どうも、令和の時代でも80年代アニメ映画が映画館で観れることに喜びを感じるSATAトミオです
やっぱり映画館で観るのって良いですよね!
いつも観ている作品でも、映画館で観ることでそれを遥かに上回る体験できる気がします
2021年11月19日(金)より東京・テアトル新宿・EJアニメシアターほか映画館で「角川映画祭」が開催されます(全国順次上映予定)
「角川映画祭」とは、角川映画第1作目の「犬神家の一族(1976)」から45周年を記念して開催されるイベントであり、30作もの角川映画が映画館で上映されます
「犬神家の一族」「セーラー服と機関銃」「時をかける少女」といった角川映画の名作たちが劇場スクリーンで観れる…まさに神イベ!!
まさかまさか、こんなにも角川映画が映画館で観れるイベントが開催されるとは思ってもいませんでした
今回開催される「角川映画祭」には、80年代に制作された角川アニメ映画作品も多く上映されます
その中にはDVD化もされておらず中々滅多に観ることのできない作品もありますので、この神イベを逃すのはめちゃくちゃ勿体ない!
ということで今回は、「角川映画祭」で上映される80年代アニメ映画6作品を紹介しつつ、その魅力について書いていきます
幻魔大戦
『幻魔大戦』とは、原作・平井和正〈角川文庫版〉、石森章太郎の漫画(小説)をアニメ化し、1983年に角川春樹事務所・マッドハウスにより制作・公開された角川アニメ映画作品
"サイオニクサー"と呼ばれる超能力者と「幻魔」と呼ばれる敵との戦いを描いた作品です(監督・りんたろう)
ちなみに本作が、「角川アニメ映画」記念すべき一作目の作品であります
キャラクターデザインに「AKIRA」で知られる大友克洋さんを起用し、音楽監督にキース・エマーソンさん、主題歌にローズマリー・バトラーさんといった有名海外アーティストらも参加されています
この作品のストーリーをざっくり説明すると…
野球部の補欠メンバーになってしまいブルーな高校生の主人公・東丈が、ある日エスパー能力に目覚めてちょっとイキる。
最終的には「幻魔」と呼ばれる敵を倒すために、世界各地のいるサイオニクス戦士(超能力者)たちが集まるアベンジャーズみたいな話です
『幻魔大戦』というタイトルや超能力バトルと聞くと、一見めちゃくちゃファンタジー色の強いアニメらしい作品に思えるかもしれません
しかし、本作はアニメ映画というよりもむしろ実写映画に近い雰囲気があります
そして何より美術背景が素晴らしいです
丈が暮らす家や町の風景…そして新宿アルタや映画館周りなど、80年代当時の東京がリアルに鮮明に描かれています
ラジカセなどの電化製品もデフォルメされることなくリアルに描かれているので、アニメを観ているはずなのに実写映画を観ているかのような感覚に陥るのです
今でいうところの「昭和レトロ」の世界がリアルに描かれている作品は少ないので、当時の気分を追体験できるだけでも大変貴重な作品といえます
本作といえば、サイオニクス戦士(超能力者)らによるバトルシーンも必見です
中でもサイオニクス戦士(超能力者)がオーラを纏うみたいなあの演出…強キャラ感が出ていて良いですよね
そういった本作のエフェクトはアニメーターである金田伊功さんが担当されており、「金田パース」「金田ポーズ」といった独自のアニメーション技術を編み出し、その後のアニメ作品に多大な影響を与えています(エンディングにも、スペシャルアニメーションという肩書きでクレジットされています)
そしてクライマックスシーンでも、その金田画は健在であり、アニメーションが凄すぎて何が起きているのか分かりません
ただただ、めちゃくちゃ凄いのです
凄すぎてポカーンとなってしまう金田伊功さんがエフェクトシーンを是非観てください!
