どうも、まだまだ80年代アニメついて知らない事が多いと感じるSATAトミオです
最近、まだまだ勉強が足らないな~と感じることが多々あります
先日、LD(レーザーディスク)プレーヤーを使い『エリア88』を観ました
今から『エリア88』観ます✨
— SATAトミオ@80年代Lover(26歳) (@YTOSzjxpdHOjt9g) 2021年3月14日
1987年度の日本アニメ大賞OVA最優秀賞も受賞した作品…楽しみに観たいと思います!! pic.twitter.com/muPInzxTpk
始めは80年代アニメの一つという認識で観ていたのですが、これがコレがとてつもなく面白い
ACT.Ⅰ「裏切りの大空」ACT.Ⅱ 「狼たちの条件」と順々に観ていき、ドンドン作品の魅力に引き込まれていきました
そして最終話であるACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」を観て、凄まじいドラマ展開と圧巻のクオリティが私の中の五臓六腑に響き渡り、思わず感情が溢れんばかりに大爆発してしまいました
いや〜マジで凄かった!
とてつもなく凄い作品に出会ったぞ!という感じで、見終わってから少し放心状態になってしまうぐらい素晴らしい作品でした
放心状態から冷めぬ興奮状態となり、この渇き切った心をどこにぶつければいいの…!?と考えた時に〔そうだ、ブログだよ!!!〕となったわけです
というわけで今回は自分の欲求を消化する為だけに書く、全人類よ『エリア88』を観ろ!!という記事であります
ただ感情をぶつけるだけの記事になると思うので、読みにくいところがあれば申し訳ありません(先に謝罪しておきます…)
まずは本作の簡単な紹介をします
『エリア88』とは、1979年より少年ビッグコミックで漫画連載され、1985年から1986年に全3話のOVAがスタジオぴえろにより制作された新谷かおる原作の戦記ストーリーです
「ACT.Ⅰ 裏切りの大空(第1話)」「ACT.Ⅱ 狼たちの条件(第2話)」を再編集した劇場版も1985年7月に公開され、第4回 日本アニメ大賞では「オリジナル・ビデオ・アニメ部門」に輝いた作品でもあります
現在は、再編集された劇場版とACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」のOVAのみがDVD化されており、「ACT.Ⅰ」「ACT.Ⅱ」 のオリジナル(OVA)版は LDソフトなどでしか視聴することができません(北米版ではDVD化されています)
まあ、レンタルDVDなどで劇場版とACT.Ⅲは視聴することができますので、視聴難易度はそこまで高くはないです
しかし、もっと多くの方に観ていただきたい!という想いと…今後は動画配信サービスでも視聴できるようになれば!という願いも込めて今回のブログ記事を書いております
あらすじーー
大手航空会社「大和航空」の飛行訓練生であった風間真(以後.シン)(cv.塩沢兼人)と親友の神崎悟(cv.安原義人)は、パリで研修訓練を受けます
しかし研修が終えた帰国前夜、シンは神崎にダマされ、中東・アスラン王国の外人部隊への編入契約書にサインさせられてしまう
強制的に外人(傭兵)部隊に編入させられたシンは、砂漠のど真ん中にある最前線基地・作戦地区「エリア88」に連れてこられ、地獄の戦場へと駆り出されるのでした
「エリア88」から抜け出すには、戦場で生き延び3年間の契約を満了するか…敵機を撃墜して賞金を稼ぎ高額の違約金を払うか…それとも脱走するか…
そして約1年が経過…恋人である津雲涼子(cv.玉川砂記子)が待つ日本へ帰る為に敵機を撃墜し続けたシンは、違約金完済目前まで賞金を稼ぐのでした
シンは「エリア88」から抜け出し、涼子と再会する事ができるのか…?というのが本作の見どころとなります
ストーリーの流れとしては、ACT.Ⅰ 「裏切りの大空」でシンを中心として「エリア88」でのシーンが多く、ACT.Ⅱ 「狼たちの条件」では神崎や涼子にも焦点を当てて人間模様が描かれています
そしてACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」になると物語も佳境に入り、劇場アニメに引けをとらない程クオリティの高く熱い作品となるワケです
戦場に身を投げ出すシンはどうなっていくのか…?というところに注目していただきたく思います
人間ドラマこそ、『エリア88』
「エリア88」という作品は、「エリア88」という地獄に落とされた風間真、その地獄へと落とした親友・神崎悟、真のことを忘れることができずにいる恋人・津雲涼子…
この三角関係により物語が展開されていきます
まずは、この3人の関係についてキャラクター紹介していきましょう
風間真(cv.塩沢兼人)
最前線基地・作戦地区「エリア88」に所属するアスラン王国・外人部隊の飛行パイロット
赤ん坊の頃に孤児院で拾われ両親の顔も知らずに育つ
