どうも、最近80年代の某野球アニメ全101話を完走して長編TVアニメの魅力に取り憑かれたSATAトミオです
良いですよね、長編スポーツアニメ!
友情、恋愛、努力など…人間関係を形成する過程が100話超える作品だとゆっくりと描かれているので、青春群像劇がより深く楽しめるように感じます
野球を観たならば次に思いつくのが、サッカー
80年代のサッカーアニメといえば、皆さんご存知の『キャプテン翼』であります
『キャプテン翼』とは、1981年に週刊少年ジャンプで漫画連載がスタート、1983年にはアニメ化し、土田プロダクション制作により全128話放送されました(第1作)
その後、本作は海外でも放送され世界中でブームを巻き起こし、世界中で活躍するサッカー選手に夢と希望を与えました
本作の人気は日本でも高く、1994年(第2作)・2001年(第3作)とリメイク版が制作されます
そして2018年には4回目のリメイク版が制作され、第4作目の設定に準拠した最新ゲームソフト「キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS」が2020年8月に発売されるなど今なお変わらなぬ人気を誇る作品であります
PS4/Nintendo Switch「キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS」第4弾トレーラー
そんなわけで先日より1983年から放送された『キャプテン翼』を見始めました
長編ジャンプ作品が観たい!という事で、『キャプテン翼(1983)』全128話をコツコツと観ていこうと思います✨
— SATAトミオ@80年代Lover(26歳) (@YTOSzjxpdHOjt9g) 2020年9月21日
"あいつのうわさで チャンバもはしる"作品ですww
リメイク作品で色んな方が翼を演じてますけど、やっぱり小粥よう子さんの声が翼そのものって感じで良いですな🎶 pic.twitter.com/z3Tp7UmjO2
しかし、観ていくのであれば何か目的を持って観ていきたいなと思ったわけです
そこで考えたのが…1983年に放送された『キャプテン翼(第1作)』と2018年に放送された『キャプテン翼(第4作)』
2つの『キャプテン翼』のアニメを比較してブログ記事にしたら面白いのではないかと…
つまり、『キャプテン翼』新旧アニメ徹底比較であります!!
ということで今回は、1983年版『キャプテン翼』と2018年版『キャプテン翼』のアニメ第1話を徹底比較していきます!
35年の間に、アニメーションの描き方はいかに変化したのか…とくとご覧あれ!
※1983年に放送された『キャプテン翼(第1作)』のことは【83年版】、2018年に放送された『キャプテン翼(第4作)』のことは【18年版】と以後表記しています
『キャプテン翼』新旧アニメ徹底比較
まず、2つのアニメ『キャプテン翼』の第1話は漫画原作の第1話と大まかなストーリーが同じであります
第1話のストーリーの流れをザックリとチャート化すると…
① 翼、南葛市へ引っ越ししてくる
↓
② 南葛小と修哲小がグランド使用権で対立。若林、異種球技PK対決
↓
③ 翼、丘の上から若林邸にボール(ちょうせん状)を蹴り込む
↓
④ 道路を挟んで若林と翼が対峙し、翼がバスの車体下を通すシュートする
まぁ、こんな感じです
今回はこの4つのポイントから、【83年版・18年版】さらに漫画原作の3種類の表現方法の違いを書いていきます
① 翼、南葛市へ引っ越ししてくる
ストーリーの始まりはサッカー大好き少年である大空翼が、サッカーが盛んな南葛市に引っ越ししてくるところからスタートします
翼が引っ越しする前に住んでいた家を見るだけで83年版と18年版の違いが大きくでます
83年版の引っ越しする前の家は一戸建ての家で、母と2人でトラックの荷台に乗り引っ越してきます
〔富士山が見える~〕と荷台の中ではしゃぐ翼たち…高速道路をトラックの荷台に乗って移動するというのは、今の時代ではありえない光景に思えます(黄色いビートルが走っているのも時代を感じます)
