らしく、クライマックスへのストーリー展開が最高にハラハラさせられる作品なので、多くの方に観ていただきたい作品であります

 

風の谷のナウシカ(1984)

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「炎の7日間」と呼ばれる最終戦争から1000年後、世界は有毒の瘴気を発する菌類の森「腐海」に覆われてしまいます

まだ腐海に侵されていない小国・風の谷の族長の娘ナウシカは、大国トルメキアの輸送機が風の谷に墜落したことをきっかけに、谷は制圧されナウシカは囚われることになり再び世界は戦いの業火に包まれるのです


"人間と自然"の共存関係を描いた言わずと知れた宮崎駿さんが原作・監督を務めた劇場版作品であります

そんな日本アニメ映画史にも残る名作『風の谷のナウシカ』…実は今まで観たことがありませんでした

ナウシカ』といえば、のちにスタジオジブリとなるトップクラフト制作の作品であり現在ではジブリ作品の一つに数えられております

最近も放送されていたように「金曜ロードショー」で観ることも容易い作品でありましたが…やっぱり有名な作品ってちょっと敬遠したくなるじゃないですか

それに自分は宮崎駿監督をライバル視している富野由悠季監督のファンでもあるので、〔誰が宮崎駿(監督)のジブリ作品なんて観てやるか!〕と避けておりました(少しオーバーに書いてます♪)


そんな中、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出され、多くのエンタメ業界の活動が止まってしまう異常事態…もちろん映画業界も例外ではありませんでした

緊急事態宣言が解け、徐々に映画業界も活動が再開されるタイミングで初めに動いたのが「一生に一度は、映画館でジブリを。」として(『ナウシカ』を含む)ジブリ4作品を映画館で上映するプロジェクトであります

〔まぁ映画館で観れるのであれば観てやってもいいか!〕ということで、軽い気持ちで『ナウシカ』初視聴を映画館で観た次第です

 

そして観た結果…〔めちゃくちゃ面白かったです!今まで生意気なことばかり言って誠にすいませんでした!〕と心の中で深々と謝罪させていただきました

面白いだけでなく「腐海」などの環境問題にも切り込んでいて、名作として語り継がれている理由がしっかりあるのだと感じたのです

いや~食わず嫌いはダメですね!


おそらく、今回のコロナ騒動がなければ映画館で観れることもなく、その後も敬遠し続けていたでしょう

それに初見を映画館で観ることができた…このインパクトはとても大きく、平成生まれの自分にとってとてつもない財産なのです

そういう意味ではコロナ禍で唯一嬉しい出来事であったように思います

 

超獣機神ダングーガ(1985)

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突如、宇宙からの侵略国家・ムゲゾルバドス(ムゲ帝国)の襲来により壊滅的な打撃を受けた地球…その脅威に立ち向かう為に主人公・藤原忍(cv.矢尾一樹)らは「獣戦機隊」を結成し、4機のメカが合体した「ダングーガ」でムゲ帝国と戦う作品です


主人公である忍が大人に反感を持つ荒くれ者である事は作品を観る前から知っていたことですが、意外にも真面目でユーモアな一面もあり、また信念を持って「獣戦機隊」に参加しているところに好感を持ちながら視聴しました
そして、メインメカがまさかの作品中盤からしか登場しないという展開にも驚愕した思い出もあります(しかし、主人公メカが出なくても面白いのが『ダングーガ』の素晴らしいところ!)

 
本作は、自分が観たい80年代アニメ4作品の中からTwitter上で投票機能を使い、観る作品を決めていただいて視聴した作品でありました

正直『ダングーガ』一強かなと思っていた投票だったのですが予想外にも『メカドック』が猛追してきて、最終的には10%差という僅差で『ダングーガ』の勝利!
こちらの投票で観る作品を決めるというシステムが、どの作品が選ばれるのかというハラハラ感もあり中々面白かったので、2021年でも採用していこうと考えています

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・男性キャラ部門

風見博士/cv.富田耕生(宇宙大帝ゴッドシグマ)

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ゴッドシグマの開発者であり、ゴッドシグマの動力となるトリニティエネルギーの開発者

〔まぁスーパーロボット作品系ではお馴染みの博士キャラですよね~〕と、そう信じて疑わなかったキャラクターでした

しかし、作品後半から急変!〔えっ!!アンタってそんなキャラだったの!?〕と言うぐらいキャラのイメージが変わるのです(制作スタッフの陰謀かと思うぐらい)

これほどまでに評価が急降下するキャラも珍しいと感じると同時に、だからこそ忘れられない名キャラになったのではないとも感じています

まさにダークホース!

"科学の力に取り憑かれた男は恐ろしいぞ!"っというところを観ていただければと思います

 

シャピロ・キーツ/cv.若本紀昭(超獣機神ダングーガ)

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地球軍の士官であり主人公・藤原忍や結城沙羅ら獣戦機隊メンバーの上官であったが、地球軍を裏切り敵・ムゲゾルバド(ムゲ帝国)に寝返った男

ムゲ帝国に寝返ったからも更なる高みである人類征服も目論むほどの野心家であり今風にいえば、ホストの帝王として有名なROLANDの"俺か俺以外か"という言葉が似合うほどの自分の存在に自信のあるキャラクターであります

また士官学校時代の沙羅とも交際しており、女性を惹きつける魅力もある男です(それゆえに、因縁や悲劇を招いてしまうのもカリスマ性がある証拠かも…)


シャピロというキャラクターは、演じられた声優の若本紀昭(現・若本規夫)さんの代表的なキャラクターでもあり、シャピロ以降には『銀英伝』のロイエンタールや『トップを狙え!』のオオタコーチのようなクールで切れ者の役が増えていったように感じます

そういった点でもシャピロ・キーツというキャラクターはカリスマ性があり人を惹きつける魅力があるではないでしょうか

 

二階堂望/cv.堀川亮(めぞん一刻 完結編)

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主人公・五代裕作と同じアパート・一刻館の住む大学生

大学への入学が決まり手違いから一刻館にくることになるが、過保護な母親から逃げられることと管理人の響子さんの可愛いのを理由に一刻館に住み続けています

 