「大和航空」の飛行訓練生として訓練に励み親友の神崎と共に大空を飛ぶことを夢見ていたが、その神崎にダマされ異国の外人部隊に入隊されられる
シンを演じているのは塩沢兼人さんなのですが、コレがめちゃくちゃドンピシャにハマっています
役と声がピッタリとハマり、塩沢さんから出される自然体の声そのものがシンと一体化しているイメージを受けました
また塩沢さんの声がシンの心境を映す鏡となり、少しずつ演じ方も変わっていくところも魅力です
神崎悟(cv.安原義人)
「大和航空」の機長
シンを「エリア88」へ送った元凶であり、シンの恋人である涼子を略奪しようと企む
幼い頃に母親に捨てられたことで人を憎むようになり、シンと同じ孤児院で育つ
社長令嬢の涼子と恋仲なったシンのことを妬み、そして真をダマし外人部隊への編入契約書にサインするように仕向けた
神崎というキャラクターはとにかく野心家であり、「大和航空」すらも自分のものにしようと企みます
憎たらしさ全開のキャラクターですが、どこか感情移入も出来る要素も(たぶん)あり、作品を盛り上げてくれる存在です
津雲涼子(cv.玉川砂記子)
「大和航空」の社長令嬢
「大和航空」の飛行訓練生であったシンをお手伝いさんと間違えたことをきっかけに知り合い、恋人関係へと発展する
シンが外人部隊に入隊させられ「エリア88」にいることを知らず、突然自分の前から姿を消したシンの事を忘れられずにいる
涼子は芯のある女性でありますが、社長令嬢ということあり少し抜けたところも可愛らしいキャラクターです
神崎からの好意(略奪)にも屈することなく、シンのことをずっと愛しております
何としても涼子を手に入れようと企む神崎とのかけ引きもシーンも重ねるごとにヒートアップしていきますので、恋愛ドラマとしても魅力的な作品です
『エリア88』にはまだまだ魅力的なキャラクターが登場し、中でもシンと共に「エリア88」で戦う仲間たちとのドラマも魅力があります
ここでは特に好きなキャラクターを紹介します!
ミッキー・サイモン(cv.富山敬)
誰にでも気さくな対応ができるキャラクターで、シンにも親身になって接してくれるムードメーカー
「エリア88」へ来る前はベトナム戦争に参加していた過去があり、ベトナム戦争後に母国に戻るものの平穏な世界に戻ることが出来ず戦場へと戻ってきた
ミッキーはエースパイロットということもあり能力も高く、めちゃくちゃカッコいいキャラクターです
シンにも色々と助言したりと気の利いたところもありますし、ミッキー自身にも元婚約者・トレイシーとのドラマがあり物語を動かす重要な存在となります
あとやっぱりミッキーを演じている富山敬さんの声が素晴らしく、このキャラクターを嫌いになる人は居ないと感じるぐらい魅力的に演じられております
マッコイ(cv.家弓家正)
「エリア88」で武器商人・情報屋として活躍する老人、通称:マッコイじいさん
様々な機体がある「エリア88」の武器を仕入れ、パイロット達に売り込みをする(しかも不良品もしばしば)
シンのことを色々と気にかけており、仕入れのついでにカップラーメンを買ってきてあげるなどの優しい一面もある
自分が『エリア88』で一番好きなキャラかもしれません
マッコイじいさんは、「エリア88」に来た戦場カメラマンのフィルムバッグを隙を見て炎天下へ放り出し、フィルムがダメになったところで売りこむなど商売屋として素晴らしいところがあります
あとマッコイじいさんを演じる家弓家正さんの演技も素晴らしいです
家弓さんといえば、『未来少年コナン』のレプカ役や『鋼の錬金術師』のお父様役などダークなイメージがあったので、マッコイじいさんの様なユーモア溢れるキャラクターは『エリア88』で輝きます
その他にも、「エリア88」の指揮官のサキ・ヴァシュタール(cv.志垣太郎)や「エリア88」の取材に訪れる日本人戦場カメラマン・六木剛(通称ロッキー)(cv.仲村秀生)など、幅広くキャラクターが登場します
人殺しをしない為に、人殺しをする…
『エリア88』で最も注目していただきたいのがシンの心境の変化であります
もともとシンは、神崎にダマされる形で「エリア88」に連れてこられ戦闘機のパイロットとなりました
「エリア88」から抜け出す為に賞金を稼ぎ、違約金を払おうとするシンは「人殺しをしない平和な世界に戻る為に、人殺し(賞金稼ぎ)をする」という矛盾を抱えながら戦闘機に乗り戦っています
またミッキーなど「エリア88」で共に戦う仲間は、戦場に身を投じたことで平穏な世界に馴染めなくなり戦場に出戻りしてきた奴らばかりです
そういった環境下で生きるシン自身もまた、戦いにより戦場に染まっていきます
やがて、変わってきた価値観がシンを苦しめるのです
是非、シンの心の葛藤にも注目してください
そして『エリア88』で私が一番の太鼓判を押すシーンがACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」にあります
先ほども書いたシンの心の葛藤がこのシーンで明確となり、アニメ『エリア88』の全てが詰まっていると感じるワケです!