一方、18年版には移動しているシーンはなく、引っ越し作業をしている新居からスタートします
しかし、幼少期の翼のエピソード(トラック事故をサッカーボールで回避する奴)で前の住まいが分かるシーンがあり、マンションの敷地内で遊ぶ翼の姿が描かれています
1990年代以降、都心部でのマンション需要が増えていた時代背景を考えると、一戸建て(83年版)からマンション(18年版)に変わっていても違和感はないですね
ちなみに原作では、83年版と同じように一戸建てでした
南葛市に引っ越ししてきた翼は、引っ越しの手伝いもせずにサッカーボールをドリブルしながら早速街へと出かけます
ここで83年版・18年版共に、航海に出ている大空キャプテン(翼の父)が登場するシーンに切り替わります
まず83年版は、新居に着いてたであろう翼の事を思いながら海を眺める大空キャプテンの様子が描かれています(ちなみに83年版の大空キャプテン役の声優は、若本規夫さんです)
そして18年版では、航海中の大空キャプテンのスマホに「新居に着いた」と報告メールが写真付きで送られています
これには驚きました、 18年版にはまさかのスマートフォンが登場するのです
スマホという最新テクノロジーが登場した事で、18年版の『キャプテン翼』が現代解釈によってリメイクされた作品であることが一目で分かるシーンになっていると感じます
これが35年の間で起きた進化です!
翼が街に出かけた後、原作ではすぐにチャート②へと移るのですが、そこはアニメ
"尺稼ぎ"という名のアニメオリジナルな展開が83年版・18年版共に組み込まれています
そして2つを比較しても特色が出て面白いと感じるものになっています
まずは83年版、河原沿いをドリブルして走る翼は、あるトラブルをきっかけに南葛小サッカー部のメンバーに出会います
その中には、のちに翼のおくさっ…(ゴホン!)南葛小応援団の団長で"あねご"と呼ばれる女の子・早苗もいるのです
原作ではもう少し後で顔を合わせる事になり、また明確な出会いのシーンも描かれておりません
翼と早苗の出会いのシーンが明確に描かれている素晴らしいアニメオリジナルであります(83年版の早苗の声優は坂本千夏さんであり、この声がめちゃくちゃ可愛いです)
ちなみに83年版ではこのシーンでロベルト本郷がチラッと登場しています
そして18年版はというと、桜の並木通りを早速とドリブルをする翼が描かれており、道路の壁や歩道橋を巧みなサッカー技術でトラップして駆け巡ります
人との出会いよりも、翼がいかにサッカーセンスに溢れている少年である事を視聴者に理解してもらう時間に使っていると感じるのが18年版でありました
また桜の並木通りが登場する事により、季節が春に特定されているのも大きいです(18年版の放送は4月から)
原作でも季節は春に設定されているのですが、83年版には明確に季節を示すものがありません
83年版の季節が春に明確設定されていない理由としては、1983年10月からの放送であったことが関係していると思われます
② 南葛小と修哲小がグラウンド使用権で対立。若林、異種球技PK対決
街を散策する翼はサッカー場へと到着し、公立・南葛小と私立・修哲小がサッカー場の使用権で揉める現場に遭遇します
ここで、修哲小の天才ゴールキーパー・若林源三が南葛小サイドの助っ人に来ていた中学生と異種球技PK対決するというストーリーです
まず注目していただきたいのが、83年版と18年版のサッカー場の違いであります
83年版は河川敷にあるグラウンドをサッカー場と呼んでいる感じで、18年版は街の中に溶け込み芝の状態も良さそうでフットサルなんかもできそうな設備も整っているサッカー場です
明らかに18年版の方が設備的にも優れたサッカー場と言えるのでしょう(さすがスマホが出てくる作品(18年版)だけのことはある)
全国制覇をするほどの実力校・修哲小にはサッカー部員も多くて、主力選手以外のチームメンバー専用のグラウンドとして使いたいと話す若林