というのはあくまでも原作での情報…この二階堂というキャラクター、TVアニメ版では一切登場しません

そもそもそんなに目立ったキャラでもなく、原作で二階堂が担当していた役回りも一の瀬さんの息子・賢太郎が務めることで何のも問題なくなってしまったことから登場することがなかったとされているキャラクターです

先に原作を読んでいた私も二階堂の登場を心待ちにしていましたが、いなくても成立していることを受け入れてしまいます

まぁ悲しい性を与えられてしまったキャラクターというわけであります


しかし、アニメオリジナルエピソードとして描かれた劇場版『めぞん一刻 完結編』で登場していたのです

当時観ていた方も二階堂の登場に(たぶん)歓喜したでしょう

ですが二階堂の役回りはあまりにも悲しく、空気が読めないキャラクターとして描かれております

二階堂にかけられた呪縛は消えることがありません…

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・女性キャラ部門

松岡ケイ子/cv.島本須美(夢戦士ウイングマン)

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主人公・広野健太が通う仲額中学校の教師であり、新体操部の顧問もされています

 

授業をサボりヒーローアクションをする健太に対して、鬼よりも怖く説教を浴びせるというのが『ウイングマン』の一連の流れとなっております

そんな松岡先生も恋に夢見る独身(たしか26歳だったはず)であり、赴任してきた北倉先生に惚れ猛アタックを仕掛けるのです

しかし、北倉先生の正体は"キータクラー"という健太と戦う敵…松岡先生の恋は実るどころかキータクラーに利用される場面もあります

学校一の問題児・健太に見せる鬼の顔もあれば、北倉先生に見せる乙女の顔もある…そんなパワフルであり豊かな表情を使い分けるのがも松岡先生の魅力です


あと『ウイングマン』の放送が1984年であり、島本さんが主役をされている『風の谷のナウシカ』と同時期なのですよね

だから松岡先生とナウシカをどうしても比較してしまい、あまりのキャラクター性の違いに思わず笑ってしまうことが本編を観ている途中で何回もありました(当時観ていた方も同じ気持ちであったように思えます)

そう考えると改めて声優さんって凄いよなと思う次第です

 

新田由加/cv.冨永みーな(タッチ)

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主人公・上杉達也のライバルにあたる須見工の4番打者・新田明男の2歳下の妹

兄のために達也のいる明青学園にスパイとして入学し野球部のマネージャーになりますが、それは惚れた達也に近づくための口実にすぎないのでした


由加の本作での役どころは、主人公・達也とヒロイン・南ちゃんの関係を遠ざけ引き裂こうとする…まぁ「嫌なキャラ」というポジションとなります

好きな達也の前では猫を被り、その上クラスの男子からモテモテなので女子からは嫌われ敵を作り、しかしそれでも強気でいるのが由加なのです

聖女のように理想のヒロイン像として描かれている南ちゃんより、好きな相手に真正面からアタックしていく由加の方が自分は好みだったりします

普段は気が強くツッパっている由加にも可愛いところが多く、由加のことが好きな佐々木に見せるさりげない優しさや全然出来ない料理を誰にも見えないところで練習する姿が可愛らしのです

そしてなんといっても冨永みーなちゃんボイス!これが堪りません

結局のところ、みーなちゃんの声が好きなんですよね〜

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リイクニ・ノンデライコ/cv.弥生みつき(王立宇宙軍 オネアミスの翼)

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歓楽街の路上でビラを配り信仰している宗教の布教活動をしている女の子


"戦わない軍隊"としてバカにされている「王立宇宙軍」に所属し堕落した日々を過ごしていた主人公・シロツグと出会い、家に迎えて勇気づけて人類初の有人宇宙飛行計画のパイロットに志願させます


リイクニは本作のヒロインにあたる存在でありますが…まあ地味です

宗教を崇拝しているヤバい女風に描かれていますし、キャラクターデザインもモブキャラみたいだし、、なんだったらパイロットフィルム版『王立宇宙軍』のリイクニの方がキャラクターデザインが可愛かったりします

しかし、それこそがリイクニの良さでもあるのです

 

ただのボーイミーツガール作品にありがちな恋愛観がなく、あえて可愛いヒロイン像を描かず平和を望んでいるリイクニの姿が魅力的に思えます(『ガンダムOO』のマリナ姫に似てますね)

シロツグの淡い恋心を無視しつづけるリイクニに注目していただきたく思います


あとリイクニと2人で住み暮らすマナちゃんも可愛い存在です

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・動物キャラ部門

赤目/cv.池水通洋(銀牙 流れ星銀)

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巨大熊・赤カブトを倒す為、強い男(犬)たちを探す旅にでた銀が伊賀の里で出会った伊賀忍犬の総帥

多彩な忍術を駆使して戦い、荒くれ者の多い『銀牙』に登場する犬キャラクターの中でも抜群に知性に長けている犬です

 
赤目さんの魅力は冷静沈着で物事の対処にあたれて、紳士的なカッコ良さがあるところであります

若くしてリーダーを任される銀の参謀役に徹することが多く、ガンダムシリーズでいうところの主人公の成長を見守るオッサンポジションのキャラです

何というか、ガンダム作品に登場するオッサンキャラってみんな好きじゃないですか!ホントそれです


伊賀忍犬の総帥でもあった赤目さんは人望もすごく、また任務の為なら死ぬことも覚悟している伊賀忍犬の宿命を背負っているというところもカッコいいです!

 

ちなみに乃木坂46の元メンバー・西野七瀬さんの好きなマンガは『銀牙』であり、推しキャラは赤目さんであったりします(乃木坂ファンは観るべし!)