ちなみに本作には、クラッシック曲である「トッカータとフーガ ニ短調」が流れるシーンがあります
この曲、皆さんご存知の嘉門タツオの代表曲「チャラリ〜♪ 鼻から牛乳〜♪」の元ネタです
本作を初めて観た時、唐突に流れてくるあの「チャラリ〜♪」というメロディーが自分の中では本作一番の衝撃であり、終始笑い転げていました
初めて観られる方は唐突に流れてくる「チャラリ〜♪」のメロディーにも注目ください
カムイの剣
『カムイの剣』とは、原作・矢野徹の小説をアニメ映画化し、1985年に角川春樹事務所・制作により公開された角川アニメ映画作品(同時上映は『ボビーに首ったけ』)
育ての母と姉を殺され忍者として育てられた主人公・次郎が、実父の形見である〈カムイの剣〉を手に北海道(蝦夷)を旅をする江戸時代・幕末を舞台にした作品です(監督・りんたろう)
今回紹介している作品の中で個人的に一番好きな角川アニメ映画が、この『カムイの剣』であります
この作品のストーリーをざっくり説明すると…
育ての母と姉を何者かに殺された次郎は、殺害したと疑われ村人から追われる羽目に遭う。
そこで天海という男と出会い拾われ、忍者として育てられる。
やがて成長し、実の父や自分の出生の秘密について探る旅に出た次郎は、海を渡りアメリカ大陸にまで宝探しに行ちゃったみたいな話です
ストーリーを書き出すだけだとちょっと分かりづらいですが、ようは殺陣あり・西部劇あり・お宝ありの【忍者アクションスペクタル冒険アドベンチャー作品】です(更にわけわからん!)
まぁ、本作さえ観ていれば満足できるという冒険アニメのフルコースみたいな作品であり、次々と巻き起きる衝撃的の展開やドンデン返しの数々は観ていて飽きさせません
更に本作はキャラクターもすごく魅力がある作品です
主人公・次郎を演じるのは「ラスト サムライ」にも出演された俳優の真田広之さん…めちゃくちゃ上手く、自然な演技されています
その他にも、お雪役の小山茉美さん…オヤルル役の池田昌子さんなどの声優陣も素晴らしい演技をされていて必見です
そんな本作ですが、〔このキャラ、良いな〜〕と思ったキャラほど真っ先に死んでいきます
〔頼むから殺さないで!〕というこちらの願いを平気で裏切っていく…そんな非情さも『カムイの剣』の魅力でしょう
『カムイの剣』に登場するキャラクターは儚い命だからこそ華があると感じるので、是非観られる際はキャラクターにも注目ください
ストーリーやキャラクターも良いのですが、まず本作を初めて観た時に驚かされるのは音楽(劇伴)です
もうホント最強に素晴らしい、本作の音楽を聴くだけでお釣りがきます
バトル(アクション)シーンで流れる曲は[ハァッ!ソイヤ!サッサ!]といった合いの手が入ったりなど、聴いているだけで自然と高揚してくる感じが素晴らしいです
また楽器も和太鼓や尺八が使われていたりと、忍者が活躍する本作の世界観にマッチした和テイストな曲で盛り上げてくれます
(イメージとしては「NARUTO ナルト」の劇伴に近いです)
そんな本作の音楽を映画館で聴くことができる今回の神イベ(角川映画祭)は、最高の映画体験になるでしょう
観た人を驚かせる『カムイの剣』の音楽…作品とベストマッチした和の音楽を是非体感してください
ボビーに首ったけ
『ボビーに首ったけ』とは、原作・片岡義男の小説をアニメ映画化し、1985年に角川春樹事務所・制作により公開された角川アニメ映画作品(同時上映は『カムイの剣』)
周りの友達や妹から「ボビー」と呼ばれる高校生・野村昭彦のひと夏の青春を描いた作品です(監督・平田敏夫)
今回上映される角川アニメ映画の中で私が最も注目し観ていただきたいのが、この『ボビーに首ったけ』であります
この作品のストーリーをざっくり説明すると…
バイク好きの高校生・野村昭彦(ボビー)が同い年の女の子と文通するようになり、高校にも行かずバイトをしまくっていたら父親にめちゃくちゃ怒られて家出しちゃったみたいな話です
[親に縛られたくない、自分がしたいことで自由に生きていく]と思い、将来への期待と不安を抱きながらも何かを掴もうと葛藤する若者の姿が見事に描かれています
主人公ボビーを演じられているのは、前年の1984年公開の角川映画「メイン・テーマ」でデビューしアイドル的人気があった新人俳優の野村宏伸さん
本作が「声優 初挑戦」というやつなのですが…とにかく下手です
プロの声優ではない芸能人の演技なので大目に見たいところですが、それを差し引いても酷いと感じます
下手ってレベルではなく〔なんで主役に選んだ!?〕と制作陣の正気を疑いたくなるぐらいにヤバイのです(『カムイの剣』とは大違い!)
