どうも、ホントに東京五輪が開催されるのか…?とソワソワしているSATAトミオです
いよいよ、もうすぐ東京オリンピック開催の時期が迫ってきましたね
まぁ開催されるかどうかは定かではありませんが、間違えなく世間は今オリンピックの話題で持ちきりでしょう!
そんなオリンピックシーズンにうってつけの作品が、80年代アニメにあります
それは…『YAWARA!』です!!
『YAWARA!』とは、1986年に「ビッグコミックスピリッツ」にて連載された原作・浦沢直樹による柔道ラブコメディ
1989年にマッドハウス制作によりTVアニメ化され、全124話放送されました(監督はときたひろこさん)
1992年にアニメ映画の公開、1996年には完結編となるTVスペシャル「Special ずっと君のことが・・・」が放送されております
祖父・猪熊治悟郎から柔道の英才教育を受けて育った主人公・猪熊柔が、「普通の女の子になりたい」と葛藤しながらも様々な人と出会い、オリンピックで金メダル獲得を目指す作品です
『YAWARA!』という作品は、当時活躍していた女子柔道選手・谷(当時:田村)亮子さんと共に、90年代に柔道ブームを巻き起こした作品としても知られています
そんな『YAWARA!』の魅力を今回は伝えていきましょう
あらすじーー
日刊エヴリースポーツの新聞記者・松田耕作(cv.関俊彦)はある日、ひったくり犯を華麗に巴投げをして撃退する女子高生の姿を目撃し魅せられる
女子高生の名は猪熊柔(cv.皆口裕子)…祖父・猪熊治悟郎(cv.永井一郎)により柔道の英才教育を受け、バルセロナオリンピックで金メダルを獲得し国民栄誉賞を受賞する為に日々稽古をする、まだ世に知られていない逸材であった
しかし柔本人は、柔道をしたいとは全く思っておらず、「普通の女の子になりたい」と恋に憧れる女の子でした
『YAWARA!』は柔道シーン以外にも非常にドラマ溢れる作品であり、当時流行していたトレンディドラマの様な世界観も含まれた恋愛アニメです
まずは、『YAWARA!』の魅力でもある個性豊かなキャラクターを作品序盤(柔の高校生時代)を基に紹介をしていきます
猪熊柔(cv.皆口裕子)
幼い頃から祖父・治悟郎よる柔道の英才教育を受け、5歳の時には父・虎滋郎を巴投げで投げ飛ばしてしまうほどの天才
思春期を迎える頃には、自分が周りの友達とは違った特別な環境で育ったと気づき始め、いつしかオシャレしたり恋をしたりする「普通の女の子になりたい」と強く憧れを抱くようになる
得意料理は、ビーフストロガノフ
柔は常に柔道から遠ざかりたいと思っており、何かあるごとに「私、柔道やめます。」というのが座右の銘なのか?というぐらい何度も登場します
しかしそれには理由があり、柔が幼い頃に父・虎滋郎を巴投げで投げ飛ばしてしまい、その後失踪してしまい現在も帰ってきていないという事情があるからです
自分のせいで…柔道のせいで家族がバラバラになってしまったと思い込んでおり、自分が柔道をすれば誰かが不幸になると離れたがります
そういった葛藤のなかで進むストーリーに注目ください!