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・歌部門

流れ星 銀/宮内タカユキ(銀牙 流れ星銀)

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高揚感を高めてくれるイントロとサビの熱い歌詞がすごく刺さるオープニング曲であります

風になり走れ」や「さぁ昨日のお前を 超えていくんだ」や「立ち向かえ自分より 大きなものに」といった歌詞がサビにあり、聴いているだけで正統派ジャンプアニメ感ある曲です

 

銀牙 流れ星銀』という作品は80年代ジャンプアニメでありながら、わずか21話でTV放送が終了した作品でした

もし仮に『銀牙』が50話以上放送されていたら、『北斗の拳』OP「愛をとりもどせ」や『聖闘士星矢』OP「ペガサス幻想」に匹敵する80年代を代表するジャンプアニメソングになっていたのではないかと感じています

それぐらい数あるジャンプアニメソングの中でも抜群に素晴らしい曲なので、是非聴いてください

 

あの空を抱きしめて/和田加奈子(きまぐれオレンジロード あの日にかえりたい)

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映画『きまぐれオレンジロード』のエンディング曲として起用されている本曲でありますが、この曲が持っているポテンシャルはエゲツなく高いのです

まず『きまぐれオレンジロード あの日にかえりたい』は、『きまぐれオレンジロード』TV版の続編として描かれた劇場版作品であり、『オレンジロード』の最大の武器であり魅力のまどか・ひかる・恭介の恋愛三角関係に徹底的にケリをつけ昼ドラ並みに激しい恋愛ドラマが描かれています

はっきり言うと、面白いというよりも観ていて辛い作品です

その為、原作ファンや原作者のまつもと泉先生からも酷評されていたらしいのですが、それでも学生同士の恋愛関係に終止符を打ち、大人へと成長していく過程が描かれているところがすごく好きであります

 

"この世にラブコメような優しい世界はない"として描かれている本作に音楽の力で肉付けしてくれているのが和田加奈子さんが歌う「あの空を抱きしめて」なのです

スローテンポなバラードのようにメロディが流れ、和田加奈子さんの優しくのびる歌声に包み込まれそうになります

それこそ、まどか・ひかる・恭介の3人の関係も歌詞に歌に込められており、本曲が本編内で流れることでアニメ作品からアニメドラマへと変わるのです


また挿入歌として流れる「不確かなI Love you/和田加奈子」も作品をドラマティックにしてくれる名曲なので、是非『きまぐれオレンジロード あの日にかえりたい』観ていただきたい作品となっております

 

緊急事態明けの下半期、80年代アニメ事情

今回、私が下半期に観た作品を振り返ると、テレビ作品よりも映画・OVA作品を例年以上に観ていると感じます

これは間違えなく、LDプレーヤーを購入して配信サイトでは観れない作品が観れるようになった影響が出ているのでしょう

LD関係だけでも既に10万円近く投資している状況…来年にはどうなっているのか不安ですが【LDを極めし者は、80年代アニメを制す】という格言を胸に集めていきます

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2020年下半期は、新型コロナウイルスに狂わされた上半期の残火を抱えながらも経済活動を取り戻そうとした半年でした

新作映画の公開の目処が立たない映画業界では過去の名作のリバイバル上映が増え、私自身『ナウシカ』『AKIRA IMAX版』『パトレイバー MX4D』が映画館で観ることができ『幻魔大戦』に至っては映画館での鑑賞をしたいとブログ内で書いていたことが実現した作品でもあります

塚口サンサン劇場様、ホントにありがとうございました!!


さらに来年には、念願であった『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が映画館で観れることができそうです

80年代アニメ映画…完全にきてます!

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そして私が大好きな『富野由悠季の世界』も下半期からは活動が再開され、9月からは静岡会場…11月からは富山会場が開催されました

また、今回も会場を訪ねて作品配置図など書いたレポート記事が富野由悠季の世界』展公式Twitterで紹介していただき、レポート記事を書いた甲斐があったと感じます

 

 

新型コロナウイルス感染対策に注目した静岡会場、一度は延期となってしまいそこから這い上がってきた富山会場…どちらも熱く心動かさせる会場でありました

 

そして来年3月には、『富野由悠季の世界』のラスト会場である青森会場です

こちらの会場も新型コロナウイルスの影響で延期となり苦しい思いをした会場の一つでありますので、また新たな魅力が発見できるのではないかと楽しみにしています

 

平成生まれにしか語れない80年代アニメ観

ブログを始めて2年…この半年の間にも色んなことがあり自分が描くべき80年代アニメ像というのが掴めてきました

先日もデイリー新潮が掲載した40周年「イデオン」はなぜ忘れられたのか 「ガンダム」富野由悠季もうひとつの傑作 という記事に対して、20代の若造の観点から語った『イデオン』像のツイートが、500リツイート・1000いいねをいただきました

 初めてのいいね:1000越えだったので嬉しい半目、ネガティブな現実を伝えただけのツイートなので虚しさの方が大きかったです

 

しかし、その虚しい現実を語れることは平成生まれの20代である私の強みであると感じます

やっぱり自分はどこまでいっても平成生まれの若造、リアルタイムで体感した方々とは同じように書くことはできません

だからこそ、平成生まれの自分にしか書けない80年代アニメ観を追求していき、新たな風を80年代アニメに吹き込めればと思っております

 
というわけで、来年近日中に「なぜ『イデオン』は若い世代に浸透していないのか?」という記事を書きます

 


さらに、来年には新たな風を80年代アニメに吹き込むべきプロジェクトを計画しております

それは…平成生まれだけで作る『機動戦士ガンダムZZ』同人誌です

私自身も大好きな『ガンダムZZ』を平成生まれの若者だけを集めて一つの同人誌を製作できれば面白いのではないと企画しています

 

現在、3人ぐらいの方から参加連絡をいただいており平成生まれの『ガンダムZZ』好きの方、大募集中であります!!

企画・詳細記事も来年に公開できればと思っております

 


 

長くなりましたが、来年2021年も当ブログは平常運転…80年代アニメに愛を捧げ、20代の若造なりの観点から新たな魅力を語っていければと思います


というわけで、2020年もありがとうございました!


また2021年

皆様、良いお年を!

 

🌟-前回の記事-🌟

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【Merry X'mas🎉】80年代アニメ・クリスマスエピソード 大聖夜祭🎄

!🎅メリークリスマス🤶!

