復活の『富野由悠季の世界』展!
先日、新潟県で開催されている『富野由悠季の世界』新潟会場に行ってきました
2021年5月に閉幕した青森会場から約半年…あの伝説の富野展が再び帰ってきました
今回開催されている新潟会場は、全国6会場での巡回展の好評・声援により新たに追加された第7番目の開催地となっています
新たに再始動した富野展ということもあり、新潟会場でしか見れない展示や会場限定グッズなど過去会場にはなかった魅力がたっぷりありました
そんなわけで、今回は『富野由悠季の世界』新潟会場の魅力を全力で伝えていく記事です
行かれる予定がある方、そして既に行かれた方もまた行きたくなるような新潟会場の魅力をたっぷりと伝えていきたいと思います!
『富野由悠季の世界』新潟会場とは、新潟県・新潟市新津美術館で開催されている巡回展です(過去の開催地:福岡・神戸・島根・静岡・富山・青森)
開催期間は2021年9月4日(土)〜2021年11月7日(日)までとなっております
そんな新潟会場は、緊急事態宣言の発令・新型コロナウイルス感染拡大防止の為、開催初日の9月4日(土)〜9月16日(木)までの約2週間臨時休館となり、幸先の悪いスタートとなってしまいました
私も新潟会場へのはやる気持ちを抑え、緊急事態宣言が解除された10月より新潟の地に赴いたわけです
『富野由悠季の世界』新潟会場が開催されている新潟市新津美術館へのアクセスは、JR古津駅から徒歩約25分/JR矢代田駅から徒歩約35分(タクシー約5分)、JR新津駅からタクシー約15分と駅からは結構離れた場所にあります
またJR新津駅・JR矢代田駅には美術館近くを通るバス停があり、ご利用をオススメします
電車もバスも基本的に本数は少なめ(1時間に1本程度)なので、遠方から来られる方はレンタカーやタクシーなど車での移動も良いかもしれません
(ちなみに関西から飛行機を利用し電車・バスを乗り継いで美術館に辿り着いた私は、朝9時半に新潟空港に着き、目的地の新潟市新津美術館に到着したのは昼12時という約25キロ間を2時間半かけて移動するのでした)
ズバリ言います!
車移動、マジで大事!!!
そんなわけで美術館近くのバス停に到着し、開催地である新潟市新津美術館にやってきました
美術館の隣には植物園があるということもあり、自然豊かな地で『富野由悠季の世界』新潟会場は開催されております(イメージとしては「機動戦士Vガンダム」に登場するウッソの故郷・カサレリアに近いかも)
さぁ、約半年ぶりの『富野由悠季の世界』…
果たして復活した富野展はどのような変化があるのか…?と期待に胸躍らせながら美術館内に入っていきました
美術館内に入った途端、伝わってるこのプレッシャー…
間違いない、奴だ、奴が帰ってきたんだ!
!富野展が帰ってきたんだ!
白いエントランスホール正面から入ってすぐに見える景色が素晴らしく、ダイターン3立像などのフォトスポットや頂上で輝く大きくプリントされた富野監督の御尊顔…
『富野由悠季の世界』に魅了されたあの頃の感覚が一気に甦ってきました
(2階エリアから撮った写真です)
これより展覧会場内について書いていきましょう
当ブログでは、作品の展示場所を記した「会場マップ図」というものを(非公式で)書き、これまでに開催された6会場全てをレポートしてきました
会場ごとに微妙な違いがあり、それを伝えてこその富野展レポート記事…これを書かなくして当ブログのレポート記事とは呼べません
今回の新潟会場でも懲りずに「会場マップ図」を書いてきましたので、是非見ていただきたい!
これが颯爽たる復活を遂げた『富野由悠季の世界』新潟会場の全貌だ!
まだだ!まだ(富野展は)終わらんよ!!
これまでに色んな会場を回ってきて私ですが、新潟会場も驚きの連続でした
展覧会場に近くにカフェ(スペース)があるぞ!?
もちろん、今までの会場(美術館)にもカフェスペースはありましたが、こんなにも展覧会場近くにあるのは初めてでした
会場近くにカフェスペースが併設されているということで、第2会場前に一息休憩するか…観覧後に余韻に浸るかなど、様々な使い方ができるでしょう(入場時に割引券も貰えますので是非ご利用ください!)
