『富野由悠季の世界』 最終章!
先日『富野由悠季の世界』展、最終開催地である青森会場に行ってきました
1月に閉幕した富山会場から、約1ヶ月が経ち開催された青森会場…
元々青森会場は、4つ目の開催地として2020年4月に開催が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期…その結果、富野展最後の開催地となりました
そして青森会場には、新たにエンディングコーナーなど過去の会場になかった展示が追加されており、最終開催地に相応しい会場であったのではないかと思います
というわけで今回は、『富野由悠季の世界』青森会場の魅力を全力で伝えていく記事です
最終開催地である青森会場の魅力を伝え、これから行かれる方・既に行かれた方もまた行きたくなるような記事に出来るよう書いていきます
『富野由悠季の世界』青森会場とは、青森県・青森県立美術館で開催されている巡回展です(過去の開催地:福岡・神戸・島根・静岡・富山)
開催期間は2021年3月6日(土)〜2021年5月9日(日)までとなっております
そして、今回開催されている青森会場が東北圏初の開催地となり、『富野由悠季の世界』展・最終開催地でもあります
つまり、富野展のラストを見届けないでどうするのさ…というワケです!
青森会場である青森県立美術館へのアクセスは、JR新青森駅から車で約10分・青森駅から車で約20分・青森空港から車で約20分、と空港や最寄り駅から少し離れた地にあります
その為、車(タクシー)での来館以外は基本的には最寄り駅からバスで来られるのがオススメです
最寄りのバス停である「県立美術館前」で下車し、青森県立美術館に到着
私が訪れた時は3月中旬でありながらまだまだ雪が残っており、白い美術館の外観とマッチして幻想的な趣がありました
そして美術館入り口にたどり着き、いざ入場!
入場しますといきなり待ち受けているのが、富野キャラクターがズラリと描かれた白い空間…
!!圧倒的じゃないか!!
いきなり青森会場の洗礼を受けることになります
ここに描かれている富野キャラクターたちは、それぞれのキャラクターに設定された身長が再現されており、自分の身長との比較しながら写真撮影ができるのです
ここから青森会場に展示スペースに入っていくわけですが、チケット売り場にある一階からエレベーターに乗り移動…エレベーターの扉が開きたどり着いた先は、B2F…まさかの地下なのです!
地下!地下!地下!!
今まで福岡・神戸・島根・静岡・富山と5会場を巡ってきましたが、地下に展示スペースがある美術館は初めてでした
まさに、地下にモビルスーツが隠してありそうなぐらいめちゃくちゃ広い空間であります
さぁここから展覧会場内について書いていきましょう
『富野由悠季の世界』展の総集編
当ブログでは、これまでに開催された5会場全てのレポート記事を書き、作品の展示場所を記した「会場マップ図」というものを(非公式で)書いてきました
この「会場マップ図」を書く楽しみもあり、全国の『富野由悠季の世界』各会場を訪れているワケです
さあ、今回もどんなマップ図になるのかと楽しみに訪れた青森会場!なのですが…
展覧会場の受付入り口で、なんと!「青森会場 推奨順路」というマップ図が配布されます
まさかの富野展公式による会場マップ図!!
これまでの会場で配布されることは無かったのでめちゃくちゃ衝撃的でした
あと公式からの配布とだけあって、高クオリティでめちゃくちゃ分かりやすく記載されています(私の低クオリティのマップ図とはワケが違います…)
これで私が会場マップ図を書く意味はなくなりました.
しかし、小さいプライドではありますが、こちらにも過去5会場の会場マップ図を描いてきた意地があります!
低クオリティで提供することを恥と知りながらも、自分なりの会場マップを描きたいのです
そういう意味では、俺は破廉恥な男かも知れん…。
誰にも求められなくても個人的な記録として(勝手に)ここに記したいと思います
低クオリティではありますが、ご覧ください…これが青森会場だ!
これが『富野由悠季の世界』青森会場の発現か…!!