 

はーいどうも、もうすぐクリスマスだと言われても全く実感が湧かないSATAトミオです

いや〜ホントに今12月なの?って感じがしますよね

特に今年は、コロナ禍の影響でイベント感覚も狂い、誰もがクリスマスどころではないように思えます

このままクリスマスを感じずに大晦日を迎えるのは寂しい…せめてアニメの通じてでもクリスマスを感じたい!


というわけで当ブログでは、皆様に少しでもクリスマス気分を味わっていただける記事を提供します

その名も…

「80年代アニメ・クリスマスエピソード特集」です!!!

 

80年代のTVアニメというのは、大体の作品が1年間放送され季節感を大事にしている作品が多くありました

その為、クリスマスを題材にしたエピソードが多くあるのが80年代アニメの特徴であるとも言えます

そんなわけで今回は、80年代アニメのクリスマスエピソードを紹介していきます


お楽しみください!

 

ハイスクール!奇面組

#52「きよしこの夜 メルヘンサンタがやって来た」(1986.12.20)

 
今回紹介する第52話「不運な勧誘員/きよしこの夜 メルヘンサンタがやって来た」は2本立てで放送された回であり、本エピソードはBパートにあたります

 

寝ている一堂零くんの元にサンタクロースがやってきます

訪ねてきたサンタは多忙という話を聞かされた零くん…そして〔サンタになって子どもたちにプレゼントを配ってほしい〕と零くんはお願いされます

サンタからのお願いを快く了承した零くん…しかし起こされた零くんは、今までの出来事が夢であったことを知ります

「といわけナゴヤ(なのだ)」とサンタとの出来事を奇面組メンバーらに話した零くんは、そのことが正夢ではないかと考えるのです

日頃迷惑ばかりかけている奇面組…クリスマスぐらいは誰かの役立つことをしよう!とサンタのお願いどおりプレゼントを子どもたちに配ることにします

おもちゃ屋の息子・零くんはおもちゃを、ケーキ屋の息子・仁くんはクリスマスケーキを、本屋の息子・大くんは絵本を、酒屋の息子・豪くんはお酒…ジュースを、銭湯屋の息子・潔くんはピー音(自重)…奇面組メンバーがそれぞれがプレゼントを用意し一堂家の飼い犬・ラッシーらも(台車を改造した)ソリを引くトナカイとして参加します

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そしてクリスマスの夜、サンタ衣装の零くんと奇面組メンバーらが街を回り子どもにプレゼントを届けにいきます

ここで流れるジングルベルのテーマが心を温かくしてくれるのです

中にはサンタさんが来るのを待っている子もいて、サンタさん扮する零くんに子どものお母さんは疑問を投げかけるのですが「お母さん、サンタでしょ!スケバン刑事に見えます?」と返す80年代らしい当時ならではなやり取りもあります

(『スケバン刑事』とは、1985年放送していた斉藤由貴主演のアクションドラマ)

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様々な家を訪ねて子どもたちにプレゼント配る奇面組メンバーら…そして最後には街に雪が降り始め、高台から「「メリークリスマス!!」」とメンバー全員で叫び綺麗に締めて終わるのでした

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-おわり-

本エピソードは完全アニメオリジナル回であり、ドタバタ騒動が起きながらもギャグアニメらしい楽しいクリスマス回となっております

おもちゃ屋の息子である零くんがサンタとなり子どもたちにプレゼントを配るというのが、キャラクターのイメージと合っていて良いですね

また最後の高台シーンで「「メリークリスマス!!」」とメンバー全員で叫ぶ演出は、本エピソードが年内最後の放送であったことから「良いお年を」というメッセージも含まれているのではないかと感じています(ただの深読みです)

 

魔法の天使 クリィミーマミ

#26 「バイバイ・ミラクル」(1983.12.23)


本エピソードは、前話(第25話) 「波乱! 歌謡祭の夜」(1983.12.16)の続きにあたるエピソードです

今回は前話よりも特にクリスマス色の強い第26話 「バイバイ・ミラクル」を紹介させていただきます

 

クリスマスの日に行われたNPB歌謡祭に出演したクリィミーマミは、ある出来事から変身前の姿の森沢優に戻ることができずクリスマスソングが流れる街をフラフラと歩きます

マミの姿ではどこにも帰る場所がないマミ(優)は、少ない残金を手に公衆電話から自宅に電話をかけます

電話に出た(優の)母の声を聞いたマミ(優)は何も言えず黙り込んでいると、受話器越しから"帰ってきた優にサプライズでクリスマスケーキを出そう"という電話している相手が優とは知らない父と母の会話が聞こえてくるのです

父と母がケーキを用意して待っている家に帰ることができないマミ(優)はそのまま電話を切り、再び街へと歩いてゆきます

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マミが所属するパルテンノンプロにも足を運びますが結局何処へも行く当てがなく、公園のベンチに座り込んでしまうのでした

街には雪が降り始め、マミ(優)も公園のベンチから立ち上がり重い一歩を踏み出したところに、マミ(優)を探していた幼なじみの俊夫に出会うのです

「家に帰ろう」と語りかける俊夫…しかし、元の姿に戻ることのできないマミ(優)にはどうすることも出来ませんでした

"クリィミーマミ"として生きていく決意を固め始めたマミ(優)…すると、優に変身できる力を与えたフェザースターの箱舟が上空に現れ、マミ(優)と俊夫はフェザースターへと導かれます

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そこで再会した妖精・ピノピノの粋な計いもあり、マミから元の姿に戻ることの出来た優は俊夫と腕を組み、雪降る街を歩きながら両親の待つ家へと帰ってゆくのでした

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-おわり-

本エピソードは『クリィミーマミ』という作品の中でも非常に重要とされているエピソードの一つであり、この第26話をもって第1部が終了したと扱われております

そんな『クリィミーマミ』第1部の終了を2話構成のストーリーで製作し、更にはクリスマスという季節要素をプラスしている本エピソードは、素晴らしい神回になっているのではないかと感じるのでした

anime.dmkt-sp.jp

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うる星やつら

#19「ときめきの聖夜(前編)」/#20「ときめき聖夜(後編)」(1981.12.23)