猪熊治悟郎(cv.永井一郎)
全日本柔道選手権大会※5連覇の実績を持つ※七段の柔道家
孫娘の柔をオリンピック金メダルと国民栄誉賞を取らせるために、幼い頃からポイント勝ちなどに頼らない「一本を取る柔道」を徹底的に叩き込む
著書「柔の道は一日にしてならずぢゃ」は一部の柔道家の間でバイブルとして支持されており、世界中に熱烈なファンがいる
(※作品が進むごとに自称【6〜8連覇・八〜十段】と変動していく)
とにかく目立ちたがりのお爺ちゃんであり、試合の実況席にも解説者として勝手に乗り込み持論を展開します
また柔が柔道を辞めると言い出した時には次々に復帰プランを立案し、様々なキャラクターを巻き込んでいく型破りな展開も面白いです
松田耕作(cv.関俊彦)
三流新聞・日刊エヴリースポーツの記者
スポーツ選手のゴシップを嗅ぎ回っていたが、柔の巴投げを目撃し記者生命をかけるようになる
不器用であり荒っぽい言動も多いが、「普通の女の子になりたい」と葛藤する柔に柔道と向き合うキッカケを与え続ける
子どもの頃は力道山や長嶋茂雄といった国民的スーパースターに憧れており、将来自分も同じように感動を与えれる人になりたいと思っていたが挫折…現在は柔の活躍を記事にして人々に感動を与えることを夢にしている
作品当初は取材対象として柔のことを見ていましたが、いつしか恋愛感情を抱くようになります
柔がピンチの時に常に手を差し伸べ、そんな松田の存在の大きさに柔も少しずつ気づき始まる…そこからはもう「エモい」の嵐です
暑苦しいほどに柔を追い回す松田さんの情熱を観てください
本阿弥さやか(cv.鷹森淑乃)
本阿弥グループの令嬢
水泳・テニス・乗馬など数々のスポーツで頂点に立ってきた天才少女だが、唯一柔にだけは勝つ事ができず柔道家へと転身し柔のライバルとなる
負けず嫌いな性格であり、テレビなどを通して挑発行為を繰り返し、柔にプレッシャーを与え続ける
前歯の1本が「すきっ歯」となっており、差し歯で隠しているが時々抜け落ちる
常に柔に対してライバル意識を持っており、さやかの柔道コーチであり互いに恋心を抱く風祭を巡り、柔と複雑な恋愛模様を展開してます
その時も柔のことを【猪熊•泥棒ネコ•柔】と呼び、蔑む場面もあります
風祭進之介(cv.神谷明)
さやかの柔道コーチを務めるイケメン
実力のある柔道家ではあるが極度のあがり症の為、メディアや試合に出ることはない
しかし女性には積極的に接し、複数人の女性と関係を持つプレイボーイである
自分に恋心を抱く柔に手を出そうするその一方で、本阿弥グループの財力にも魅力を感じており、さやかの好意を断りきれずにいる
その他にも、弱小柔道部の主将:花園薫(cv.菅原正志)、カナダの柔道家:ジョディ・ロックウェル(cv.一城みゆ希)、女子大生時代の同級生で親友となる:伊藤富士子(cv.川島千代子)など、個性豊かなキャラクターがまだまだ沢山登場します
また、登場するキャラクターたちがどのような人生を歩んでゆくのかを見届けれるのも、ロングラン作品の魅力です
柔の試合よりも、サブキャラの試合の方が面白い⁉︎
スポーツ作品というのは、主人公がライバル達と競い合う事で力強くなり、成長していく物です
しかし『YAWARA!』という作品は、そんな世間の方程式には全くハマらない作品であります
だって、主人公・猪熊柔…序盤からすでに最強です!
幼い頃から「柔道の父」とされる治悟郎さんから英才教育を受けて育った柔は、どんな相手であれ"一本背負い"で投げ飛ばしてしまいます
ゲームでいうところの【チートキャラ】と同じです
その為、柔が勝つか負けるかが作品の魅力にならない不思議な作品であります
では、『YAWARA!』の魅力は何かというと…柔の影響により刺激される周りのキャラクターです
『YAWARA!』には、大きな夢を抱きながらも現実にぶち当たり挫折してしまう…いわゆる天才ではない【凡人】キャラクターが多く登場します
しかし、柔というスーパースターの活躍や葛藤を近くで感じることで刺激を受け〔もう一度頑張ろう!〕と突き動かされるのです
また柔自身も、そのキャラクターの頑張りが大きな刺激となり、幾度となくやめようとする柔道と向き合う力を与えます
そういった人との出会いや繋がり…それこそが『YAWARA!』の魅力です
是非観られる際は、柔に突き動かされる周りのキャラクターに注目してみてください!
史上最強!の「エモい」オープニングアニメ
『YAWARA!』という作品は、何と言ってもOP(オープニング)がサイコーに「エモい」作品であります
汗が浸る柔道シーンを描いてる本編とは違い、レトロさ溢れるイラストレーションの中でオシャレなど、柔が憧れた「普通の女の子」を謳歌する姿が描かれており、作品の良さがそこに詰まっているといっていいでしょう
これまでのスポーツアニメとは全く違うOPなのです!