最終会場である青森会場で、ついにきたか!と感じた2フロアに分かれての展示!!…
これまでに巡ってきた過去の会場は全て1フロアだけの展示でありましたが、青森会場では第一会場(B1F)と第ニ会場(B2F)に分かれており、順路としては【 ①「アニメができるまで」第ニ会場(B2F)→ ②第一会場(B1F)→ ③第ニ会場(B2F) 】とい感じに回ることになります
このように会場が分かれていることでソーシャルディスタンスも保ちやすくなり、コロナ対策にも繋がているのではないでしょうか
さらに今回の青森会場では『イデオン』エリアが拡充されていることにより、過去の会場では『ガンダム』エリアの次にあったはずの『イデオン』エリアが会場中盤に配置されるようになっております
これまでの常識としていた順路を破壊してくる…これぞ「パターン破りの富野展」という感じでしょうか
先ほども書いたように、私自身これまでに開催された5会場全てを見てきたわけですが、それでもあっと驚かされる展示方法や新たに気づかさせる魅力があります
まさに富野作品同様、底なし沼ような企画展が『富野由悠季の世界』なのです
そして今回開催されている青森会場は、これまでの『富野由悠季の世界』展の総集編ともいうような全てが詰まった会場といえます
(過去会場のマップ図ついては、ブログ一番下にある各会場のレポート記事より見ることができます)
まずは他の会場から"マイナーチェンジ"されたポイントについて書いていきます
過去の会場でロビーや出入口に飾られ富野展のフォトスポットとなっていたダイターン3立像が、今回の青森会場では会場内の『ダイターン3』エリア内に展示されております
ダイターン3立像が展示会場内に配備されたことで、より締まった空間になったのは素晴らしいことです
ただ、写真で撮るダイターン3立像からは各会場のカラーが出ていると感じるだけに、写真撮影が出来なくなったことには少し寂しさを感じました
『∀ガンダム』エリアに向かう直線は緩やかな坂になっており、その向かう先には奥井亜紀さんが歌う「月の繭」が流れる『∀ガンダム』の最終回ラストシーンの映像があります
そして、そのシーンが流れる真横に、富野由悠季監督直筆の「月の繭」の歌詞が展示されておりました
ラストシーン映像・直筆歌詞は過去の会場では独立して展示されていましたが、青森会場のように2つを組み合わせて展示することにより、さらに印象深い展示とラストシーンになったと感じます
各会場ごとで毎回違うのが映像関係です
今回の青森会場では、『ダンバイン』の映像に複数のモニターが用意されおり、絵コンテの展示を見ながらシーンごとに楽しむことができます
さらに青森会場の展示会場の天井が高い為、『劇場版 ガンダム』や『ガンダムF91』などの映像は展示物の上に映写されているエリアもあります
また『ダイターン3』の映像や『劇場版 ガンダムⅢ』のブライトさんとミライさんのシーン映像がなくなっていたりと変更点もありました
まあ、これらの違いは本当に些細なものなのであまり気にしないでください
本番はこれからであります!
『イデオン』は、ここから始まった!
青森会場の見どころといえば、『イデオン』コーナーであります
『伝説巨神イデオン』は2020年にテレビ放送40周年を迎え青森会場では、企画書や重機動メカの立体物の展示など『イデオン』コーナーを拡充して取り上げられています
他の会場ではスペースの関係上全て見ることが出来なかった『イデオン』放送前に書かれた企画書、演出のアイディアメモの数々が丸々見れるのです
そんな数ある資料の中で特に注目していただきたいのが企画書であり、対象(年齢)や主題、作品のテーマとなる「イデ」などスポンサーに売り込む為のアピールポイントが書かれています
またスポンサーに売り込む為か、幼児にも分かり易い作品や明快なアクションを盛り込むといった書き込みもあり、色々とツッコミたくなる点もありました
そういった本編との違いを楽しんでいただけると思います
その他にも『伝説巨神イデオン』というタイトルになる以前…『スペース・ランナウェイ ガンドロワ』時代に書かれた企画書のキャラクター設定にもツッコミたくなる要素があり、『イデオン』に登場するキャラのギスギス感は始めから考えられていたことが分かります
原寸大 リ・ガズィは伊達じゃない!