アニメ『うる星やつら』の放送が始まった当初は、30分に2本のエピソードが放送される【30分2本立て体制】が取られていました

しかし、その体制が崩れていくのが放送10回目(第19話・第20話)にあたる本エピソード「ときめき聖夜(前編・後編)」であり、初めて前後編に分けられながらも30分1本立てエピソードで放送された記念すべき回なのです

(その後、第47話より【30分1本立て体制】に完全移行します)

 

クリスマスイブの前日…街がクリスマス一色で染まるデパートの屋上、あたるとテンちゃんが遊ぶ横で毛糸を編むラムちゃんこの新婚感がエモいと感じます

ここでのポイントとして、普段トラ柄ビキニのみのラムちゃん上着を羽織っているというところです

この回を皮切りにラムちゃんの服装バリエーションが増えていくことになります

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物語のストーリーは、ラムちゃんを大事にしないあたるに激怒したメガネ(cv.千葉繁)ら「ラムちゃん親衛隊」の4人が、あたるに偽物のラブレターを渡し騙すことでラムちゃんとの関係を引き離そうします

メガネらによって作られた架空人物「組野おと子」からのラブレターに乱舞するあたる…デートに行くと聞かないあたるに強烈な電撃を浴びせラムちゃんは悲しむのでした

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その後、メガネらが仕組んだ罠だと知ったラムちゃんは「まったくアホなダーリン、たまには痛い目を見るといいっちゃ。今回はさすがに助ける気にもならないっちゃ。」と愛想を尽かし見捨てるのです

しかしデートの待ち合わせ時間が近づくにつれ、やっぱりあたるのことが気になるラムちゃん

公園の時計台の上であたることを想うラムちゃんが可愛くて仕方ありません

バカなダーリン…でも…でもやっぱり…

それでもやっぱりウチは…ウチはダーリンが好きなんだっちゃ。

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そして、ラムちゃんの機転により窮地を脱したあたる…物語のラストシーンでは2人のもとに雪が降り注いできます

〔先に帰り部屋を暖めておく〕と言い飛び立とうとしたラムちゃんの手を掴んだあたる…「もう少し一緒に歩かないか?」と優しくあたるは誘い、2人は雪降る道を歩み始めるのでした

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-おわり-

本エピソードの冒頭で編んでいた編み物があたるのマフラーだとラストにわかり、そこまでの持っていき方が非常に綺麗だと感じされる回でありました

そして今まで、ラムちゃんからの一方的な愛を迷惑だと思っていたあたるの心境に、少しだけ変化があった回にもなっております


今回のエピソード「ときめき聖夜」は、原作エピソード「君まてども」(単行本3巻収録)にアレンジが加えられた回でありました

メガネらの書いた偽物のラブレターからデートに行くというストーリーの筋書きは同じなのですが、原作とアニメでは決定的な違いがあります

それは…原作ではクリスマスのエピソードではないのです

 

つまり、毛糸を編むラムちゃんや雪が降るラストシーンなどのクリスマス要素はアニメでアレンジされ足された部分であり、季節感をプラスすることで更に印象深いエピソードに仕上がったというわけであります

 


そしてアニメオリジナルとして本エピソードでは、原作ではモブ同然であった千葉繁さん演じるメガネが大きく躍進する回でもあり、その後アニメでは大活躍するメガネのキャラクター像を確立した回ともいえます

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そこには本エピソードで絵コンテ・演出をされた押井守さんの影響が強く出ているのでしょう

 
昨年(2019年)、BSプレミアムで行われた『発表!全るーみっくアニメ大投票 高橋留美子だっちゃ』では『うる星やつら』エピソード部門の第4位に今回紹介した第20話「ときめき聖夜(後編)」がランクインしていました

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218話あるアニメ『うる星やつら』の中での4位入りはそれだけ素晴らしい話である事の証明です(第1話よりも上位にランクインされております!)

「ときめき聖夜」というタイトルに相応しいクリスマス回でありますので、是非ご覧ください!

 

あしたのジョー2

#10「クリスマスイブ…その贈り物は」(1980.12.15)

 

クリスマスイブ当日、矢吹丈との闘いを熱望しながらも世界タイトル戦の為に帰国を迫れている世界ランキング6位「無冠の帝王」の異名を持つカーロス・リベラは、マネージャーであり友人のロバートにも告げずにホテルの自室から居なくなります

カーロスは丈が暮らす日雇い労働者が集まるスラム街(通称:ドヤ街)へと行き、サンタクロースの格好をしてドヤ街の子どもたちにクリスマスプレゼントを配り丈の前に現れるのでした

ドヤ街にある橋(通称:泪橋)を挟んで見つめ合う丈とカーロス…この構図がなんともたまらなく良いのです

突然のカーロスの来訪を「ヘロー」と慣れない英語で歓迎する丈は、ボクシングジム兼住まいにしている丹下ジムへと招きカーロスが自分との試合を熱望していることを深く理解します

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公園に向かった2人…自分との対決を熱望するカーロスに、この場で決着を丈は持ちかけたのでした

しかし、決着を持ちかけたところで雪が降り始め、南米ヴェネゼラ生まれのカーロスは初めて見た雪に大はしゃぎ…そんな陽気なムードで始まった対決は向かってくる丈をカーロスが陽気に躱し続け、挙句公園あるすべり台に登ってはしゃぐ展開…これには思わず丈も笑顔をこぼしてしまいます


お互い貧しい少年時代を過ごしリングに身を投じてきた"野生児"…そんな2人のホンモノ同士のめぐり合いはカーロスに野生としての本能を呼び覚まし、又スランプに陥っていた丈を立ち直らせ、2人にしか分からない世界を心で語り合うのでした

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公園での対決も雪降るムードでは決着がつかず2人は喫茶店…おでん屋台へと行き、丈なりのおもてなしをします

お互いに対決を熱望しながら"実現しないリングでの決着を望む"カーロスに苛立ちを見せる丈…寒空の夜、2人はカーロスの泊まるホテルへと向かいます

どこまでハイテンションなカーロスは、車両基地に置かれていた鉄道車両に乗り込み丈を誘い、車両の中で"(丈と)決着をつけるまでは日本を発たない"と宣言し互いにリングでの対決を約束するでした