このシーンにおいて、私が今回の記事を書こうと思った83年版(&原作)と18年版の決定的な違いがあります
その主力選手以外のチームメンバーのことを、83年版(&原作)では「2軍」と表しているのに対し、18年版は「Bチーム」と表しています
2軍という言い方は、1軍よりも格下の選手で構成されたチームというイメージがあります
しかしBチームという言い方をすると、Aチームは高学年、Bチームは中学年・低学年で構成されているでは?といった考え方もできます
"サブメンバー"という意味合い自体は変わらないかもしれせんが、言い方が変われば感じ方も違ってくることを表した素晴らしい例ではないでしょうか
この18年版の「Bチーム」という表現の仕方を本放送で聞いた時に、〔今回のリメイクは成功する〕と確信したセリフでした
ここから、グラウンドの使用権をかけ各クラブのキャプテンがシュートする異種球技PK対決へとストーリーは進んでいきます
結果的に若林の全勝で、天才ゴールキーパー・若林の実力を見せつけるシーンとして機能します
原作ではラグビー部・ハンドボール部・野球部の代表(キャプテン)が若林に挑戦しました
これは83年版のアニメでも同じように描かれています
そんな中、オリジナル要素を入れてきたのが18年版であります
原作&83年版同様、上記の3つのクラブが若林に挑戦しますが、それに加えて18年版はテニス部・バスケット部・ゴルフ部・バレー部・陸上部も挑戦します
ゴルフ部やテニス部は対決する意味が分かりますが、バスケット部はなぜ挑んだのか理解できません(バスケで使うパスをフリースローの要領でしたら勝算があると考えたのでしょうか…)
そして、もっと理解できないのが陸上部です
本編内でも若林が〔陸上部が何をシュートするだ?〕と皮肉っていますが、槍投げの選手が若林と対決します
槍の先にカバーをつけているから大丈夫だと言っていますが、どう考えても危ないですよね
それをコンプライアンスや表現にうるさい現代(18年版)でしているので、初めて観た時はめちゃくちゃ驚きました
スマホなどの現代的な要素を入れる中で、『キャプテン翼』らしいぶっ飛んだシーンも加えてバランスを取っているのが18年版の魅力かもしれません
③ 翼、丘の上から若林邸にボール(挑戦状)を蹴り込む
南葛サイドはあっさりと若林に惨敗してグラウンドの使用権は修哲小のモノとなります
ガックリとうな垂れる南葛小のサッカー部キャプテン・石崎に〔若林くんの家を教えて〕と尋ねる翼
ここで翼は、天才ゴールキーパー・若林に挑戦しようと考えます
渋々了承した石崎は、翼を街が一望できる丘の上に案内し若林邸の場所を説明します
そして翼はサッカーボールに〈ちょうせん状〉と書き込み、若林邸に目がけてシュートするのです
翼の驚異的なシュート力を見せつける『キャプテン翼』の名場面の一つであります
この③では、83年版と18年版に大きな違いはありません
しかし、せっかくなので細かい違いも書いていきましょう
渋々了承した石崎が丘の上まで案内するのですが、83年版(&原作)ではすんなりと丘の上のシーンに移行します
ここにオリジナル要素入れるのは18年版、丘の上に向かう階段でドリブルする翼を映すことでサッカー技術が高いことを念押しに見せています
若林邸にも83年版と18年版では細かい違いがあります
83年版はよくある豪邸という感じですが、18年版では豪邸の横にテニスコートがあります(ホントに細かい)
そして、③で一番伝えたい違いはロベルト本郷の登場の仕方であります
ウィスキー片手にフラフラする謎の男・ロベルト本郷は、18年版(&原作)ではここで初登場し道路から翼のシュート力を見て動き出すという流れなのです
しかし、①でも書いたように83年版では翼と早苗が初対面するシーンでチラッと登場しています
そして何故か翼がシュートした丘の上の後ろにある神社に座り〔ビバ!サッカー小僧に乾杯だ〕という謎の歓声を翼に送ります(明らかに不審者です)
やべえ奴がいると思ったのか、早々に退避する翼と石崎が妙に面白いシーンになっています
ここから更に、ロベルト本郷の動き方に違いが出てきます