しかし、その演技こそがボビーの魅力であり、アニメ慣れした声優でなく新人俳優であった野村さんを起用した意図が作品終盤になるにつれ徐々に分かってきます
そして、いつしか【ボビー=野村宏伸】に見える瞬間が訪れるのです
(今ではボビー役は野村宏伸さん以外考えられません)
ぜひそんな下手だけど、どこか魅力のある野村宏伸さんの演技を観ていただきたいです
なぜ、今回の「角川映画祭」で最も注目するべき作品として、この『ボビーに首ったけ』を推すのかというと、視聴難易度がめちゃくちゃ高いからであります
今回上映される他のアニメ作品は、動画配信サービスやらDVDレンタルなどを駆使したら何ら問題なく観れる作品ばかりです
しかし『ボビーに首ったけ』だけは、そうはいかない!
本作は動画配信サービスでは配信されておらず、DVDレンタルどころかDVD化すらされていません
もし観ようとするならば、レーザーディスクやVHSという選択肢になってしまいます(恐ろしい)
そんな視聴難易度:鬼マックス な作品です
ですが、「角川映画祭」では観ることができる…
どこにいっても観ることができない本作が、まさか映画館で観れるというのはホント異常事態なのです
いかに今回の「角川映画祭」が神イベというのが分かるでしょう
この機会に逃したらホントいつ観れるか分かりません(それも映画館で観れる機会なんてこれが最後かも…)
『ボビーに首ったけ』を、是非劇場で!!
(↓ さらに『ボビーに首ったけ』について詳しく知りたい方はこちらご覧ください!)
時空の旅人
『時空の旅人』とは、原作・眉村卓の小説「とらわれたスクールバス」をアニメ映画化し、1986年に角川春樹事務所・制作により公開された角川アニメ映画作品(同時上映は『火の鳥 鳳凰編』)
未来から逃れてきた少年アギノ・ジロによって現代の高校生らが、東京大空襲や戦国時代などの過去にタイムトラベルする作品です(監督・真崎守)
キャラクターデザインに「ポーの一族」や「11人いる!」で知られる漫画家・萩尾望都さんを起用し、主題歌は竹内まりやさんが歌われています
この作品のストーリーをざっくり説明すると…
「テコ」とあだ名で呼ばれるマドンナ女子高生・哲子とその友達らがワゴン車内で話していると、突然未来から逃れてきた少年・ジロが乗り込んできて「タイムマシン」へと改造し、過去へとタイムスリップしてしまう。
東京大空襲や関ヶ原の戦いがある時代へとタイムスリップを繰り返し、そして巡り巡って安土・桃山時代まで来てしまったテコらは、本能寺で討ち破れる運命(歴史)である織田信長の未来を救い、無事に現代へ帰れるのか…?みたいな話です
現代の高校生らが戦国時代にタイムスリップして未来を変えようとする…現在の作品ではよくありがちな展開が繰り広げられるのが『時空の旅人』という作品であります
しかし、そのありがちな展開も角川アニメ映画作品である本作では、実写的であり独自の世界観を持った日本SF作品になっていると感じました
未来から逃れてきたジロは、自分がいる世界〈未来〉を変えるために〈過去〉を変えるべく、タイムスリップします
そんなジロを追う時間管理局員クタジマ・トシトも重要人物です(本作の敵ポジションでしょうか)
そして物語は、歴史を改変しようとする者(信長を救う派)と歴史の改変を阻止しようとする者(信長を救わない派)の戦いになり、どういった結末を迎えるのか⁉︎…というのが見どころになります
歴史のifストーリーってめちゃくちゃ魅力的じゃないですか、本作はそんな魅力を届けてくれる作品です
また、ジロと共にタイムスリップしたテコも過去の時代で出会った男性に恋をしたりして、ドラマティックな恋愛も描かれています
"歴史改変"と"時を超えた愛"…この二本柱が魅力なのが『時空の旅人』という作品なので、是非その辺に注目して観てください!