寒さを増すクリスマスイブの夜、カーロスの泊まるホテルへと向かう2人の行方を探していたロバート、丹下段平白木葉子に発見されます

カーロスは自身のマネージャーであるロバートをその場で説得…そして白木葉子が2人が闘うリングを"クリスマスプレゼント"として用意すると話し「メリークリスマス」と告げ立ち去るのでした

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-おわり-

本エピソードの次回より"矢吹丈vsカーロス・リベラ"の対決がスタートするわけですが、その闘いをよりドラマチックにする為2人の関係性を深く描かれたのがこのクリスマス回であり、とても重要性のあるエピソードだと感じます

 
少年時代にヴェネゼラの貧しいスラム街で育ちクリスマスプレゼントを貰えず固いベッドで泣いていたカーロス…生まれてからずっと施設で育ち脱走を繰り返し挙句の果てに犯罪をして少年院に送られた丈…似た境遇を持つ野生児2人のコミニケーションは間違えなくエモいのです


ちなみに【丈vsカーロス】というのは、アニメ前作『あしたのジョー(1970)』でも描かれていたストーリーであり、この前作ではクリスマスのエピソードとして描かれていません(なんなら季節は真逆の夏です)

つまり、『あしたのジョー2(1980)』で描かれているクリスマス回というのは(2作目の)アニメオリジナルエピソードであり、放送時期に合わせて制作された粋なエピソードであるといえます

この様に、前作と差別化を図り制作された本エピソードは、『あしたのジョー2』の中でも名エピソードとして語られているわけです

anime.dmkt-sp.jp

 

80年代アニメのクリスマス回は、奥が深い!

クリスマス回というのは、クリスマス当日である12月25日近くで放送されるエピソードであり、クリスマス回を打ち出す作品の大半が年内最後の放送であったりします

その為、良い年越しができる様キレイなラストシーンが多く、クリスマス回に注がれる熱意は強いと感じる結果になりました


そして、クリスマス回には『奇面組』のようにサンタさんが子どもたちにプレゼントを配るようなエピソードもあるのです

自分の中で80年代アニメというのは、子どもの為の番組だと思っています

そんな子どもたちに夢を与える80年代アニメが自分は大好きだと、今回のクリスマス回で再認識することができました

クリスマス回は素晴らしい!

 
また、クリスマス回ができるということはクールが転換する年明け後も放送されることが確約している作品ということでもあります

そこから『クリィミーマミ』や『あしたのジョー2』の様に、正月回で新たなストーリー展開を仕掛ける作品も出てくるのです

80sanime.hatenablog.com

いや〜クリスマス回&正月回は奥が深い!!

是非、クリスマスの日には今回紹介したエピソードを楽しんでいただければ幸いです

 


 

先ほども書いたように80年代アニメのクリスマス回&正月回のエピソードは奥が深いのです

もちろん今回紹介したクリスマス回は全体のほんの一部であり、まだまだ名エピソードだと呼ばれるクリスマス回はたくさん存在します

また来年のクリスマスでも紹介できればと思います

 

その時は世界に平穏な生活を取り戻し、心から「メリークリスマス!!」や「ハッピー・ホリデー!!」と叫べる日がくることを願っています


それでは、さようなら

 

 

🌟-前回の記事-🌟

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【延期を乗り越えた熱意🔥】『富野由悠季の世界』【富山会場レポート】

富野由悠季の世界』…富山・立山連峰に臨む!

 

ということで先日、11月28日(土)より富山県で開催されている『富野由悠季の世界』富山会場に行ってまいりました

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11月8日(日)に閉幕した静岡会場から、一ヵ月も空くこともなく開催された富山会場…

新型コロナウイルスの影響を受けながらも感染予防対策がとられ、当たり前だった日々を取り戻すつつあると感じます


そんな中、開催されている『富野由悠季の世界』富山会場には、富山会場ならではの魅力がたっぷりあります

今回の記事では『富野由悠季の世界』富山会場の魅力を全力で伝えれることができればと思います

行かれる予定の方は、是非参考にしていただければ幸いです

 


富野由悠季の世界』富山会場とは、富山県富山県美術館で開催されている巡回展です(過去の開催地:福岡・神戸・島根・静岡)

開催期間は2020年11月28日(土)〜2021年1月24日(日)までとなっております

(年末年始〈12月29日〜1月3日〉期間は休館になっているのでご注意!)


会場である富山県美術館までは、最寄り駅JR「富山駅」から徒歩で15分、また富山駅からはバスも出ております

JR「富山駅」は北陸新幹線が通っており、東京駅からは北陸新幹線で約2時間大阪駅からも特急サンダーバードで約3時間など、関西・関東方面からも非常にアクセスしやすい位置にあるといえます

また富山県美術館には駐車場が1階にあり、車での来館も可能です(休日時は満車になることもあり、その際は環水公園近くにある立体駐車場などをご利用ください)


筆者である私は、JR「富山駅」北口から徒歩で富山県美術館へと向かいました

美術館を目指し景色を楽しみながら歩いていくこと15分…ついに富山県美術館が登場!

ガラス張りの外観を基調とした富山県美術館が信号越しから見えた瞬間、めちゃくちゃテンションが上がりました

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富山県美術館の外観デザインにうっとりしつつ入館、いよいよ『富野由悠季の世界』富山会場へと進んでいきたいと思います

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まずは、もう説明不要となりつつある当ブログ名物『富野由悠季の世界』会場マップ図…

今回も書かせていただきました

富山会場のマップ図が、コレだ!!

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また違う…

富野展さん、おかしいよ!おかしいですよ!!

 

今までに【福岡・神戸・島根・静岡】と過去に開催された全会場を巡り会場マップを(勝手に)書いてきた私…そんな"富野展プロ"である私が〔今更、何に驚くのだ?〕と余裕な態度をとっていたワケです


しかし、そんな傲慢な態度は毎回のパターン通り簡単にへし折られ、富山会場だけが持つ素晴らしい展示物の配置位置に浄化され、一時動けなくなる感じがありました


トリトン』や『ライディーン』や『ザンボット3』が集まる、あの細長い直線ストレートエリアは何なのだ!!

