どうも、今一番観たい…そして映画館で観たい80年代アニメが『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』なSATAトミオです
『ビューティフル・ドリーマー』マジで映画館で観たいですね~
少し前までは「GG映画祭」というイベントで『ビューティフル・ドリーマー』が映画館で観れる予定だったのですが、2021年始めからの緊急事態宣言により延期…いつイベントが開催されるか分からない状況になりました
もともと、『うる星やつら』TVアニメ版を2020年11月より視聴しており、作品前半部分となるスタジオぴえろ制作の第1話〜第129話までを先日見終えていました
そして、スタジオぴえろが制作した劇場版『ビューティフル・ドリーマー』を映画館で観てから、作品後半部分となるディーン制作の第130話〜218話を観ていこうと思っていた次第です
それが叶わなくなってしまった今、待っていてもイベント開催の目処が立たないのなら『ビューティフル・ドリーマー』を飛ばして後半戦のディーン版を観ていこう思うのです
しかし、ぴえろ版『うる星やつら』の素晴らしさをブログに書かないで先には進めない…ぴえろ版『うる星やつら』の魅力について書いておく必要があると感じました
というわけで今回は…
「これだけは観てほしい!『うる星やつら』MYベストエピソード inスタジオぴえろ」を開催します
アニメ『うる星やつら』に興味はあるけど、話数が多くて手をつけるキッカケがない…そんな方に向けて今回はお送りしたいと思います!
スタジオぴえろ版『うる星やつら』とは…
まずは『うる星やつら』について簡単に説明します
『うる星やつら』とは、1978年より週刊少年サンデーで連載され、1981年にアニメ化し全218話(配信サービス表記だと全195話)放送された高橋留美子原作のラブコメディ作品です
アニメ『うる星やつら』は全218話放送されましたが、前半・後半とで異なるアニメ制作会社により制作された作品であります
・前半の第1話〜第129話(配信サービス表記だと第1話〜第106話)までを「スタジオぴえろ」
・後半の第130話〜218話(配信サービス表記だと第107話〜第195話)までを「ディーン」
2つの異なるアニメ制作会社が制作に携わっている為、前半と後半では大きく作風の違いが出ていると語られております
スタジオぴえろ制作『うる星やつら』は、チーフディレクターを『パトレイバー』シリーズや『攻殻機動隊』の監督として知られる押井守さんが担当されており、原作エピソードの中にオリジナル要素が豊富に取り入れ独自のエッセンスが盛られた作品になっております
今回の記事では、前半部分を制作したスタジオぴえろ制作の『うる星やつら』のエピソードについて語っていきたいと思います
※()内は配信サービスでの話数表記となっております
第62話 「どきどきサマーデート」(#39)
あらすじ
夫婦の危機を感じたラムは、遂にあたるとの初デートをすることに成功。あたるは条件として、ラムに電撃・空中浮遊を一切使わず普通の女の子の格好をしてくるよう命令する。始めは乗り気ではなかったあたるだが、普段見せないラムの一面に少しずつ心境の変化が起こる。
この回の見どころは、なんといってもあたるとラムちゃんが初めてのデートをするというところにあります
デートをせずに同棲…ドキドキがない夫婦生活を修復する為に、ラムちゃんはあたるにデートを申し込むわけですが、これが何ともエモいのです
〔デートしたいっちゃ〕とあたるの肩をツンツンするラムちゃん…女の子の連絡先が書かれたあたるアドレス帳を盗み〔デートしてくれないと返してあげないよー〕と子どもっぽく強行するラムちゃん…など、もう可愛いくて可愛いくてヤバすぎます!
当時の少年たちがラムちゃんに骨抜きにされたのがよく分かりました
そして、デートをすることに成功したラムちゃんはあたるの命令により、いつものトラ柄ビキニではなく私服に変身…髪型も少し変えて普段とは違った魅力で攻めてきます
更にデートということもあり、いつもの「ダーリン」呼びではなく、「あ•た•るくん❤︎」と軽快なステップを踏みながら近づいてくるところとか最高に破壊力がヤバイです!
プールデート、公園デート(ローラースケート)など何気ないシーンの全てがエモく、2人の関係性と『うる星やつら』が持つポテンシャルの高さを感じることができます
どこに行っても周囲に注目されるラムちゃん…そんなラムちゃんを見て少しずつ心境が変化していくあたるの姿も、この回で巧みに描かれているのです
そして最後にポロッと出たあたるの本音がこの回の全てを物語っており、なんともエモいラストだといえます
これまでラムちゃんの愛から逃げ続けていたあたるも、実はラムちゃんのことが……という雰囲気を見せるストーリーであり、『うる星やつら』のターニングポイントだともいえるわけです
まぁ要するに、エモいシーンが詰まり詰まって心がキュンキュンする回だと言うことなので、この回を観てキュン死にしてくださいませ!