本作の映画主題歌「時空の旅人」「タイムストレンジャー 〜テコのテーマ〜」を歌われているのは、現在「Plastic Love」(プラスティック・ラヴ)を歌うアーティストとして、"City pop(シティポップ)の女王"として世界的な人気を集めている竹内まりやさんです
全歌詞英語で構成されている本作の主題歌はまさにCity pop(シティポップ)そのものであり、 アニメ主題歌にしてはめちゃくちゃオシャレな曲となっています
また劇中でも竹内まりやさんが歌われている主題歌が流れるシーンがあり、そこでのシーンは音楽の力もあって抜群に素晴らしいです
ちなみ本作が、竹内まりやさんが担当した初の映画主題歌となっており、これまでにアニメ主題歌を歌われた作品は『時空の旅人』だけになります
"City pop(シティポップ)の女王"のアニソンが聴けるのは本作だけ!…そういう意味でも大変貴重な作品ではないでしょうか
Manie-Manie 迷宮物語
『Manie-Manie 迷宮物語』とは、原作・眉村卓の短編小説を元にアニメ映画化され、りんたろう監督の「ラビリンス*ラビリントス」川尻善昭監督の「走る男」大友克洋監督の「工事中止命令」の3つの作品で構成されたオムニバス作品です
元々『迷宮物語』は、『時空の旅人』の併映として公開を予定し制作されていましたが、様々な理由からお蔵入りになります
その後、1987年に東京国際ファンタスティック映画祭で上映されたのちビデオソフトが発売され、1989年に映画館で一般公開されました
「ラビリンス*ラビリントス」
少女"さち"とネコの"チュチュローネ"が家の中でかくれんぼをしていると、鏡の中へと迷い込んでしまう。
そして、不思議な鏡の世界に迷い込んでしまったさちとチュチュローネは、奇妙なピエロと出会う。(監督・りんたろう)
本作は眉村卓の短編小説にはないオリジナル作品であり、『迷宮物語』の導入部にあたる作品です
不思議な世界に引き込まれた少女とネコが白塗りのピエロと出会い、サーカス小屋の中へと入っていきショーを見るように流れで次の「走る男」「工事中止命令」へと物語が進んでいきます
とまぁこんな感じの作品なのですが、あまり言葉で説明するのが難しい作品だったりします
鏡の世界では、昭和感ある路地裏やガイコツが乗る路面電車など不気味で奇妙な世界観が描かれていたり、なんとなく昔懐かしの雰囲気が印象的な作品です
しかし奇妙ながらも引き込まれる世界観は、アニメーションの豊かさもあって不思議と昔のディズニー映画を観ているような感じがしました
あまり台詞もないので、考えるな感じろ!の精神で和風ディズニーの世界観を楽しんでいただきたく思います
「走る男」
死の危険がある過激なレース「デス・サーカス」で"死神"、"不死身の男"とあだ名され10年近くトップの座を守ってきたチャンピオン ザック・ヒュー。
だが彼はレーサーとして既にピークが過ぎている中、過激なレースに挑んでいた。(監督・川尻善昭)
まるで「ブレードランナー」のような近未来的な世界が舞台の作品であり、過酷なデス・レースの中で狂気に取り憑かれた男が自己破滅していく姿が描かれています
その為、爆破飛散したりするなどの少しバイオレンス的な要素もある作品です(ほんの少しですけどね)
監督を担当されているのは川尻善昭さんであり、同じく川尻監督作品の「妖獣都市(1987)」と雰囲気もすごく似ています
(ちなみに、制作された順としては「走る男」の方が先なのですが、「迷宮物語」がお蔵入りなっていたことで、公開順としては「妖獣都市」(1987年4月19日)の方が先になります)
また本作の作画は、アニメーターでもある川尻善昭監督自らが描かれたシーンも多くあり、凄まじいほどの描き込みがされており作画ファンには堪りません
近未来のレースバトルが描かれていたりと、その後の近未来作品に影響を与えたと思われる本作…そんな本作の凄まじい作画と演出を是非観ていただきたいです
「工事中止命令」
ジャングルの奥地にある工事現場に現場監督として派遣された杉岡勉は、機械化されロボットしかいない現場に"工事中止命令"を告げるべく現場に乗り込む。(監督・大友克洋)
全てがロボットによりコンピュータ制御されていたシステムの中で、管理していたはずの人間がいつしか管理される側に落とされていくという不条理が描かれた作品であります
ちなみに本作が大友克洋さんの初監督作品であり、この時から既に他のアニメ作品には無い大友ワールドは確立されています
そして、本作の制作後の1988年に映画『AKIRA』が誕生するという流れです
そういった意味でも本作を観ていると、より『AKIRA』や他の大友作品が楽しく観れると感じます
本作には『迷宮物語』の中でクスッと笑えるシーンが描かれている作品であり、中でもロボットから提供される食事が日ごとにドンドン酷くなっていくシーンは笑えます