新潟会場は、富野展でもお馴染みになりつつある第1会場・第2会場に分かれての展示となっています
展覧会入場の流れとしては、まず初めに美術館に入ってすぐのエントランスホール近くにある入口カウンター(受付)でチケットを購入します
そこから正面の階段を登っていき、2階にある富野監督の御尊顔に癒されたあと、左舷(左側)にある第1会場へと入場するという流れです
会場順路も一本道になっているので、進行ルートに迷うことなく観覧できて素晴らしいと感じました
更に展覧会場内の所々にイスが配置されているので、少し疲れて休憩したいと感じた時にすぐに座れる場所があるのは良かったです
(過去会場のマップ図ついては、ブログ一番下にある各会場のレポート記事より見ることができます)
まずは過去会場から変わった点について少し書いていきます
新潟会場をひと回りして最初に気づいたのが、過去会場よりも展示数は少しだけ減っているということです
例えば、タブレットを使っての逆シャアの絵コンテ全編展示、「アニメができるまで」「リング・オブ・ガンダム」「レコード・CD、小説」の展示などが無くなっており、展示スペースの関係で規模が縮小されている気がしました
そして、富野作品の映像を複数のプロジェクターから四方に掃射し、独特の世界観が作り出される(通称【この世界を風景のーDive】)エリアも新潟会場では見ることができませんでした
すぎやまこういち先生が作曲・編曲された映画『伝説巨神イデオン』のテーマ曲「海に陽に」が流れるこのエリアは、富野展の中でも特に好きなエリアだったので新潟会場でも観たかったですね
しかし、展示エリアや展示品数が少なくなった事で重要な展示に目が向きやすくなり、より濃密で洗練された会場になっていると感じました
元々『富野由悠季の世界』は展示品数が3000点以上ある展覧会で、多すぎて見切れないという点もありましたので、展示物が厳選された新潟会場は全体的にすごく観覧しやすかったです
他にも新潟会場には、富野作品のポスターがズラッと貼られているエリアがあったり、過去会場では展覧会場内から離れたスペースで上映されることが多かった「しあわせの王子」が、新潟会場では進路内に配置されていたのも嬉しく感じます
まぁこういった話は過去会場を回ってきた富野展大好き野郎の小言なので気にしないでください
これより新潟会場ならではの魅力について更に深掘りしていきたいと思います
幻の富野アニメ「A POINT」
新潟会場では、これまでに開催してきた過去6会場にも無かった目玉展示があります
それは、初の監督作『海のトリトン(1972)』が製作される以前に、企画・絵コンテを富野監督自らが手掛けながらもお蔵入りになった"幻の短編映像作品"の展示です
短編映像作品のタイトルは……
「A POINT」
こちらの作品は1967年2月頃、富野監督が虫プロダクションに在籍されていた頃に、その年の秋に開催される"アニメーションフェスティバルへの参加"を目的に製作されていた作品でした
しかし富野監督は1967年3月に虫プロダクションを退社…その後も制作を模索されていたみたいですが、映像化は実現することがなかったとのことです
私自身、富野監督については10年ぐらい追い続けそれなりに知っているつもりでしたが、お蔵入りになった短編映像作品があることなど全く知りませんでした
それもそのはず、本作の資料は今年(2021年)になって富野監督自宅の倉庫から発見され、今回の展示に至ったそうです
つまり本作は、今まで富野家の倉庫(マウンテンサイクル)に眠り続け語られることがなかった初公開となる資料ということになります(過去にどこかで公開されていたらすいません!)
富野ファンの皆様、この展開…熱くないですか?
そんな"幻の短編映像作品"「A POINT」の気になる作品内容ですが…
ざっくり説明すると、太平洋戦争下の日本を舞台に、爆撃機B29の襲撃に遭う東京で暮らす少女(5才)、原子爆弾が投下される長崎で暮らす少女(8才)と少年(8才)…この2つの視点を少女らの瞳を通して描く内容でありました
会場では本作の企画書・キャラクター設定、そして約2分間分の絵コンテ全編が公開されており、物語の悲劇さが絵コンテを通して脳内映像となり伝わってきます
もうねぇ…絵コンテを一コマ一コマ追うだけで涙が出てきそうになりました
あるはずであった少女の成長…そして未来、それらが一瞬にして奪われていく惨さが、当時「さすらいのコンテマン」として名を馳せ始めていた富野監督の手によって描かれています
この凄まじさは現物を見ないと伝わってきませんので、本邦初公開となる"幻の短編映像作品「A POINT」"の展示を是非ご覧ください
マジでこれだけの為に新潟会場に来る価値はありますぜ!
