ついに劇場版『GのレコンギスタⅠ』「行け!コア・ファイター」が11月29日(金)より2週間限定上映でスタートします
やはり自分よりも若い世代の人に本作を観てもらう為に活動するのがオールドタイプである私の使命ではないかと感じています
前回は関西最速試写会で観た感想をストレートに書きましたが、今回は劇場版Gレコを客観的に見て、【なぜ、劇場版Gレコを観る必要があるのか…】をさまざま視点から考えていきたいと思います
劇場版富野作品は総集編の歴史
まずは過去の劇場版富野作品の歴史を振り返りながら劇場版Gレコと比較していきたいと思います
劇場版富野作品は以下の通りです
・劇場版富野作品一覧
機動戦士ガンダム(1981)
機動戦士ガンダムⅡ 哀戦士(1981)
機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙(1982)
伝説巨神イデオン 発動篇(1982)
ザブングルグラフィティ(1983)
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988)
機動戦士ガンダムF91(1991)
∀ガンダムⅠ 地球光(2002)
機動戦士ZガンダムⅡ 恋人たち(2005)
意外少ないなぁというの印象ですね
『海のトリトン(1979)』も映画化されていて一応富野作品であるのですが、富野監督は映画の製作には関わられていないらしいので除外しています
太字にしているモノとしていないモノの違いがわかりますでしょうか
2つの違いは…
太字にしているモノ→総集編(再構築)映画
太字にしていないモノ→完全新作映画
ということです
ここで注目すべきは、完全新作アニメ映画はたったの3本(イデオン発動篇は明確に言えば違いますが)であり、その他は全てTV版を元に作られた作品だということです
そして劇場版『GのレコンギスタⅠ』「行け!コア・ファイター」もTV版を元に作られています
つまり劇場版富野作品の歴史は、【再編集・再構築】の歴史であり、最も得意とするフィールドだということです
TV版を再構築された作品を振り返り、改めて確認してみましょう
機動戦士ガンダム (TV版:#1〜12)
機動戦士ガンダムⅡ 哀戦士(TV版:#13〜31)
機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙(TV版:#32〜43end)
ザブングルグラフティ(TV版:#1〜50end)
∀ガンダムⅠ 地球光(TV版:#1〜27)
機動戦士ZガンダムⅡ 恋人たち(TV版:#15〜32)
作品の上映時間が一時間半ぐらいで、収録話数が1クールを超えるものを再構築して作られています
その中でも「イデオン接触篇」や「ザブングルグラフィティ」は約3,4クール分を一時間半で駆け抜けるのでTV版を観ていない人には情報量が多くて大変ですね
そして『劇場版 ガンダム Gのレコンギスタ』の第1章では、TV版の#1〜5に相当します(上映時間、約一時間半)
今までの劇場版富野作品にない異例の短さです
GレコのTVシリーズの放送が終了し、映画化が噂されていた頃、自分は二部作あるいは三部作でされると思っていました
ですが5部作と発表され、疑問に感じていたのですが第1章の収録話数の短さを聞いて腑に落ちました
今回の劇場版は、より濃厚に細かい部分にまでこだわりぬいて作られているのがわかります
声優の成長こそ、劇場版の真骨頂
劇場版になるということは、当然新規アフレコが行われるワケです
世の中に数多くの総集編アニメがあり、新規アフレコをされた作品がありますが、"声優の成長"というものをこれほどまで感じれるのは富野作品ぐらいだと思います
TVシリーズ作品というものは生モノであり、放送クールが長い作品だと徐々に変化し、作り上げていくものであります
特に新人声優の演技に関しては第1話と最終話ではまったくの別物であったりします
TV版のベルリ・ゼナムを演じられた石井マークさんの演技がそうでした
TV版に参加された時は、主演作品をされたことのない新人声優であり、第1話のアフレコ時に富野監督に愛のムチという名のダメ出しがあったと聞きます
第1話の演技もまだまだ未完成品という感じがありました
そこから徐々にイメージを作り上げ、素晴らしい主演声優へと成長していきます
そしてTV版が終わった後は、他の作品でも声優としての経験を積んでいきました
更に1年に一回はゲームなどでベルリを演じられ、より磨きがかかった状態で劇場版に帰ってきます…
それはまさに"強くてニューゲーム"状態です!