始めはパンにシチューと美味しそうな食事が出されるのですが、終盤になるとネジや機械部品にオイルがバワァー!とかけられた食事となり、とても人間が食べれる代物ではなくなっていくのです
とにかく終末感がすごくドンドン引き込まれていきます
主人公・杉岡が狂わされていく姿をご覧いただきたいです
本作は言わば機械のオートメーション(自動)化された工事現場を描いた作品であり、人工知能AIが活躍し始めた現代に、何か時代を危惧する様なメッセージにも感じます
工事を指揮するメインロボットは工事中止を命令しにきた杉岡を無視し続け、オーバーワークにより次々と機械がブッ壊れていく…その結末をお楽しみください
どちらかと言えば、3作品とも地味でマニアックな作品ばかりです
超大作のようなストーリーがあるわけではなく、華やかな作品ではありません
しかし、それぞれに三者三様の違いがあり、どれもアニメーションの新たな可能性を示した実験的な作品であったと思います
今のアニメに繋がる作品も多くありますので、玄人好みのアニメファンの方には是非観ていただきたいです
ファイブスター物語
『ファイブスター物語』とは、角川書店発行のアニメ雑誌「月刊ニュータイプ」で1986年より連載がスタートし今なお続いている作者・永野護の漫画作品
1989年に角川書店・制作により原作コミックの第1話をアニメ映画化した角川アニメ映画作品
惑星アドラーに降り立った美青年レディオス・ソープが、捕われの身となった人工生命体ファティマ・ラキシスを助け出そうする作品です(監督・やまざきかずお)
『ファイブスター物語』の連載がスタートした頃の角川というのは、本作が連載されているアニメ雑誌「月刊ニュータイプ」の創刊やライトノベル小説を取り扱う「角川スニーカー文庫」の創刊など、漫画アニメ関係に非常に力を入れていった時代であります
そして、漫画アニメ関係に力を入れる方針は今現在も続いており、『ファイブスター物語』は今の「KADOKAWA」を象徴する作品といえるでしょう
この作品のストーリーをざっくり説明すると…
幼い頃から知っている女の子がヤバいオッサンの奴ところにお嫁に行きそうなので、主人公の美青年が会場にまで乗り込んで連れ出そうとするみたいな話です
要約するとこんなストーリーであり、本作については説明するのがすごく難しいので、これぐらいの軽い気持ちで観ていただければと思います(自分もアニメしか観てないので詳しく説明できません)
それでもキャラクターが個性豊かでカッコよかったり可愛かったり、堀川りょうさんや川村万梨阿さんなどの80年代を代表する声優陣が参加されているので、作品知らなくても充分楽しめるのが『ファイブスター物語』という作品です
またアニメ映画化されているこのストーリーは原作コミックの第1話の部分なので、本アニメ映画を観てから原作に入るという楽しみ方ができます
先ほども書いたようにアニメ映画『ファイブスター物語』は、原作コミックの第1話をアニメ化した作品であり、作品導入部分が描かれています
そこで注目となるキャラクターが、主人公のレディオス・ソープと[ファティマ]と呼ばれる人工生命体のラキシス…この2人の物語なのです
ソープは友人のファティマ・マイト(ファティマを制作する科学者) バランシェの3人娘「アトロポス、ラキシス、クローソー」と幼い頃に出会い、ラキシスとは〔私、ソープ様のお嫁さんになる〕と将来共になる約束を交わすのです
そして成人したラキシスは、妹のクローソーと共に領主ユーバー・バラダに連行されてしまいます
バランシェから2人の救出を依頼されたソープ、そしてラキシスはソープが助けに来てくれるのをただ待つのでありました
実に愛くるしいと思いませんか?
こういった純愛ストーリーはやっぱり良いですね
しかしソープは、中々決意に踏み出せないでいました
ラキシスを自分のパートナーに迎え入れるということは、自分に課せられた厳しい運命を共に背負わせることになる…それではラキシスを幸せに出来ないのでは無いと葛藤します
そして、この葛藤の末に出すソープの決断が最高にグッとくるのです
アニメ映画『ファイブスター物語』は、ロボット作品だけなくそのように観ていただいても面白い作品だと思います
本作は「モーターヘッド」(MF)と呼ばれるロボットが登場するロボット作品なのですが、原作コミックの第1話を元に制作されている本アニメ映画ではそれほど多く登場しません
基本的にはキャラクター達によるドラマを中心に構成されており、「モーターヘッド」同士による戦闘シーンもラストにほんの僅かだけあるといった感じです
しかし、そのほんの僅かな戦闘シーンがエゲツないほど素晴らしく、メカの描き込みからアニメーションの動きまで何もかもが80年代アニメ最高峰のクオリティとなっています
もうめちゃくちゃカッコいいです!
