80年代アニメを知りたい! 伝えたい!

主に1980年代に制作されたアニメや関西で行われるイベントについてを20代の若造の視点で書いていこうと思います。

【波瀾万丈🌊】80年代アイドル声優ヒストリー🎤【アニメ主題歌×声優】

どうも、80年代アニメの新たな魅力を探求し続けるSATAトミオです

80年代アニメってまだまだ開拓されていない魅力がたくさんあるのではないかと思うわけです

それを掘り下げるのが当ブログの目的でもあり、ワクワク楽しんで書いている次第であります

 


以前、【平成生まれが解説】80年代アニメ史・前編🟢(1980~1984)という記事で、1984年以降にアニメOPEDなどの主題歌が新人歌手のデビュー曲となるケースが増えたことについて書かせていただきました

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最も有名な例として『機動戦士Zガンダム(1985)』の後期OP「水の星へ愛をこめて」がデビュー曲となった森口博子さんが挙げられます
これは、アニメ主題歌に起用されることがアーティストや曲の宣伝効果に繋がると判断されたことにあります

 

現代のアニメでは、アーティストがアニメソングを歌うことが当たり前とされている時代です

特に80年代というのは"自ら主題歌を歌い、声優も務めデビューした"、アイドル声優が初めて登場した時代でもあります

今回は主題歌と声優を兼任しデビューした80年代のアイドル声優を紹介します

 

元祖・アイドル声優の誕生

まずは、アイドル声優の成り立ちについて書いていきます

アイドル声優の始まり(元祖)は、80年代よりも前の1970年代からであり、そして礎を築いたとされているのがアニソン歌手の堀江美都子さんであります

堀江美都子さんといえば、1969年に『紅三四郎』でアニメ歌手デビューされて以来「キャンディ・キャンディ」や「ボルテスⅤの歌」など多くの代表曲があり、"アニソン四天王"の一人として知られています

80年代でいいますと、同じアニソン四天王の一人でアニキの異名を持つ水木一郎さんとデュエットした「CROSS FIGHT!(破邪大星ダンガイオー 主題歌)」が有名ですね

 

堀江さんの声優デビュー作は1978年放送の『宇宙魔神ダイケンゴー』でした

"主題歌を歌っている人がヒロインとして作品に参加したら、作品の顔(アイドル)になる"という制作会社の意向によりヒロイン・クレオ役でデビューされました

声優素人であった堀江さんは現場で声優としての技術を学び、その後『魔法少女ララベル(1980)』や『愛してナイト(1983)』などで主役を務めるほどに成長します(もちろん2作品とも主題歌を歌われています)

デビュー50周年記念ベストアルバム「One Girl BEST」

デビュー50周年記念ベストアルバム「One Girl BEST」

  • アーティスト:堀江美都子
  • 発売日: 2020/02/12
  • メディア: CD
 

 

飯島真理×太田貴子 二大巨頭の誕生

1980年代に入ると2人のアイドル声優が誕生します

それが『超時空要塞マクロス(1982)』でリンミンメイ役をされた飯島真理さん、『魔法の天使 クリィミーマミ(1983)』でクリィミーマミ&森沢優役をされた太田貴子さんの2人です

飯島真理さんと太田貴子さんの登場はアニメ界に激震が走り、時代が求めたかのように数々のヒットを記録していきます

ここで2人がアイドル声優となった軌跡を書いていきましょう

 

飯島真理

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飯島さんは大学在学時に送ったデモテープをきっかけにビクター音楽と契約します

歌手デビューする前に『超時空要塞マクロス』のオーディションの話が舞い込み、度胸試しに受けた結果、持ち前の歌唱力で見事ヒロインのリン・ミンメイ役を獲得することになります(歌うことが多くある役の為、歌唱力が評価されたわけです)

1982年に『超時空要塞マクロス』に出演された飯島さんは「私の彼はパイロット PartⅠ」や「小白竜」など多くの劇中曲を歌われ『マクロス』も大ヒット、演じられたリン・ミンメイと共に絶大な人気を得るのです

マクロス』放送時点では歌手としてデビューはされておりませんでしたが、ファンクラブが発足されるほどのアイドル人気であったとか

更に1984年に公開された劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の主題歌「愛・おぼえていますか」は大ヒットを記録し、80年代の伝説の音楽番組「ザ・ベストテン」にも出演されました

そして、EDでは自らが作詞作曲し歌われた「天使の絵の具」でシンガーソングライターとしての才能を発揮します

 
しかし、リン・ミンメイの存在はあまりにも大きく、飯島さんが歌手デビュー後も"アイドル声優"という肩書きで呼ばれ、ミンメイのイメージから抜け出すことが出来ませんでした