先ほども少し描いたように、青森会場は天井がめちゃくちゃ高いです
第1会場から第2会場へと移動する時に「アレコホール」というエリアを通りますが、そのスペースには実物大のガンダムが入るぐらい天井が高く広々とした空間になっています
そんな青森会場では天井の高さを生かした展示が新たに加わっており、それが原寸大 胸像「リ・ガズィ ダミーバルーン」の展示です
実物大のモビルスーツと同サイズである「リ・ガズィ ダミーバルーン」は『逆シャア』エリアに展示されており、『ダンバイン』エリアを抜け左舷(左)から見えた時のインパクトといったら尋常じゃありません…
まさに、リ・ガズィは伊達じゃない!です
自分の目線にリ・ガズィのコックピット部があるので、〔実際にモビルスーツを目の前にするとこれほどまでに迫力があるのか〕と改めてその巨大さを体感することができます
さらに天井の高さを生かした展示として『∀ガンダム』エリアでは、本作のメカデザイナーであるシド・ミードさんがデザインした∀ガンダムとターンXのスケッチが、高さ4mにもなる巨大サイズの壁紙として展示されています
その他にも、シド・ミードさんのデザインスケッチのパネルも展示されており、富野展では青森会場だけでしか見ることができません
是非、青森会場だけでしか見ることができない天井の高さを生かした展示をご覧ください!
富野メカ勢揃い、モデラーたちによる模型博物館
青森会場では、過去の会場よりも空間を広く確保して展示されている印象があり、エリア移動の動線として至るところにプラモデルやフィギュア・超合金といった立体物の展示がありました
静岡会場でも展示されていたプロモデラーであるMAX渡辺さんのガンプラ作品が展示される一角もあり、『∀ガンダム』エリアでもプロモデラーであるNAOKIさんが制作した【∀ガンダム・ターンX】の展示もあります(その他にも色々あります)
様々なプラモデルの展示がある中、発売して間もない立体物の展示もされており、それらも青森会場の特徴の一つです
「超合金魂」シリーズから発売された【ザンボット3】・【ダイターン3】…
「HI-METAL R」シリーズから発売された【ザブングル、ガバメントタイプ(ティンプ機)、ブラッカリィ】・【エルガイム、バッシュ】…
『逆シャア』エリアでは、「STRUCTURE 解体匠機」のνガンダムが展示されています
そして、『イデオン』エリアでは現在監修中のノンスケールフィギュア「threezeroX竹谷隆之 イデオン」の展示もありました
デザイン、原型制作、そして開発に合計5年以上の歳月を掛け製作されている「threezeroX竹谷隆之 イデオン」は、作品内で出てくる「第6文明人」という異星人の文明による作られたことを強調したかたちにリデザインされております
現在予約受付中の当キットが『イデオン』の展示物と共に見れるというだけでも価値があると思いませんか
立体物の展示にも注目して見てください
白い『ガンダム』・赤い『イデオン』
『富野由悠季の世界』展では、会場ごとに地元のメーカーとコラボしたグッズが販売されることがあります
島根会場では地元の老舗和菓子店「三松堂」さんとコラボした「シャア専用源氏小巻」、富山会場では富山県のブランド米「富富富(ふふふ)」とコラボし富野展オリジナルパッケージとして商品化されていました(「富富富」の富野展オリジナルパッケージは青森会場でも購入できます)
そして青森会場では、地元の老舗せんべい店「大成堂」さんとコラボした「南部あめせんべい」が富野展限定として2種類が販売中です
白いパッケージが『ガンダム』、赤いパッケージが『イデオン』…各種3枚ずつキャラクターやモビルスーツらがプリントされた南部せんべいに艶やかな水飴がサンドされており、サクッとした食感の中に豊かな甘さを楽しむことができます
青森会場でしか購入できない一品となっておりますので、是非お買い求めください!
