どうも、最近持っているアニメ雑誌を毎日のように読み漁っているSATAトミオです
80年代アニメ雑誌を読んでいるとやっぱり平成生まれの自分の知らないことがドンドン頭に入ってきて面白いですよね
これからはアニメ雑誌ネタも多く取り入れていければと思います
増えすぎてグチャグチャになっていた
— SATAトミオ@80年代Lover(26歳) (@YTOSzjxpdHOjt9g) 2021年6月27日
80年代アニメ雑誌の為に、新たにスペースを拡張して綺麗にしました✨
私の部屋はあと10年は戦える…! pic.twitter.com/bfel6m5fJf
皆様は【裏番組】という言葉をご存知でしょうか?
自分が観ているTV番組の裏(他局)で放送されているTV番組のことを「裏番組」と呼びます
例えば2020年大晦日、NHKでは「紅白歌合戦」が放送される裏で、日テレでは「ガキ使」の笑ってはいけないシリーズ…フジテレビでは「格闘技RIZIN」が放送されるなど、放送各局がそれぞれ強力なカードをきり毎年視聴率争いが話題となります
視聴率というのはテレビ業界においてとても重要であり当然、視聴率(数字)が悪ければ番組は即終了…放送打ち切りです
特に80年代は視聴率に対してシビアであり、人気番組の裏に強力な新番組を打ち出すなど各局間で熾烈な【視聴率サバイバル】が繰り広げられていました
そして80年代当時は「一家にテレビ1台」…まだまだ録画レコーダーも普及し始めた時代なので、放送時間が被っている場合はどちらか一方の番組は観ることが出来なくなります(よく言う家庭内での"チャンネル争い"ですね)
だからこそ、視聴率が重要になってきます
それは80年代アニメも同じで、人気アニメ作品同士の戦いや人気アニメ作品に挑み敗れマイナー作品の烙印を押された打ち切り作品など様々なドラマがありました
今回はそんな80年代TVアニメの裏番組事情について調査して、平成生まれの観点から語っていきたいと思います
(※平成生まれの勝手な見解で書いています。ほぼ妄想で展開していますので史実との違いがあればご了承ください)
ゴッドマーズvsダグラム
同じ1981年10月から放送が始まった『六神合体ゴッドマーズ』と『太陽の牙ダグラム』でありますが、まさかこの2作品が同じ放送枠で視聴率争いしていたとは驚きました
だって同じロボットアニメじゃないですか!?
視聴層モロ被りだったんじゃないの?って謎の不安感が襲ってきました
そんなロボットアニメ同士の戦いを見ていきましょう!
『六神合体ゴッドマーズ』
◼️全64話
◼️1981年10月2日(金)よりO.A.スタート
◼️放送・日テレ 金曜18:00
◼️制作・東京ムービー新社
ーあらすじー
地球を守るコスモクラッシャー隊のひとりとして活動していた明神タケル(cv.水島裕)は、宇宙の支配を狙うギシン星・ズール皇帝によって地球に送り込まれたギシン星人・マーズだと知る。超能力と6体のロボットを六神合体させた"ゴッドマーズ"でズール皇帝らに挑む
主人公・タケル(マーズ)と主人公のライバル・マーグ(cv.三ツ矢雄二)の人気が凄かった、横山光輝の漫画「マーズ」を原作とした作品
『太陽の牙ダグラム』
◼️全75話
◼️1981年10月23日(金)よりO.A.スタート
◼️放送・テレ東 金曜18:00
◼️制作・日本サンライズ
ーあらすじー
地球連邦評議会議長のドナン・カシム(cv.山内雅人)の息子・クリン(cv.井上和彦)は、地球の植民惑星・デロイアで独立運動の指導者デビット・サマリン博士(cv.宮内幸平)と出会い、「ダグラム」のパイロットとしてゲリラ部隊の一員となりデロイア独立の為に父・ドナンと闘うことを選ぶのでした
女性人気が高い『ゴッドマーズ』、男性人気が高い『ダグラム』…
今の時代から見たら、腐女子(ゴッドマーズ)vsモデラー(ダグラム)の戦いにも感じます
それ故に同ジャンルでも視聴率を争うことなく、上手く棲み分け出来ていたのかもしれません
それでも『ゴッドマーズ』なら超合金…『ダグラム』ならプラモデル…互いに小中学生の男子層をターゲットとした当時の商品展開から考えても強力なライバルであったことは間違いなく、視聴率的にも同じ放送枠に居られるのは邪魔に感じていたでしょう
そして、更に詳しく調べるとやっぱり視聴率争いをしていた痕跡を感じされるポイントが見えてきました
まず動き出したのが『ダグラム』
放送が始まって約半年が経過した1982年3月(第20話)より、『ダグラム』は放送時間を5分繰り上げた17:55〜に放送時間を変更します
『ゴッドマーズ』 より放送時間を5分早めることで、新規ファンの獲得と視聴者を『ゴッドマーズ』側に流さない作戦に出たのかもしれません