(こちらの展示は2021年11月より開催される札幌会場でも展示される予定ですので、どちらかの会場でご覧いただきたく思います!)
富野展だけじゃない!新潟県で見れる、もう一つの展覧会
『富野由悠季の世界』新潟会場が開催されている新潟県では、富野監督にも大きく関係しているアニメ映画監督の展覧会が開催されています
それが新潟市から少し離れた新潟県長岡市で開催されている「高畑勲展」です
・新潟県立近代美術館[2021年9月18日(土)~11月14日(日)]
高畑勲展とは、「太陽の王子 ホルスの大冒険(1968)」や「アルプスの少女ハイジ(1974)」や「赤毛のアン(1979)」や「火垂るの墓(1988)」などで知られる日本アニメ草創期から日本のアニメーションを牽引し続けたアニメ映画監督・高畑勲さんが手掛けた作品の制作ノートや絵コンテなどを展示した巡回展であります
高畑監督は東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、Aプロダクション、日本アニメーションなど様々なアニメ会社を渡り歩き、そしてスタジオジブリを設立し、戦後の日本のアニメーションの礎を築く作品を次々と世に出し続けたアニメ監督です
そんな高畑監督の作品には富野監督も参加されており、大きな影響を受けているとインタビューなどでも語られています
そして『富野由悠季の世界』会場内には、富野監督が担当し高畑監督により修正指示が加えられた「赤毛のアン」の絵コンテが展示されており、細部までこだわりがつまった絵コンテの修正指示は必見です
(「高畑勲展」にも、富野監督が担当された「アルプスの少女ハイジ」の絵コンテが展示されています)
「高畑勲展」が新潟県で開催されているということで、私も新潟県立近代美術館に来館し観覧させていただきましたが、こちらの展覧会も膨大な資料の数々と作品内で使われた絵コンテやレイアウトの質の高さに圧倒されました
こちらの展覧会もホント凄かったです
『富野由悠季の世界』新潟会場とは展示方法にも違いがあり、その辺も見比べることで楽しんでいただけると思います
『富野由悠季の世界』新潟会場が開催されている新潟市新津美術館と「高畑勲展」が開催されている新潟県立近代美術館では、車で約1時間ぐらい離れた距離にあります
虫プロ出身の富野監督と東映動画出身の高畑監督…この2つの展覧会が同じ時期に開催され、両方を同日に巡れる新潟県はとんでもなく凄いということです
そして「高畑勲展」と『富野由悠季の世界』新潟会場…2つの展覧会チケットをどちらかの会場受付で提示するとオリジナルステッカーが貰えるキャンペーンもしております
同じ時代を生き、日本のアニメーションを牽引してきた両監督の展覧会を見比べることで新たな発見もあると思いますので、是非どちらの展覧会も楽しんでください!
トミノ映えする限定グッズ「浮き星」
『富野由悠季の世界』新潟会場の魅力の一つに会場限定のグッズも挙げられます
新潟会場限定のグッズだけで8種類25アイテムがあり、これは『富野由悠季の世界』過去最多の会場限定グッズ数です
(詳しくはこちらから ↓)
「シャア専用砂時計」や「ニュータイブ専用下駄」や「ゴッグ爪トング」といったユニークたっぷりな新潟会場限定のグッズがありますが、その中でも私がオススメしたいのが新潟の伝統的なお菓子とコラボした「浮き星」でございます!
「浮き星」は、新潟市で1900年に創業のお菓子屋さんで作られている新潟の伝統的な星型のお菓子です
お湯の中に入れると自然に浮いてきたり、アイスクリームのトッピングしたりなど「浮き星」の楽しみ方には可能性しかありません
そんな「浮き星」とコラボした『富野由悠季の世界』新潟会場では、富野作品がプリントされた特製缶入りで発売されており、なんと全10種類もございます
「#富野由悠季の世界」新潟会場限定コラボ商品紹介😊PART6💙
— 新潟市文化・スポーツコミッション (@ncsc20131025) 2021年9月22日
浮き星~富野由悠季監督作品~浮き星それぞれのついているタイトルに注目❤️🧡💛#新津美術館 pic.twitter.com/mb1mKXgRhk
・星になる(無敵超人ザンボット3)
・大人の時間(機動戦士ガンダム)
・魂の共鳴(機動戦士ガンダム)
・幸せになろう(伝説巨神イデオン)
・ヒカリ(戦闘メカザブングル)
・甘い夜に(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)
・キスの味(∀ガンダム)
・背中のぬくもり(OVERMANキングゲイナー)
・空中散歩(リーンの翼)
・富野監督Ver.