ちょっとネタバレっぽくもなりますけど、是非知っていただきたく思います
(※ここから少しネタバレを書きます。回避したい方は緑枠部分を飛ばしてください)
シンは「エリア88」でエースパイロットと呼ばれる程に戦績を上げる中で、イトー・シュウイチローという日本人と留置所で話すシーンが用意されています
最前線に送られる恐怖から脱走を試みて失敗…銃殺刑を待つイトーに「バカなことをしたな…3年経てば日本に帰れるものの」と言い放つシン
するとイトーは「3年間、人を殺し続けてか…?」と悔いのない眼差しと不敵な笑みを浮かべながら返すのでした
人殺しをしてでも平和な世界に戻ろうとするシン、人殺しをするぐらいなら一縷の希望をかけて脱走を試みたイトー…対立している様に見える関係ですが、ここでシンは過去の自分と対峙することになります
戦場に染まり切っていなかった頃のシンの心がイトーの中にあり、そこでのかけ合い劇が堪らなくヤバいです!!
そして最後にイトーは「アンタはな、殺人鬼なのさ!!」と言い残し旅立っていきます…
トッポい人生も悪くないと刺激を求めて外人部隊に入隊した若者は、自らの手を血に染めることを選ばず命を断つのでした
イトーが旅立っていく影を時計の秒針だけが刻まれる留置所でただ聞くことしか出来ないシン…このエゲツなさが心をエグってきます
またイトー・シュウイチローを演じられたのは千葉繁さんであり、数々の脇役を演じられてきた名プレーヤーぶりが遺憾なく発揮されされています
そして千葉繁さんと(シン演じる)塩沢兼人さんのかけ合い劇が、より心に訴えかけるシーンへと変貌させているのでした
素晴らしい声優2人によるドラマを観ていただきたく思います
大迫力のドッグファイト
やはり本作を彩っている魅力といえば、戦闘機による空中での戦闘シーンです
シンが搭乗する「タイガーシャーク」やミッキーが搭乗する「トムキャット」など実際にある航空機がモデルとして登場しており、本格的な空中戦が描かれています
いやマジで、空中戦でのドッグファイトが激アツなんですよ!
そして戦闘シーンでの演出も良く、機関銃の撃ち合いやミサイル弾の軌道・追跡…そして
機体破損による空中分解など、緻密な描写の数々がリアリティを底上げしています
今現在だと「エースコンバット」という航空機同士による空中戦を舞台としたゲームが人気ですが、そのゲームの世界観が本作で描かれていますので「エースコンバット」ファンの方にも観ていただきたい作品です
『エリア88』はその他にも主題歌がすごく良く、特にMIO(現MIQさん) が歌う挿入歌「Good-bye, Lonely Blue」は80年代OVAの中でも5本の指に入るほど名曲だと思っておりますので、是非そちらにも注目していただきたいです
OVA黎明期の最高傑作
『エリア88』 という作品は1985年に制作され、1983年から始まったOVAの歴史の中でも始めの頃に制作された作品の一つであります
そんな歴史の浅く自由奔放で荒削りな作品が多かったOVA黎明期の中、本作のクオリティは全てにおいて最高傑作と断言していいでしょう
こんな素晴らしい作品が配信サービスでも観れるずに、世に知れ渡っていないのはマジでおかしい!!
是非その素晴らしさを、まだ観られていない方には体感していただきたいです
冒頭でも書いた様に今現在、オリジナル版である『エリア88』のOVA版(全3話) は国内DVDや配信サービスで観ることができません
なので、再編集された劇場版とACT.Ⅲを是非観ていただきたく思います
OVA黎明期の中でも最高傑作な『エリア88』…ぜひご覧ください!
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