ここで、それぞれに異なる魅力を持つ『YAWARA!』のOPを紹介していきたいと思います
1stオープニング「ミラクル・ガール」(第1〜43話)
歌・永井真理子
物語のスタートから柔の高校生卒業あたりまでこのOPが使われております
ポップな映像と多彩なファッションチェンジなど、スポーツアニメとは思えないシーンで構成されており、このOPから柔道だけが魅力ではない『YAWARA!』の素晴らしさを感じることができます
またショップ前で柔と治悟郎さんが一緒にダンスをするシーンや柔が座っているテーブル席へ治悟郎さんがパフェを運ぶシーンは、山下達郎や大瀧詠一らのジャケットイラストで知られる永井博さんや鈴木英人さんのようなタッチで描かれた背景がオシャレに感じます
歌われた永井真理子さんも本曲をきっかけにブレークを果たし、90年代を代表するアーティストとなりました
2ndオープニング「雨にキッスの花束を」(第44〜81話)
歌・今井美樹
柔が高校を卒業し、女子大生となったタイミングで使用される曲です
女子大生になったことで幼さも少し抜け、前のOPよりも更に多彩なファッションとヘアアレンジの連続でシーンが構成されており大人の女性らしさが全開に出ております
またグラスを合わせて乾杯するカットなど、当時のバブル景気が反映されいると感じられる都会的なシーンの映像美も素晴らしいです
ちなみに本曲は私の中で、歌・映像共に80年代アニメの中では「最もエモいOP」だと思っており、柔がプイッとそっぽを向くカットから「ごめん、冗談だよ~」と笑顔で横に手を振るシーンとか最高に可愛いすぎます!!
マジでオススメのOPなので是非聴いていただきたいです!
3rdオープニング「負けるな女の子!」(第82〜102話)
歌・原由子
柔が女子大生から社会人になるタイミングで使われるのが本曲です
社会人となり、より大人の女性となった柔の魅力を、車窓から見える四季の移り変わりと柔のファッションで表現しています
またシーンごとの間では、幼稚園児と同じ格好で踊る治悟郎さんらしき人物の姿が描かれており、とても可愛らしいです
本曲は恋する女の子の気持ちを表した曲であり、サビの「や め て! 女の子は弱いの」から始まる一連の歌詞が女性の繊細な恋心が描かれていると感じます
ちなみに本曲は原由子さんのアルバム未収録の楽曲であり今まで聴くのが難しいとされていましたが、近年ではダウンロード配信やストリーミング配信もされております
是非聴かれる際はサブスクをご利用ください!
4thオープニング「YOU AND I 」(第103〜124話)
歌・永井真理子
いよいよ迎えるバルセロナ五輪へと照準を合わせ、最終回まで使用させれた曲です
OP映像も柔が開催地スペイン・バルセロナへと飛行機で向かい、サクラダファミリアや闘牛場などのスペインの観光名所を回る姿が描かれています
これまでに紹介した3つのOPとは違い、本曲はちょうどバルセロナオリンピックがリアルに開催される時期であった為に、オリンピックを強く意識した映像と曲になってるかもしれません
また本曲を歌うアーティストには、1st(最初の)OP「ミラクルガール」を歌われた永井真理子さんを再起用しており、アニメ『YAWARA!』の最後に相応しいOP曲だと感じます
今回はOPだけを紹介しましたが、もちろんEDもめちゃくちゃ素晴らしい楽曲と映像で構成されています
特に最後のEDである「いつもそこに君がいた」は『YAWARA!』という作品の集大成として用意されいると感じる楽曲であり、最終回が近づくにつれて深みがドンドン増していくすごい曲です
『YAWARA!』の大部分の魅力を占めていると言っていい程のOP・ED…まず本編を観られる前に映像を観てみてください!
時代を繋ぐ栄光の架け橋
『YAWARA!』という作品は1989年にスタートした作品でありますが、放送の半分以上が90年代である為、実質90年代アニメだといえるかもしれません
ですが、本作の監督を務めたときたひろこ監督は、杉井ギサブロー総監督作品の『タッチ(1985)』『陽あたり良好!(1987)』でシリーズ監督をされ、そこで受けた影響が大きく出ており、アニメ『YAWARA!』の大ヒットにも繋がったのかなと感じます
また、そういった流れを知った上で作品を観ると、より作品を楽しく観ることができるかもしれません
是非、80年代アニメから90年代アニメへの時代の架け橋となった作品たちも観ていただければと思います
『YAWARA!』は全124話…アニメ放送期間でいうと約3年かけて放送されていた作品です
現在のアニメに比べたら話数も多く、観るまでにいくつもの壁があるように思えます
私自身、この『YAWARA!』を1話から124話(最終話)まで見終えるのに同じく3年ぐらいかけて完走しました
めちゃくちゃ長いです!
しかし、その長さの中で生まれ気付かされていく柔の感情…松田が自分(柔)に向けた愛情よりもさらに深い熱意、どれも全124話という長い期間が無ければ生まれないストーリーであります
そこに気づいた時にこそ『YAWARA!』という作品の本当の魅力が詰まっているわけです
1話から124話まで、「私、柔道やめます。」と言い続けてきた柔が、周りの人達に助けられ突き動かさせるストーリーを観てください!
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