すると『ゴッドマーズ』側も動きを見せるのでした
1982年4月から始まった新シリーズ・マルメロ星 編のスタートに合わせて第27話より、放送時間を30分繰り上げた17:30〜に放送時間を変更します
結果、1982年4月以降は『ゴッドマーズ』が金曜17:30〜枠へ、『ダグラム』が金曜17:55〜枠の放送となり、5分間は被るものの2作ともに観れる放送になりました
そういった効果もあったのか、『ゴッドマーズ』は女性ファンの熱狂的な署名活動もありアニメ映画化され、『ダグラム』も予定していた放送期間を延長されることになり単体のサンライズオリジナル作品としては最長の6クール(全75話)放送されます
もし互いに放送時間を変えず金曜18:00の枠で戦い続けていたら、『ゴッドマーズ』の映画化や『ダグラム』の放送期間延長もなかったのかもしれません
互いが潰し合うことなく、80年代を代表するロボットアニメ同士の歴史に残る名勝負だったと感じます
ドラえもんvsバイファム
1983年10月、当時金曜19時台で子どもから大人気な絶対的王者であった『ドラえもん』に挑んでいった、新番組『銀河漂流バイファム』とのドラマです
今では80年代ロボットアニメ黄金期に名を残す『バイファム』ですが、紆余曲折を経てたどり着いた道でした
『ドラえもん』テレ朝版
◼️現在放送中
◼️1979年4月2日(金)よりO.A.スタート
◼️放送・テレ朝 金曜19:00
◼️制作・シンエイ動画
ーあらすじー
ある日、なにをやってもダメな少年・野比のび太(cv.小原乃梨子)の前に、未来からネコ型ロボットのドラえもん(cv.大山のぶ代)がやってきて、未来のひみつ道具で願いを叶えてくれる
『銀河漂流バイファム』
◼️全46話
◼️1983年10月21日(金)よりO.A.スタート
◼️放送・TBS 金曜19:00
◼️制作・日本サンライズ
ーあらすじー
植民星クレアドに突如襲来した異星人の攻撃により、主人公ロディ・シャッフルら13人の子ども達は両親とも離ればなれになってしまい、唯一の大人・考古学のケイトと共に練習艦ジェイナスで地球を目指し出航させる
13人の子ども達の友情と成長を描いた監督・神田武幸によるオリジナル作品
まず、1983年当時の『ドラえもん』はというと、1979年よりテレ朝系列で始まったTV放送が5年目を迎え映画作品も4作公開されるなど、国民的アニメへの道を歩み出していた磐石な人気を誇る作品でした
当時のファンからしても金曜19:00の枠は、『ドラえもん』を観る為の時間という印象が強いかと思います
そこに立ち向かっていたのが『銀河漂流バイファム』です
『バイファム』は、両親と離ればなれになってしまった13人の子ども達が宇宙空間で漂流しながらも助け合い逞しく戦うSF作品であります
その為、視聴ターゲットとしては小学生を意識しているので『ドラえもん』と視聴層が被っていたのかもしれません
そして、いざ放送が始まると『バイファム』はアニメ雑誌でも大きく取り上げられるほど注目も高く、オープニング曲「HELLO,VIFAM」の全歌詞英語という衝撃もあり、アニメファンからも高い人気を得ます
しかし、やはり裏番組である『ドラえもん』の存在は圧倒的であり、その牙城を崩すことはできませんでした
『ドラえもん』の影響により『バイファム』の視聴率は低迷していき放送から半年が経った1984年3月、ついに放送打ち切りの危機に瀕します
しかし打ち切りになると聞きつけたファンは、打ち切りを反対する声を手紙や電話などを放送局などに殺到させ、『バイファム』は放送枠を移動して続けられることになるのです
そして第24話より、TBS金曜17:00〜・毎日放送土曜17:00〜と前枠(19:00〜)よりも2時間早く放送されることになります
こうして『バイファム』は放送打ち切りを回避したわけですが、そのまま放送が打ち切られる地域や部活動の影響などで夕方から放送に間に合わない視聴者を生み出しことになり、戦いの傷が残る結果でもありました
それでも『バイファム』はめげず、感動の最終回まで全46話走り抜き、TV放送後も4本のOVA作品を制作するなど80年代を代表するロボットアニメとして語り継がれます
放送枠を移動したことで、13人の子どもたちは「いつまでも13人」であり続けることが出来たのでした
めぞん一刻vsワンダービートS
1986年春、ほぼ同時期に放送がスタートしたのが『めぞん一刻』と『ワンダービートS (スクランブル)』です
『めぞん一刻』は高橋留美子・原作の作品であり、一方の『ワンダービートS』は手塚治虫先生が企画監修を行ったオリジナル作品…
つまりは、高橋留美子vs手塚治虫という構図でも見れる戦いであります
マンガ史を牽引してきた漫画家2人の戦いをご覧ください!