そして、1989年に『マクロス』から離れるようにアメリカへと活動拠点を移すことになります

 

一時は『マクロス』から…ミンメイから距離をおきアメリカでシンガーソングライターとして活動していました

しかし現在では、海外に拠点をおきながらも『マクロス』のイベントなどに出演され「愛・おぼえていますか」などの楽曲を披露されています(最近ですと、NHK BS プレミアムで放送された「発表!全マクロス大投票」で生歌を披露されたことが記憶に新しいですね)

 

太田貴子

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太田さんは1982年に70・80年代の伝説的オーディション番組「スター誕生」に出演し、徳間音楽工業(現・徳間ジャパンコミュニケーションズ)にスカウトされ所属することになります

親会社でもある徳間書店へ挨拶回りに来ていた時に『クリィミーマミ 』の絵コンテを見て、それがきっかけとなり翌年の1983年『魔法の天使 クリィミーマミ』ののOP/ED「デリケートに好きして/パジャマのままで」で歌手デビュー、そして主人公・森沢優&クリィミーマミ役で声優デビューもします

 
声優としてのキャリアのない太田さんは突然のデビューに始めは戸惑いながらも、話数を重ねキャラクターの成長と共に演技力も磨いていきます

そんな太田さんが演じるマミの魅力もあり、『クリィミーマミ』は大人気作品となり、TV放送後も新作ストーリー2作・ミュージック・ビデオ2作の計4つのOVA作品が発売されます

クリィミーマミ』終了後はアイドル歌手としてレコードを出す傍ら、アニメ映画『アリオン』などにも出演して声優業にも精力的に取り組まれていました

そして現在は『クリィミーマミ』のイベントでは楽曲を披露するなど今でも作品を大事にされておられ、1983年に突如現れ"マミがかけた魔法"は現在も解かれることはありません

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アイドル声優ブームの到来

飯島真理さん・太田貴子さん、2人のアイドル声優が登場・成功したことにより"新人アイドルが声優を務め主題歌を歌う"という流れが生まれます

2人の成功をきっかけに、その後も多くのアイドル声優が誕生するのです

ここからは、私が知る限りのアニメでデビューしたアイドル声優を紹介します

 

岡本舞子

『魔法の妖精 ペルシャ(1984)』前期OP「見知らぬ国のトリッパー」/前期ED「ラブリードリーム

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『魔法の天使 クリィミーマミ』の放送終了後にスタートした本作でデビュー(ぴえろ魔法少女シリーズ2作目)

岡本さんは主人公のペルシャを演じたのではなく、ラブリードリームの女王・プリンセスフェアリを演じられました

ちなみにぴえろ魔法少女シリーズでは、主題歌を歌われた方が主人公の声優を務めるのがシリーズの特徴であるのですが、『ペルシャ』(岡本さん)のみゲスト出演のみの声優参加となっております

ペルシャ』で主題歌を歌う前から子役として活動されていたみたいですが、歌手デビューをされたのは本作からです

そして『ペルシャ』の放送の翌年(1985年)より本格的にアイドルデビューされています

 

見知らぬ国のトリッパー

見知らぬ国のトリッパー

  • provided courtesy of iTunes

 その後アニメOVA『臆病なヴィーナス(1986)』でヒロイン&主題歌を務め、ミュージカルや映画でも活躍をしますが1987年に引退することになります

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藤原理恵

超獣機神ダンクーガ(1985)』前期OP「愛よ ファラウェイ」/後期OP「ほんとのキスをお返しに

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藤原さんは戦争により母を亡くした戦災孤児の少女ローラ・サリバンを演じています

ローラはOPにも登場するほどのメインキャラクターであり、藤原さん演じるローラが歌う挿入曲「ハーモニーラヴ」は物語の重要な鍵を握る曲として度々使われます

藤原さんは本作が初声優作品の為ぎこちない演技が見られますが、その表現が逆に少女らしさを出していると感じます

 

愛よ ファラウェイ

愛よ ファラウェイ

  • 藤原 理恵
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 『ダングーガ』終了後はドラマなどにも出演され、1991年には青田典子さんを含む女性セクシーグループ「C.C.ガールズ」を結成してバラエティ番組などでも活躍されます

藤原さんといえば「C.C.ガールズ」をイメージされる方も多いかもしれませんね

現在は振付師や舞台演出助手として活動されております

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小幡洋子

魔法のスター マジカルエミ(1985)』OP「不思議色ハピネス」/ED 「あなただけ Dreaming

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『魔法の妖精 ペルシャ』の放送終了後にスタートした本作でデビュー(ぴえろ魔法少女シリーズ3作目)