「モーターヘッド」の重厚感あるアニメーション、そして黄金の「モーターヘッド」の圧倒的なパワーをご覧ください!
今回上映される6作品以外に80年代角川アニメ映画には、『少年ケニヤ(1984)』『火の鳥 鳳凰編(1986)』『宇宙皇子(1989)』などがあります
どれも素晴らしい作品なので、観られる機会があれば是非ご覧ください!
映画館・上映スケジュール【完全攻略情報】
ここまで「角川映画祭」で上映されるアニメ映画6作品の紹介をしてきましたが、開催される映画館・上映スケジュールも紹介しましょう!
作品ごとにカラー分けしていますので、予定を立てる参考にお使いください!
まず東京では「テアトル新宿」「EJアニメシアター」で上映されますが、「テアトル新宿」での上映スケジュールにはアニメ作品のありません
その為、東京で角川アニメ映画を観るなら「EJアニメシアター」だけとなります
しかし見てください、この上映スケジュールを!!
EJアニメシアター 上映スケジュール
ビッシリ! アニメ作品で埋まっているじゃないですか!?
一番上映回数が少ない『カムイの剣』でさえ、6回も上映される予定になっています
さらに、『幻魔大戦』りんたろう監督や『迷宮物語』大友克洋監督が登壇されるトークイベントの開催も予定されているのです(めちゃくちゃ羨ましい!!)
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— EJアニメシアター新宿🎬 (@EJAT_Shinjuku) 2021年11月6日
『#角川映画祭』
トークイベント開催決定!!
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開催日&ゲスト情報
①ゲスト:#りんたろう(映画監督)
日時:11/21(日)11:00『幻魔大戦』上映後
②ゲスト:#大友克洋(漫画家/映画監督)
日時:11/28(日)11:00『迷宮物語』上映後#EJアニメシアター新宿
詳細はhttps://t.co/QJlB0Jpawg pic.twitter.com/7fUeIjKjHr
関東圏だともう一つ、埼玉・所沢市のKADOKAWAが運営する複合施設「ところざわサクラタウン」でも上映されます
しかし、他の作品との兼ね合いで一作品あたりの上映回数も少なくなっており、『時空の旅人』と『迷宮物語』の2作品の上映もされていませんのでご注意ください
ところざわサクラタウン 上映スケジュール
関西では大阪にある「シネ・リーブル梅田」で上映され、関東圏よりも一ヶ月遅れの12月17日からの開催ですが、全作上映されるうえに一作品あたりの上映回数も4回以上確保されています(大晦日・正月にかけての年末年始期間の開催も嬉しいです)
シネ・リーブル梅田 上映スケジュール
今後、全国の映画館で順次上映されることがあるかもしれませんので、その時は私のTwitterの方で告知できればと思います
80年代角川アニメ映画は「エモい」
角川アニメ映画というのは、他のアニメ映画とかに比べれば少し地味なところがあります
超絶イケメンキャラや萌える美少女キャラも登場することがなく、必殺技をバンバン出し合うド派手なバトルシーンもありません
ぶっちゃけ、観なくてもいいんじゃね?なんて思えたりもします
しかし…
だからこそ、
角川映画って【エモい】ですよ
角川アニメ映画には、普通のアニメ映画にはない80年代当時の日本がそのままリアルに描き残されていたりと、常に違う路線でアニメ界に衝撃を与えてきました
アニメ映画をファンタジーとして描くのではなく、実写的な表現でアニメの新たな可能性に挑んだのが角川アニメ映画なのです
それはアニメ作品だけでなく、同じく80年代に制作された「セーラー服と機関銃」や「時をかける少女」などの角川(実写)映画もそうであり、たくさんの実写日本映画を作ってきた角川だからこそ描けるワールドがそこにあるのです
80年代…あの当時の全てをギュッと詰め込んだ角川映画はまさしく【エモい】作品であり、そんな作品が大きいスクリーンで観れるなんてホント貴重な機会であります
てか、角川映画は映画館で観てこそ本当の力を発揮するのです
もちろん、映画館で楽しむだけが全てではありませんが、80年代当時を追体験できるこの機会は逃してはいけません
私もアニメ作品はもちろん80年代の角川映画全てを観るつもりで参加したいと思います
(とりあえず、アニメ映画全作と「時をかける少女」だけは絶対にスクリーンで観たい!)
"80年代の青春"…そう呼ぶにふさわしい角川映画を是非劇場でご覧ください!
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