特に富野監督がプリントされた「浮き星」は新潟会場が開幕してすぐに一時売れ切れになるほどの人気商品です
「浮き星」とのコラボが素晴らしいのは単に缶の絵柄違うだけでなく、いちご・柚子・ミントといった味の違いがあったり、それぞれ作品に合わせたタイトルがついているところにあります
(このタイトルが実にエモく、作品にベストマッチしていて良いんですよ!)
そして食べ終わった後には小物入れにしたり、飾っとくだけでインテリアとしても使えるこの扱い方… YESだね
私も全10種購入させていただきましたが、並べているだけでプルプル~🎶と気分が高まりますので、全10種買う価値のある商品だと思います
その他にも過去会場で販売されていたグッズもございますので、観覧後にはお買い物もお楽しみください!
『富野由悠季の世界』新潟会場 開催記念として、新潟市内にある映画館「T・ジョイ新潟万代」では『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が上映されています(上映期間:2021年10月15日(金)〜10月21(木))
『逆シャア』がスクリーンで観れる機会もそんなに多くは無いので、新潟会場に行かれる方は映画館に足を運んでみてください!
【作品情報】
— T・ジョイ新潟万代 (@tjoy_bandai) 2021年10月16日
絶賛上映中!
特別上映『 #機動戦士ガンダム #逆襲のシャア』
10/16(土)~10/21(木)[19:00上映開始]
鑑賞料金:一律1,200円#新津美術館 で開催中の「#富野由悠季の世界」では『逆襲のシャア』の絵コンテやセル画を展示しています。ぜひ併せてお楽しみください♪ pic.twitter.com/CGxgq2w7OK
追加開催だから、やるんだろ⁉︎
今回開催されている新潟会場は、追加開催された会場ということもあり、過去6会場の展示スタイルとは少し違った会場だったと感じています
(ゲームで例えるところの「EXTRA(エクストラ)ステージ」という感じの位置付けでしょうか)
しかしその中でも、地元企業とコラボした会場限定のグッズや今会場初公開となる「A POINT」の展示など、新潟会場ならではの魅力が詰まった『富野由悠季の世界』でありました
追加開催だからこそできる魅せ方があり、過去会場に行かれた方も楽しめる会場であると思います
新潟会場の開催終了後には、札幌会場の開催が予定されています
公式サイトやTwitterの方で札幌会場以降の開催については今のところ何もアナウンスされていませんので、もしかしたら札幌会場が『富野由悠季の世界』の最終開催地になるかもしれません
そういった想いを抱きながらも札幌会場に足を運び、またレポート記事を書ければと思います
それでは皆様、ご機嫌よう
↓ブログの更新情報はTwitterからも発信しております
今度、「富野由悠季の世界」を元に制作されたドキュメントムービー「富野由悠季の世界 ~Film works entrusted to the future~」のBlu-ray&DVDが2022年2月25日(金)に発売されます
「富野由悠季の世界」を企画された学芸員たちのインタビューや富野作品に携わったクリエイター方のインタビューなど、富野展の魅力に迫ったドキュメンタリー映像が収録されている富野ファン必見のアイテムです
そしてBlu-rayには、各会場で開催された富野監督によるトークイベントや対談なども特典として収録されています
早期予約特典などもありますので、是非チェックしてみてください!
2022年2月25日『富野由悠季の世界』Blu-ray&DVD発売決定!
— 富野由悠季の世界展 (@tominoexhibiti1) 2021年9月17日
本展の魅力に迫るドキュメンタリー映像を制作中!
BD早期予約特典には「【オープニング記念トーク】富野由悠季とは何者なのか?」BDが付属!
予約締切:2022年1月18日※通販限定販売
PB:https://t.co/BzglMBSYTP
A-on:https://t.co/TDEyj1ZktR pic.twitter.com/JbA550E3n8
「富野由悠季の世界」新潟会場
会期 2021年9月4日(土)~11月7日(日)
会場 新潟市新津美術館
過去の会場レポートはこちらから