実際に劇場版(特にTV版第1話の部分)でのベルリの演技は感動するぐらい違います
声に覇気があり、自信に満ち溢れた演技をされています
TV版を観られた方は声優の演技の違い・成長というのも大きな見どころだと思いますので、是非注目してみてください!
冒頭3分に込められた思い
劇場版『GのレコンギスタⅠ』「行け!コア・ファイター」の本編冒頭3分の映像が、現在Youtubeにて配信されています
冒頭シーンといえば物語の導入部分であり、作品のカラーを示す重要なポイントともいえます
そんな冒頭部分が劇場版では、TV版の第1話の印象から大きく変わる作りになっています
これが劇場版Gレコが、TV版とはまったくの別作品だと感じる象徴だと思います
自分も試写会で観た時に劇場版の冒頭シーンのインパクトが大きかったです
何よりも、冒頭で〔TV版と違うんだ〕と思わせてくれたのがすごく嬉しかったですね
劇場版冒頭3分↓
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」冒頭3分【ガンチャン】
この冒頭3分映像は富野監督たっての願いで公開されることになったそうです
富野監督は冒頭シーンのことを「スッと物語に入ってくるようにできた、TV版ではそれができなかった」と仰られていました
もし今回の劇場版Gレコってどうなの?と思っている方は、TV版の第1話の冒頭シーンと配信された劇場版冒頭3分映像を是非比較してみてください
TV版を観た人は違いを感じ、初めて観る人にはここから始まる世界にワクワクするはずです
観ていただけると今回の劇場版Gレコが別作品のように感じるという意味がわかっていただけると思います
TV版第1話前編↓
見なければ何もわからない
結局のところ感情的に押し切ったような記事になってしまいましたが、そんなに間違った事を書いているとは思っていません
『Gのレコンギスタ』は世界観の設定など一度観ただけでは全貌が掴めず、よくわからない印象を受ける作品です
TV版を観た方もよく分からずに終わってしまったという印象を受けている人も多いと思います
しかしそういう人にこそ劇場版は観ていただきたい!
知っているでしょうか、ガンダム作品や富野作品は二度目が一番面白いことを!(個人的感想です…)
一度目に観た知識と二度目に得る新たな知識がマッチして、作品への理解度を深め、初めに観たときよりも2倍も3倍も面白くなるわけです!
TV版にはTV版の魅力があり、劇場版には劇場版の魅力がある…
2つの違いを感じながら観れると思えばこんな幸せなことはありません
また劇場版Gレコの公開期間中には兵庫県立美術館にて『富野由悠季の世界』展が開催されています
劇場でGレコを観た足で『富野由悠季の世界』神戸会場を観覧するというのもオススメできます(ここで過去の劇場版富野作品を振り返るとすごく面白いですし、また劇場版Gレコの新しい魅力に気付いくかもしれませんね)
いよいよ、公開間近…
【再構築】・【声優の成長】というのは今までの富野作品が辿ってきた歴史です
それに加えて【冒頭3分への思い】という要素が加わった新しいGレコを是非劇場で体感してください!
元気のGは 劇場のG!
ロボットアニメで目指すだ‼︎
Gのレコンギスタ‼︎
ベルリとアイーダの冒険はすごいぞ‼︎
見てくれる君へ、感謝の心を!
劇場版『GのレコンギスタⅠ』「行け!コア・ファイター」
上映期間:11月29日(金)〜12月12日(木)【2週間限定上映】
また劇場版公開当日より各動画配信サービスにて配信(セル版・レンタル版)もされます
詳しくは公式ホームページを確認ください
映画館と配信…どちらでもお楽しみください!