その他にもシドミード展でも販売されていたグッズ、さらに富野展の新商品として与圧服のソフビの予約も受付中であります
エピローグ - 誰も知らないラスト -
青森会場が過去に開催された5会場と徹底に違うのが、展覧会のラストにエピローグが新たに追加されたことです
過去の会場では、最新作である『ガンダム Gのレコンギスタ』の展示をラストに配置していたのに対して、新たにエピローグが追加されていることにより、全く違った印象を受けて終えることになります
その気になるエピローグの内容なのですが…ここでは書きません!
ネタバレになるからという理由もありますが、エピローグに関してはおそらく感じ方が人により違うのではないか?と感じるからです
ただ、青森会場だけに存在するエピローグは、これまでに『富野由悠季の世界』を開催してきた美術館サイドのアンサーという形で展示されています
ただのアニメの展示で終わらせるのではなく、美術館で展示される意義がそこに詰まっているワケです
なので、君の目で確かめろ!…というわけで、是非青森会場に来館してご覧ください!
その他にも青森市にある映画館「シネマディクト」では、4月24日〜4月30日まで劇場版富野作品の上映がされてます
そして4月4日(日) には<青森朝日放送>で『伝説巨神イデオン 接触篇』も放送予定です
(青森だけといえ)地上波で劇場版『イデオン』が観れるなんてめちゃくちゃレアな体験じゃないですか!?
是非この機会に、「イデの力」を多くの方に体感していただきたいです
【放送情報】『伝説巨神イデオン接触篇』
— サンライズ (@SUNRISE_web) 2021年3月26日
2021年4月4日(日) 25:30~26:57
<青森朝日放送>にて、放送決定! https://t.co/tkbO9ggGRj
#伝説巨神イデオン
#青森朝日放送
#富野由悠季の世界 pic.twitter.com/LRSj8ThTrW
あぁ、感動のラスト前
このたび開催されている青森会場は、本来2020年4月18日(土)〜6月21日(日)に開催される予定でした
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大…全国での緊急事態宣言の発令により延期する決断を余儀なくされたのです
青森・富山会場と延期になり、特に青森会場は開催一ヶ月前での延期決定だったので、1番打撃をくらった会場でもあります
宣伝ポスターやチラシなどが配布され、既にイベントなども決まっていた状態での延期は、先が見えないほど暗い出来事だったでしょう
そして一年が経ち、最終会場として万感の思いで開催を迎えた青森会場に死角はありません!
なんなら延期になったことで、よりパワーアップした展示になっているのではないかと感じるぐらい素晴らしいです
美術館入館時の検温・消毒はもちろん、展示スペースの空間も広くとられており、新型コロナウイルスの感染予防対策もしっかりされています
ピンチをチャンスに変え、そして「チャンスは最大限に生かす」…富野流の主義で作り上げられる青森会場に何度でも足を運んでください!
2019年6月・福岡で初めて開催された『富野由悠季の世界』から約2年…神戸・島根・静岡・富山と長きに渡る旅も2021年5月9日(日)に、この青森会場で終わりを告げようとしています
結果的には2年に渡り開催されることになったわけですが、こうも長く巡回展が続いていると『富野由悠季の世界』展がある生活が当たり前になっている自分がいました
この青森会場で本当に終わりなんだという実感が全然ない…でも終わってしまうんです
そう思うと色んな感情が込み上げてきます
今回の青森会場は、はっきり言って今までに見てきた会場と全く違うといっていいでしょう
過去5会場のDNAを受け継いだ青森会場だからこそ見る価値があり、是非色んな方に見ていただきたい!
2021年5月9日(日)で本当に終わってしまう『富野由悠季の世界』…そのラストシューティングを是非ご覧あれ!!
「富野由悠季の世界」青森会場
会期 2021年3月6日(土)~5月9日(日)
会場 青森県立美術館
〒038-0021 青森市安田字近野185
過去の会場レポートはこちらから