80年代アニメを知りたい! 伝えたい!

主に1980年代に制作されたアニメや関西で行われるイベントについてを20代の若造の視点で書いていこうと思います。

名作プレイバック第11回『キャプテン』過酷な努力に胸を打たれる野球ドラマ⚾️

どうも、また一つ歳を重ねてしまい若さレベルが下がったSATAトミオです

26歳になってしまったことで、そろそろ"若者"という言葉にすがり付くのも限界かな~と思う次第であります…

 

 

2020年9月9日にアニメ制作会社・エイケン公式Youtubeチャンネルが開設されました

そして開設記念として、エイケン制作の80年代アニメ『キャプテン』のTV版が期間限定で順次無料配信されています


【公式】キャプテン 第1話「キャプテン誕生」

 

開設されたばかりのエイケン公式Youtubeチャンネルを応援するべく…そして多くの方に本作を観てもらう為に、今回は『キャプテン』の魅力について書いていきます

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『キャプテン』とは、エイケン制作により1980年にTVスペシャルが放送されその後劇場版にもなり、1983年からはTV版が全26話放送された原作・ちばあきお氏の野球作品です

現在は本作の続編『キャプテン2』がグランドジャンプむっちゃにて連載中であり、作者のコージィ坂倉氏の圧倒的なリスペクトによって描かれています

 


1980年に初めてアニメ化されたということで、2020年の今年は『キャプテン』アニメ化40周年ということになります

また、アニメ化40周年を記念した特設サイトが制作会社のエイケンより公開されています

eiken-anime.jp

 

あらすじーー

地区大会でも一回戦で負けるほどの弱小校・墨谷第二中学校(墨谷二中)が全国屈指の名門校・青葉学院に挑み、強豪校へと成長していく過程を描いた物語です


本作は『キャプテン』というタイトルの通り、墨谷二中野球部のキャプテンにスポットを当てた作品であり、その為キャプテンが交代すれば主人公も変わります

大会が終わり三年生が引退し新キャプテンが決まり新一年生が入部する…この"世代交代"という概念こそが、他の野球マンガにはない『キャプテン』の大きな魅力であります

また墨谷二中の野球部には監督や顧問が存在しないので、キャプテンが苦悩しながら自ら答えを見出す過程も見どころです

 


私が本作と出会ったのは中学生の頃(約10年前)、たまたま観ていたCS放送で本作の劇場版が流れていたことにあります

当時は80年代アニメについてもさほど興味もなく、なんとなく観ているつもりでした

しかし、墨谷二中ナインのひたむきな努力と谷口キャプテンの熱い思いが私の心に火を灯し、釘付けになって観ていたことを思い出します

そして劇場版を観た翌日には、本作のマンガ(文庫本)を求めて本屋に買いに走ることになった思い出深い作品であります

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自分の根っこを作っているのは、中学時代の頃に観ていたCS放送であると改めて感じさせられる次第です

80sanime.hatenablog.com

 

谷口キャプテンが築き上げた墨谷二中

先ほども書いたように『キャプテン』には世代交代という概念がある作品です

そしてアニメ版には谷口キャプテン期丸井キャプテン期イガラシキャプテン期の3部作となっております

今回は物語の第一部にあたる、谷口キャプテン期について書いていきます

 


野球名門校・青葉学院から墨谷二中に二年生で転校してきた谷口タカオは野球部に入部します

谷口が野球部に入部すると"名門校からすごい選手が来た"と大騒ぎする墨谷二中ナイン

しかし谷口は、レギュラーはおろか2軍の補欠選手だったのです

優柔不断で気が小さい谷口はその事実を打ち明けることができませんでした

それでも期待に応えねばと父親の協力を得て猛特訓を重ねるのです

そして青葉学院のレギュラーに負けない実力をつけた谷口は三年生になり、影での猛特訓と嘘を見抜いていた先代のキャプテンから新キャプテンに任命されます

谷口の冴え渡る起点と陰の努力でチームを引っ張り、青葉学院にも負けない強豪校へと成長していきます


まず『キャプテン』という作品で思い浮かべるのが、この谷口キャプテン期ではないでしょうか

TVアニメ版以前に制作されたテレビスペシャルや劇場版も谷口キャプテン期を描いた作品でありましたし、『キャプテン』の魅力である"努力"という土台を作ったのも谷口キャプテン期であります

さらに谷口キャプテン期に登場した丸井やイガラシが、のちにキャプテンとなり【谷口イズム】を受け継いでいるのも熱いと感じる要素です

 


 
『キャプテン』には各キャプテン期ごとに様々なキャラクターが登場しますが、その中でも主人公ポジションにあたる4人を紹介していきます

 

谷口タカオ(cv.和栗正明)

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中学二年生の時に野球の名門・青葉学院から墨谷二中に転校し野球部に入部する

青葉学院に在籍していた頃は2軍の補欠であり守備も打撃も下手であったが、夜中の神社で猛特訓を重ね、青葉学院のレギュラーにも負けない実力をつけキャプテンに任命させる


谷口の魅力は"努力"、この一言に尽きると思います

青葉学院のレギュラーと間違われたことをきっかけに猛特訓の結果、実力をつけキャプテンとなった谷口は、キャプテンになってからも誰よりも練習に励みます

周りの期待に応える為に努力を重ねて、やがてその努力が墨谷二中ナインに伝染するわけです

努力する姿勢を背中で見せて引っ張る…これぞキャプテン・谷口の魅力であります

 