第69話 買い食いするものよっといで!(#46)
あらすじ
友引高校の教師陣が「昼休み買い食い取締週間」として、学校外での買い食いを禁止した。買い食いの自由と平和を勝ち取るために、あたる・ラム・メガネら友引高校の生徒は教師らの不条理な条例に真っ向から反発…友引町での集団買い食いを決行する。しかし、友引町にはすでに教師らが至るところに張り込み、そこにはクラスメイトである面堂終太郎の姿も…
これぞ!『うる星やつら』という【ノリと勢い】だけで30分突っ走ったようなエピソードです
生徒VS教師という激しい対立構造を描き、教師らに捕まらないようにとにかく走り回り逃げます
隣町まで張り込んだり、店の置物となり変装して捕まえようとするなど、異常な情熱で違反者を捕まえようとする教師サイド…
多少の犠牲を出しながらも逃げ回り、メガネによる熱い演説で奮起する生徒サイド…
それに加えて、店の売り上げを守る為に生徒らを支援する友引商店街の大人たち…
それぞれの思惑がぶつかり合い混沌とした展開がめちゃくちゃ笑えて魅力です
そしてラストに「「明日も頑張るぞー!」」とある事を誤魔化すあたるも素晴らしく、実に『うる星やつら』な展開に思えます
「買い食いをする」という単純明快な話をここまで広げ、学生運動に似た生徒VS教師の対立構造を真剣に描いているからこそ、バカげて笑えるドタバタ劇になっているかもしれません
第101話 みじめ! 愛とさすらいの母!?(#78)
あらすじ
あたるの母は夫の少ない稼ぎの中でやりくりをして家庭を支えてきた。ある日・バーゲンセールの会場で強く頭を打ち、夢と現実の狭間を彷徨う母。自分は誰なのか…何のために、誰のために生きているのか…。本当にあたるの母かもわからない世界で迎える結末とは…?
(あたるの)母さんの深層心理に迫り、夢と現実の世界を描いた迷エピソードです
そんな夢と現実の狭間を描いたエピソードでありますが、マジで何の話をしてるの?と思えるぐらい全く理解できません
突然、古風な少女が現れて「かごめかごめ」の曲が流れ、母さんによる夢の世界が連鎖されていくのです
うん…自分で書いていてもやっぱりよく分かりません!
しかし、ドタバタコメディでもなく…シリアスな感動モノでもない…本当に何を描いているのかわからないと思える奇怪なエピソードも、ぴえろ版『うる星やつら』の魅力?だったりします
そして『パトレイバー』シリーズや『トワイライトQ 迷宮物件FILE538』でも多用されるキャラクターによる長文の言い回し…これぞ!押井守節、という感じが堪らなくオタク心に刺さる回でもありました
ちなみに本エピソードには色々と逸話があります
実は、あまりにも問題作だったのでフジテレビに一旦納品拒否されますが、放送に間に合わないことから結局納めたとか…
この時、チーフディレクターであり脚本を務めていた押井さんは、局長室に呼びだされて厳重注意をうけたみたいです
結果的にこのエピソードは、その後公開される『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の元ネタとなったらしく〔押井さん全然反省してねぇ~〕と個人的に感じました
そんな色々と問題のあるエピソードですが…ただ、夢の世界をどこまでも深く突き詰め、あたるの母を主役に置くなどチャレンジ精神に溢れる難解でありながらも素晴らしい回です
そして、間違えなく今現在のアニメスタイルを築いた作品(エピソード)の一つなので、アニメファンには是非押さえていただきたい回となっております
第114話 ドキュメント・ミス友引は誰だ!?(#91)
あらすじ
美人ぞろいの友引高校で、ナンバー1を決める「ミス友引コンテスト」の開催が決まる。有力候補とそのファンが票を集める為に選挙活動をする中、あの手この手の裏工作で票集めをする候補の出現により陰謀渦巻くミスコンへ…さらに周辺高校、友引町全体を巻き込む壮大な争いに発展していく。
友引高校で一番の美女を決めるという回でありますが、後半あたりからドンドンめちゃくちゃな方向へと進んでいくカオスなエピソードです
ちなみに私がぴえろ版『うる星やつら』で一番笑ったエピソードがこの回であります
いや…ホントね、全力でバカな事をするって素晴らしいな!と痛感した回でした