約30mもの直線エリアなんて過去の会場には無かったぞ!!

富山会場には私の知らない武器が内蔵されているのか…?〕という思いでした

 


そういった驚きに包まれた富山会場の魅力をこれから紹介していきたいと思います


(過去会場のマップ図ついては、ブログ一番下にある各会場のレポート記事より見ることができます)

 


 

今回の富山会場では、前回の静岡会場では無くなっていた「アニメができるまで」エリアや『リングオブガンダム』エリアなどの展示が復活

しかし、『∀ガンダム』エリアで上映されていた最終回エンディング映像など無くなっている部分もみられました(富野展公式Twitter様より、現在調整中との連絡をいただきました)

また、島根・静岡会場と複数のモニターで上映されていた『ガンダム Gのレコンギスタ』の映像にも変更があり、神戸会場のように一つのモニターにまとめられ上映される形式に戻っています

これらの展示内容の変化はマイナーチェンジのようなものなので、今まで開催された全会場を回っているファンの小言として捉えてください

 

これより本番です!

 

30mで分かる、『ガンダム』誕生への道筋

先ほどもチラッと書きましたが、展覧会場内に入って始めの角を曲がると待ちうけているのが、約30mもある直線ストレートエリアであります

この直線ストレートエリアには、『アトム』『トリトン』『ライディーン』『ザンボット3』そして『ガンダム』第1話と、富野監督がアニメ業界に足を踏み入れてから『ガンダム』を制作するまで…いわゆる【下積み時代】の展示物が集約されているのです

そして進行方向の先…突き当たりには『ガンダム』第1話の映像が流れており、下積み時代の作品を一望しながら突き当たりに向かっていくことで、『ガンダム』で巻き起こした社会現象はそういった下積み時代の経験が活きているのだと改めて強く感じることができます

 

木に癒される「中央廊下」

富野由悠季の世界』は展示総数が3000点を超えるスケールのデカい展覧会である為、一つの展示エリアだけでは収まりきることができません

その為、展示エリアと展示エリアを挟む「中央廊下」(「富山会場 配置マップ図」 赤ライン部分)と3つの展示エリアを繋ぎ合わせ、『富野由悠季の世界』用の巨大なスペースを確保して開催されております

 

「中央廊下」

壁、天井ともに県産物「氷見里山杉」を使用し、木は一本一本、職人の手で角が曲面に削ってある。展示室に入る前に、静かで落ち着いた空間となるよう、背部には吸音材が組み込まれてある。(富山県美術館 施設のご案内より引用)


木で組まれた廊下が"和のテイスト"を出しつつゆったりとした空間に仕上がっており、すごくオシャレに感じます


展示エリアを進行していくと、この「中央廊下」部分に出てくるわけですが、そこではダイターン3立像や木のイスが置かれているので休憩スペースとして活用していただけます

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富野由悠季の世界』展を隈なく楽しもうと思うと、時間は掛かりますし長丁場になれば相当疲れてくるでしょう

そこで、この休憩スペースを活用していただくことで観覧してきた膨大な情報が一度整理でき、次のエリアへ進んだ時にもリフレッシュした状態で観覧することができます

 

『Gレコ』の原型は、富山会場にアリ

富山会場で(個人的に)注目していただきたいと思っているのは、展覧会最後の『Gレコ』エリアにある『はじめたいキャピタルGの物語』の展示であります

本作は2010年のガンダムエースで掲載された富野由悠季監督の小説であり、現在も劇場版が鋭意制作中の『ガンダム Gのレコンギスタ』の原型となる作品です

今回の富山会場では『はじめたいキャピタルGの物語』の原稿と挿絵の生スケッチが展示されております

本作の原稿を読むと、主人公の名前がベルリではなくベリルであったり、登場するロボットの名称もマン・マシーンであったりと『Gレコ』とは色々と違っているのです

『Gレコ』がどのように完成していったかを知る為の資料としても本作の展示は大変貴重なので、刮目していただきたいと思います

 

富山県だからできる、"富の三連星"

富山会場では、『富野由悠季の世界』の特設グッズ売り場が展覧会場出口を左に曲がった所に配置されております

そして、近くに立山連峰日本海など多くの自然の中にある富山会場では、その豊かな土地を生かした富野展オリジナル新商品が発売されているのです

立山連峰に降りつもった雪が溶けた水と富山県の豊かな土地で育った富山県のブランド米「富富富」が『富野由悠季の世界』とコラボして、富野展オリジナルパッケージになって発売されます

富山県の【富】、富山県美術館の【富】、そして富野監督の【富】、偶然にも3つの富が合体した「富富富」は【富の三連星】であり、それはまさに富山会場でしか実現不能"夢のジェットストリームアタック"ということです(その他ならば、『ダンバイン』に登場するクの国の「赤い三騎士」でもいいですし、『ガンダムZZ』に登場する「ガザの嵐」や「ジャムルフィン」の3D隊などで例えても面白いですね)


さらに富山会場ではレトルトカレーも新発売され、これは"「富富富」にカレーをかけて食べてくれ!"というイデの導きでありますね

是非、『富野由悠季の世界』富山会場観覧後もご家庭で楽しんでいただければと思います


その他にも『ダンバイン』『∀ガンダム』の名ゼリフが書かれた湯呑みや、ハロが描かれたマスクケース&フックなどが富山会場より新発売されております


これらの商品は『富野由悠季の世界』展の公式Twitterでのアンケート結果によりグッズ化されたものとなっており、"コロナ禍の状況にある今、富野展を応援してくれるファンの方と一緒にできることはないか…!"と立ち上がったプロジェクトの中で生まれた商品なのです

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そのようにして商品化されたグッズはどれも実用的であり、ファンの声と共に出来上がったグッズということで思い入れ深くなります

今回紹介したグッズは富野展オリジナル、富野展でしか買えません!