丸井(cv.熊谷誠二)

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谷口キャプテン時代の小柄な二年生のムードメーカー

先輩には礼儀正しく、後輩には大きく威張る…昔ながらの体育会系を象徴するキャラクター

努力家である谷口を誰よりも尊敬しており、谷口引退後に次期キャプテンとなる


始めは墨谷二中ナインの中でも野球が下手な選手で、イガラシがレギュラーになったことで控え選手に降格してしまいます

一年生にレギュラーを奪われたことでショックを受け悩みも抱えますが、そこから努力を重ねてレギュラー・キャプテンへと成長していく過程が魅力であります

 

イガラシ(cv.木村陽司(テレビシリーズ)/ 中田光利(劇場版)

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谷口キャプテン時代に新一年生として入部してくる

一年生ながらどこでも守れるユーティリティーな守備能力と高い野球センスを持っており、谷口の判断でレギュラーとなります

先輩問わず本心をズバズバと話す口調や一年生ながらもレギュラーになったことで、先輩からは疎まれます

それでも実力で先輩を黙らせるのだからカッコいいのです

丸井引退後に次期キャプテンとなる


作品序盤に新一年生として入部し三年生になるとキャプテンになるので、どのキャラよりも登場回数が多くて思い入れも強くなります

また、一年生の頃は生意気な態度が目立つキャラであったはずが、二年生…三年生、そしてキャプテンになったことで色んな事を学び、一番に成長を感じれます


イガラシには2歳下の弟がおり、のちに野球部に入部してくる(あだ名は「ジュニア」※ちなみにお笑い芸人・千原ジュニアの名前の由来でもあります)

 

近藤茂一(cv.中尾隆聖)

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丸井キャプテン時代に入部してくる大柄な新一年生

大きな体格から投げる球は速く、打撃も強烈な選手(しかし守備は苦手)

野球センスにはすごく自信があり、その為わがままな面が目立つことが多い

その姿にキャプテンである丸井が厳しいく指導するシーンが鉄板ネタとなっています(ザ・体育会系の丸井が激昂するから怖い)

 


その他にもライバルとして登場する青葉学院のエース・佐野や江田川中のエース・井口など、ライバルも同じように成長していると感じさせられる描写があり作品を盛り上げてくれます

 

墨谷二中vs青葉学院 ジャイアントキリング

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本作を語る上で欠かせてはいけないのが【ジャイアントキリング】…番狂わせであります

谷口が入部するまでの墨谷二中というのは、一回戦を勝つのがやっとな程の弱小校でありました

谷口がキャプテン就任後は、谷口の起点などで順次に勝ち上がっていくのでありますが、全国屈指の名門校・青葉学院と対決することになります

弱小校と名門校…試合の勝敗は決まっていると半分諦めている墨谷二中ナインに谷口は、過酷な練習スケジュールを組み、打倒!青葉学院を掲げて挑むのです

特訓に特訓を重ねボロボロになったユニフォームを身に纏う墨谷二中ナイン

そこにはかつての弱小校の面影はなく、名門校である青葉学院にも食ってかかるのです

その姿は正しく"GIANT KILLING(ジャイアントキリング)"

そして試合の展開は誰もが予想だにしなかった方向へと向かいます(初めて観た時にリアルに〔エッーー!〕って言ったのを覚えています)

墨谷二中の運命…そして、谷口キャプテンの運命はいかに!

気になる試合の結果は、本編をご覧ください

 

時代錯誤こそ、昔のアニメの良さ

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『キャプテン』という作品は80年代に放送されたアニメではありますが、原作自体は70年代…80年代よりも少し前の作品になるわけです

その為、町の至る所にある煙突からは煙が立ち込め、谷口の住む家は長屋であったりします

そして、軽い体罰なら平気で行われたりと今の時代に反しているシーンも数多くあります


昔のアニメシーンであれ、時代に反した描写があればSNS上で叩かれることもある現代

 

だからこそ、観ていただいたいのです!

 

過酷なしごきや体罰なんて、今の時代から見れば間違いかもしれません…

しかし、当時としたはそれが当たり前であり、だからこそ生まれるドラマもあったわけです

『キャプテン』で描かれている世界とは、そういった世界であります

そういった時代に反したシーンの中で、当時の人達は輝いていたことを忘れてはいけません

 

過去の行いを叩くのではなく、当時の時代背景をしっかりと理解して考えることも必要です

もちろん過去を美化するのではなく、それらの行いが間違いであったことを再確認する為にも歴史的な資料として観ていただければと思います



あえて難しいような解釈で語りましたが、シンプルに努力する谷口や墨谷二中ナインの活躍を楽しんで観てもらいたい作品です

何より中学生である彼らはとても"輝いている"のあります

 


若い日はみんな 何かを目指せ

秘めた力 自分じゃ分からないよ

夢は大きく持とう

そうだ とびきりデカく!

(『キャプテン』OP「君は何ができる」より)


若いって…青春って、いいね(泣)

 

TV版『キャプテン』、エイケンYoutubeチャンネルにて順次無料公開!【期間限定

www.youtube.com

 

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今後も他の作品の無料配信があると予想されます

この機会にチャンネル登録をしてみてはいかがでしょうか!

www.youtube.com

 

前回の【名作プレイバック】↓

80sanime.hatenablog.com