ラム・ラン・サクラ先生・竜之介・しのぶといった作品屈指の美女たちが「ミス友引コンテスト」の有力候補として票を取り合い争うわけですが、次第に過激な選挙戦へと進んでいき、運営委員長にあたるが就任すると、ワイロ・不正・脅迫は当たり前…何でもありの事件へと発展していきます
有権者同士でも、ライバル候補の顔を的当てゲームの対象にしてたり、隠れキリシタンを暴くやり方と同じ要領で踏み絵を試みる場面が描かれており、ぶっ飛んだ内容が展開されるのです
更にBパートに突入すると、「ミス友引コンテスト」により友引高校にナンバー1女生徒が誕生するのを恐れた【仏滅女学院・赤口高校・三隣亡学園・大安商業高校】といった周辺高校のナンバー1女生徒で結成された「通称:薔薇の蕾」は、各校のナンバー1女生徒がそれぞれに候補者をバックアップ…運営委員長のあたるにデートを持ち掛け不正を促す展開に発展します
さらに更に、友引町でもお店ごとに各候補がイメージギャルを務めタイアップを開始…
それにより妨害工作で一部の候補者のポスターが街から消える事件があり、かえってその候補者の人気を裏付ける結果となったという描き方もエゲツなく切れ味が鋭いと感じます
タレント効果とは何か…タイアップ・広告効果とは何か…と何故かビジネス論まで考えさせられ、教養も深まるエピソードです
※注・今、『うる星やつら』のアニメの話をしています
あと錯乱坊役の永井一郎さんがナレーションを務め、面白さを倍増させるスパイスとなっています(永井一郎さんがナレーションする回は大概ぶっ飛んだいて面白いです)
起こる展開全てが無茶苦茶であり、屈折した描き方が自分の中でハマれば間違えなく名作エピソードと言えるでしょう!(少なくても私の中ではベスト1のエピソードです)
本エピソードのラストをどのように迎えるのか楽しみに見ていただきたく思います
このミスコン回は原作エピソードであり、原作の方では何話もかけてしっかりとコンテストが開催されいます
それを…こんなふざけた感じで昇華するあたり、当時の勢いやぴえろ版の良さ(原作ファンからしたら悪さ)が詰まったエピソードだと感じました
この回の面白さは、(当たり前ですが)本編を観ていただかないと分かりません…というよりも、自分で書いていてもぶっ飛びすぎていて伝えきれていないと感じます
次々と迫ってくる怒涛の展開を楽しんでいただきたいです
その他にも、数年前にNHKBSプレミアムで行われた「全るーみっく大投票」で一位なった感動回 第67話「君去りし後」(#44)、授業中に私語を全く話していけないガキ使の企画にありそうな 第79話「命かけます授業中!」(#56)、無銭飲食のプロが友引町に集結する 第122話「必殺! 立ち食いウォーズ!!」(#99)など、バラエティに溢れたエピソードばかりなので是非多くの方に観ていただきたく思います
80年代アニメの全てが詰まっている
まず『うる星やつら』を見始めてから始めに感じたのが、当時のトレンド(流行)をいち早く取り入れパロディとして昇華しているという事でした
ホントに何をやってもいい!ハチャメチャにバカ騒ぎして楽しんでしまえ!という勢いが画面いっぱいに表れています
まさにED「宇宙は大ヘンだ!」の歌詞にもある「変と変を集めて もっと変にしましょう」の世界です
そのバカさ加減が程よく、作品から放たれる輝きで世界観に圧倒されました
そしてスタジオぴえろ版『うる星やつら』がすごいと感じるところは、80年代当時のアニメ業界を席巻していたというのが観ていると作品ごしに伝わってくるところです
当時のアニメ雑誌でも常に表紙と特集が組まれ、当時の若者のハートを掴み80年代アニメを代表する作品であった理由が作品内にあるのです
ここまで前半部分のスタジオぴえろ制作の『うる星やつら』について語ってきましたが、後半部分のディーン制作の『うる星やつら』を観たら、自分の意見が大きく変わるかもしれません
それはそれとして楽しみな事であります
そんな思いを抱いて、ディーン版『うる星やつら』を観ていきたいです
またディーン版でもベストエピソードの紹介を予定しておりますので、その時にまた熱く思いを語れればと思っております
皆様も是非、スタジオぴえろ制作の『うる星やつら』を観てください!
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