是非、観覧された後のグッズ売り場で購入していただきたく思います

 

富野由悠季×細田守 スペシャル対談

富山会場開催初日である11月28日には、富野監督が来館され、『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』などを手がけた富山県出身のアニメ映画監督・細田守監督の2人で富野由悠季の世界」富山会場 特別企画 富野由悠季×細田守 スペシャル対談」というイベントが行われたのです

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新型コロナウイルス感染予防対策の為、定員60名と収容人数を抑えられて行われた本イベントには、事前応募で選ばれた方が参加しました

驚くべきことは、応募人数であります

 

定員60名に対して…なんと1300人の応募があり、10代〜70代までの老若男女問わず幅広い層からの応募がありました

戦いは数だよ」と言いたくなる圧倒的な応募人数!

(私も応募しましたが、見事に撃沈しました…)


しかし!

富野展に携わっているスタッフや富山県美術館の方々は本当に優しい

なんと、開催初日に行われた「富野由悠季×細田守 スペシャル対談」のイベント様子が富山県美術館の公式Youtubeチャンネルにて公開されております

約1時間の濃密な内容…対談では『ダイターン3』の制作秘話や『ガンダム』第1話についての衝撃的な新事実についてなど、ファンには堪らない内容になっています

観覧前に見ておくと富山会場がより楽しめる内容でありますので、是非ご覧ください!(観覧後でももう一度行きたくなること間違えありません)


「富野由悠季の世界」展【スペシャル対談 富野由悠季監督×細田守監督】/富山会場開幕記念 in 富山県美術館


さらに更に、富山会場では今後も『富野由悠季の世界』に関する動画が公開されているみたいで、富野監督と細田監督が展覧会場内を見て回りトークされる映像が公開予定されております

(一部は会場限定で公開されているとか!?)

会場限定での動画公開があれば、お二人がどんなトークをされたのか非常に気になるところ…今後の続報に期待です

twitter.com

 

魅力は富野展だけじゃない

富野由悠季の世界』富山会場を楽しむポイントは展示物だけでなく、開催されている「富山県美術館」という施設自体にも大きな魅力があるのです

富山県美術館は、1981年開館した富山県立近代美術館の老朽化により2017年に富岩運河環水公園西地区に移転新築した美術館であり、「ガラス張りの外観」や「氷見里山杉の木を使った内観」など新しい時代に対応するデザインの視点を積極的に取り入れられています

ガラス張りの美術館内からは、富山県岐阜県に連なる飛騨山脈の一部にあたる「立山連峰」を一望することができるのも大きな魅力です

それに加えて富岩運河環水公園も目の前にあり、富山県の素晴らしいさが詰まっているように思えます

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だって、新幹線が通るJR「富山駅」周辺のビル街から少し離れた場所に、こんなにも素晴らしい景色が広がっていることを考えると〔凄いッ!!〕という言葉しか出てきません

更に富山県美術館の屋上にある「オノマトペの屋上」に出るとデザイン性に溢れた沢山の遊具があり、多くの子どもたちが遊ぶ光景を目にしました

このように子どもたちが遊ぶ光景を見ていると、富山県美術館が地元の方々に愛されている美術館であることを感じることができます

オノマトペの屋上」は2020年12月1日(火)~2021年3月15日(月)の期間は冬季休園になっており利用できませんが、天候・積雪状況などの安全が確保された際は臨時開園されることがあります

臨時開園された際は、是非ご利用ください!

 

富山会場、死線を越えて

今回開催されている『富野由悠季の世界』富山会場は、本来2020年7月18日(土)〜9月6日(日)の夏休みの期間に開催される予定でした

しかし、2020年2月からの新型コロナウイルスの感染拡大…4月の全国緊急事態宣言発令、それらの影響を受け富山会場はなくなく延期せざるを得なかったのです

おそらく、7月の開催に向けて富山県美術館でもトークイベントやワークショップなど色々イベントを企画されていたと思います…それが新型コロナウイルスの感染拡大により全て消えていったワケです

富野作品的にいえば、「そうよ、みんな星になってしまえ!」という気分であったとお察しします


そして開催延期となった夏は過ぎ、季節はめぐり冬へ…


新型コロナウイルス感染予防対策をとりながら、2020年11月28日(土)〜2021年1月24日(日)の期間の開催を掴みました

それはまさに『ガンダム Gのレコンギスタ』のサブタイトルでもあった「死線を越えて」です!


一時は延期となり絶望を味わった富山会場…だからこそ、その熱意は凄まじく大きく、それは公式Twitterを見ていても伝わってきます

富野由悠季の世界』展公式Twitter富山県美術館の公式Twitterでは、それまでの鬱憤を晴らすかのように入場待ち情報など、ほぼ毎日更新されているのです

そしてファンには嬉しい『富野由悠季の世界』富山会場のポスター配布なども定期的に行われています

先ほど紹介した富山会場より新発売されたグッズや、「富野監督×細田監督 対談」のYoutube展開もその熱意の一つでしょう


ホントに凄い!!


美術館入館時の検温・消毒はもちろん、密にならないように入場制限もされ、展示スペースの空間も広くとられているので新型コロナウイルスの感染予防対策もしっかりされています


富山会場では、特製絵柄の描かれたリピートチケットなども発売されていますし、そして高校生以下は無料(Free)というところも推していきたい!


これからの会期中、何度でも進化し続ける『富野由悠季の世界』富山会場へ何度でも観覧してください!

富山会場の熱意はハンパないです!!!

 

富野由悠季の世界」富山会場

会期 2020年11月28日(土)~2021年1月24日(日)

会場 富山県美術館

〒930-0806 富山県富山市木場町3-20

 

www.tomino-exhibition.com

tad-toyama.jp

 


過去の会場レポートはこちらから

 福岡会場(開催期間:2019年6月22日(土)〜9月1日(日)

80sanime.hatenablog.com

神戸会場(開催期間:2019年10月12日(土)〜12月22日(日)

80sanime.hatenablog.com

島根会場(開催期間:2020年1月11日(土)〜3月23日(月)

80sanime.hatenablog.com

・静岡会場(開催期間:2020年9月19日(土)〜11月8日(日)

80sanime.hatenablog.com