小幡さんは本作の主人公である香月舞と変身後のマジカルエミを演じられています


『マジカルエミ』放送の翌年1986年には『天空の城 ラピュタ』のイメージソング「もしも空を飛べたら」も歌われています(本編未使用)

その後作詞活動など経て芸能界を引退、最近ではアクセサリーデザイナーとして活躍されいるそうです

 

宮里久美

メガゾーン23(1985)』主題歌「背中ごしにセンチメンタル」/挿入歌「風のララバイ

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メガゾーン23』はOVA作品であり、宮里さんは作品の重大な鍵を握るアイドル・時祭イヴを演じられ声優デビュー、そして主題歌「背中ごしにセンチメンタル」で歌手デビューされております

 

背中ごしにセンチメンタル

背中ごしにセンチメンタル

  • 宮里久美
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 更に翌年1986年に発売された続編『メガゾーン23 PARTⅡ』にもイヴ役として参加され、主題歌「秘密く・だ・さ・い」もアニメファンには人気な楽曲です

続編にも参加された宮里さんは、前作よりも演技・歌唱力ともにパワーアップされており、今後の活動も期待されておりました

 

秘密く・だ・さ・い

秘密く・だ・さ・い

  • 宮里久美
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 しかし、その後レコードを数枚出したりラジオでの活動をしていたのですが、1989年にラジオ番組を最後に芸能界を引退されます

 

秋本理央

剛Q超児イッキマン(1986)』挿入歌「ときめきセブンティー

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元々は本名である橋本清美でドラマなどに出演されていましたが、1985年に芸名を秋本理央へ変え『幻夢戦記レダ』主題歌「風とブーケとセレナーデ」で歌手デビューします

その翌年1986年に、TVアニメ『剛Q超児イッキマン』の桃江星子役で声優デビューされます

桃江星子は主人公・沢村一気の幼なじみであり、星子に想いを寄せる一気の告白を振りアイドルデビューするという役どころであります(そして挿入歌「ときめきセブンティーン」を歌われてます)

『イッキマン』放送後の1987年に当時プロ野球選手であった平野謙さんと結婚、これを機に芸能界を引退されます

現在は花教室「ヴェル デュール」を開き、フラワーアレンジメントをされておられます

 

秋本さんの場合、歌手デビューと声優デビューが同一作品ではなかったり、出されたレコードも『レダ』と『イッキマン』だけではありますが、記憶に残るアイドル声優だったので今回書かせていただきました

 

(秋本さんの結婚秘話や現在の生活について書かれているインタビューを貼っておきます、ちょっと感動モノです↓)

dot.asahi.com

 

志賀真理子

『魔法のアイドル パステルユーミ(1986)』OP「フリージアの少年」/ED「金のリボンでROCKして

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魔法のスター マジカルエミ』放送終了後にスタートした本作でデビュー(ぴえろ魔法少女シリーズ4作目)

志賀さんは主人公である花園ユーミを演じられています

アイドルになる前は子役として活動されており、『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞』の主題歌「夢の中の輪舞(ロンド)」でプレデビューしたのちに『パステルユーミ』で歌手・声優デビューされたとなっております

パステルユーミ』放送後はアイドルとして活動していましたが、1988年に芸能界を引退、翌年1989年にジャズの勉強の為にアメリカへと留学します

しかし1989年11月、アリゾナ州フラッグスタッフ市近くの高速道路上での不慮の事故により19歳の若さで永眠されました


初めてその事を知ったのは『パステルユーミ』に興味を持ち調べていた時で、その時は言葉にならないほど悲しい思いになった事を覚えています

生きておられれば50歳であったでしょう…お悔やみ申し上げます

 

"アイドル声優"と呼ばれる葛藤

現在のアイドル業界というのは熾烈な争いを展開しています

80年代もまたアイドル戦国時代でした

今回取り上げた歌手の方達も、なかなか成果を残せなかったり様々な事情で短い活動期間で終わった人もいます

また80年代アニメといえば世間的には【テレビ漫画】と呼ばれ地位も低く、子ども向けのコンテンツでありました

その為、山口百恵さんや松田聖子さんなどの正統派アイドルを目指してデビューしたはずなのに、アイドル声優と呼ばれることに葛藤していた方も多く存在します

しかしほんの数年…一曲一役の活躍かもしれませんが、その輝きが霞むことはありません

20年後、30年後、40年後も私の中では永遠のアイドルとして輝き続けるのです

 


 

ラブライブ!』や『アイドルマスター』など現代では当たり前となっているアイドル声優…80年代に多く誕生した事を知らない世代に伝えていくのも80年代アニメを愛する自分の使命であると感じています

その他にも現代のアニメでは当たり前となっているモノで80年代が起源であることは結構あります

今後、80年代アニメ起源のコンテンツなんかも紹介できればと思います

 

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