『めぞん一刻』
◼️全96話
◼️1986年3月26日(水)よりO.A.スタート
◼️放送・フジ 水曜19:30
◼️制作・スタジオディーン
-あらすじー
オンボロアパート「一刻館」に住む浪人生・五代裕作(cv.二又一成)は新しくやってきた管理人・音無響子(cv.島本須美)に一目惚れするが、彼女は結婚した夫を亡くしたばかりの"未亡人"であった…
『ワンダービートS (スクランブル)』
◼️全26話(TV放送のみ全24話)
◼️1986年4月16日(水)よりO.A.スタート
◼️放送・TBS 水曜19:30
◼️制作・虫プロダクション
ーあらすじー
父の友人ドクター・ミヤから体内医療救急隊「ホワイト・ペガサス」の一員に選ばれた主人公・ススム(cv.田中真弓)は、人体内で侵入する原因不明のウイルスを退治する為に、ミクロ化した身体で体内に入り治療(退治)する
まず『めぞん一刻』は、高橋留美子先生の代表作としても知られる作品であり、アニメ放送前から注目度が高い作品でした
そして『めぞん一刻』が放送されていたフジテレビの水曜19:30枠というのは、同じく高橋留美子先生の代表作である『うる星やつら』が4年半にわたり放送(1981年10月〜1986年3月)されていたのを受け継いだ枠でもあります
『うる星やつら』で掴んだ高橋留美子ファンを逃がさぬよう、『うる星やつら』から『めぞん一刻』へそのままスライドされて放送がスタートしたわけです
もう既に本作が人気アニメ作品として語り継がれていくのは確定な状態で放送されたのでした
勝ち確ってやつです!
一方『ワンダービートS (スクランブル)』は、医療とSFを組み合わせるという斬新な設定を元に、2021年に創立100年を迎えた老舗医療機器メーカー「テルモ」をスポンサーとして、更に「鉄腕アトム」など数多くのヒット作品を生み出した"漫画の神様"・手塚治虫先生により企画監修が行われて制作された意欲作です
本編最後にあるミニコーナーでは医師免許を持つ手塚先生自らが毎回登場し、本編内で取り扱った器官など解説するなどユーモアな作品でもあります
しかし、既に人気アニメになることが確約されている『めぞん一刻』には敵いませんでした
このままではまずい!と考えたのか『ワンダービートS』側も、1986年8月(第16話)より制作スタッフを入れ替え、キャラクターの等身を上げるなどテコ入れして視聴率回復を目指しますが結果は伴わず、予定されていた26話よりも早い24話を最終回として1986年11月に放送打ち切りとなります
その24話の最終回も、打ち切りに合わせて放送予定であった24〜26話のストーリーを急遽TV版の最終回に再編集して1話分にする措置がとられるといった出来事があったそうです
その後、TV放送後に発売されたテレビシリーズを収録してビデオで26話まで収録され完結することになるのですが、裏番組に『めぞん一刻』が無ければ『ワンダービートS』は打ち切られることなく完結していなのかなと感じます
個人的な見方なのですが、『ワンダービートS』は時代を先取りし過ぎた作品にも思えるところがある気がします
少し前なら「ブラック・ジャック」、現代では「アニメで分かる心療内科」「はたらく細胞」など、医療アニメは教養を深めれる題材としてすごく人気が高く注目を集めるジャンルです
そういう意味では1986年に放送された『ワンダービートS』は医療アニメの先駆者であり、時代が違っていたら人気作品になっていたのかなと思うところもあります
本編を観ている私の感想としてはそれだけの力がある作品だと思っていますし、このまま『ワンダービートS』がマイナー作品で終わるのは悲しいですね
1989年に亡くなられた手塚治虫先生が自ら企画監修をして残した本作を、機会があれば観ていただきたく思います
名作アニメの裏に名勝負あり
今回、80年代アニメの放送時間や裏番組について書いていきましたが、正直言って当時の放送時間なんかを調べたところでなんの意味があるのかは分かりません
もしかしたら、めちゃくちゃ無駄な行為なのかもしれません
しかし、そういった当時の雰囲気を知ることで新たに分かる魅力もあると感じています
現に80年代の『ドラえもん』ってヤバいな~と改めて実感でき、19時というゴールデンタイムにTVアニメがたくさん放送されていた時代のシビアさや豊かさを感じ取ることができました
今度は19時台に放送されていた80年代TVアニメについてフォーカスを当てて書くのも面白くなりそうですし、そこからまた新たな魅力が発見できるかもしれません
そして同じ平成生まれの方にその魅力を伝えることができれば嬉しいです
平成生まれの80年代アニメへの飽くなき探究は続いていきます
何か面白そうな題材とか調べてほしい事とかあれば是非教えてください
お待ちしております!
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