④ 道路を挟んで若林と翼が対峙し、翼がバスの車体下を通すシュートする
ちょうせん状を受け取った若林は指定されたサッカー場へと向かいます
翼と石崎も同様に丘の上からサッカー場に向かうわけです
この④では、ロベルト本郷の動き方の違いが83年版と18年版に出ます
ちょうせん状を受け取った若林は指定されたサッカー場に向かおうとしますが、そこでロベルト本郷が若林邸に不法侵入してくるのが18年版(&原作)であります(83年版では若林邸に登場しません)
ボールの行方を追って不法侵入してきたロベルト本郷を追い回すのは番犬のジョン、しかし残念ながら83年版では登場することがありません
ジョンの行動を制止させた若林は、コーチの見上さんと不法侵入してきたロベルト本郷の3人のパーティでサッカー場へと向かいます(83年版では見上さんとの2人パーティ)
一方83年版のロベルト本郷の動き方はというと、丘の上から翼と石崎に後をつけるようにサッカー場へと向かいます
この石崎と翼の行動パターンも、83年版と18年版では大きな違いがあります
83年版では、サッカー場へと向かう翼と石崎(&ロベルト本郷)に加えて早苗と遭遇して4人パーティになります
そして18年版は早苗とロベルト本郷も合流しない2人パーティで向かう事になりますが、向かう道中でコンビニに寄りアイスを食べるシーンが描かれています
隙あらば現代アピールをする18年版、棒アイスを半分に割りシェアするシーンを描くことで、会ったばかりの2人の友情を育む効果を持つシーンとなります
向かう途中に道路を挟んで翼と若林が出会ってからは原作、83年版、18年版の差はほとんどありません(強いて言うなら18年版では若林がキーパーグローブ(手袋)をしていないことぐらい)
ちょうせん状を叩きつけた相手が同じ小学生である事に激昂する若林…翼めがけて力強いシュートを浴びせます
そのシュートを足で躱した翼は、偶然通りかかったバスの車体下を通すスーパーシュートで若林に返します
2人の天才サッカー少年の衝撃的な出会いを描き、ここで第一話が終了するのです…
総評
では最後に、83年版と18年版の第1話の違いを大まかにまとめてみました(漫画原作と同じなのは〈原作〉と入れています)
83年版 キャプテン翼(第1作)
・引っ越す前は一戸建ての家〈原作〉
・トラックの荷台に乗り、高速道路を走る
・翼と早苗の出会いのシーンがある
・取り合ったグラウンドが河川敷
・2軍発言〈原作〉
・ロベルト本郷の〔ビバ!サッカー小僧〕
・早苗とロベルト本郷を加えた4人パーティ
18年版 キャプテン翼(第4作)
・引っ越す前はマンション住まい
・スマホ登場
・季節は桜咲く春〈原作〉
・取り合ったグラウンドは設備は最高クラス
・Bチーム発言
・危なすぎる槍投げPK対決
・ロベルト本郷、若林邸に不法侵入〈原作〉
・翼・石崎、コンビニでシェアアイス
まとめてみるとアニメオリジナルが多いのが83年版、現代アピールが強い18年版となります
しかし、現代アピールが強めの18年版ではありますが、基本的には83年版よりも原作漫画を忠実に描かれています
それを象徴するのが各シーンにおけるポーズです
翼がシュートするポーズだけを見ても原作を完璧に再現されており、原作リスペクトが高い良好なリメイク作品であったといえます
83年版(第1作)・18年版(第4作)、コンセプトの違いを感じながら見るとより楽しい
この企画を思いついたのは、18年版『キャプテン翼(第4作)』の本放送がスタートした時でした
しかし当時はブログ活動もしておらず企画の存在自体を忘れていたのですが、83年版『キャプテン翼(第1作)』を見始めたことで思い出した感じです
書き始めた当初は〈面白いネタになればいいな~〉ぐらいにしか思ってませんでしたが、意外な発見の連続で中々濃密な内容になったと思います
街の至るところに昔ながらの風情を残しアニメオリジナルを加える83年版、スマホやコンビニなど現代アピールが多めながらも原作に忠実な18年版…それぞれにコンセプトの違いがあり、見比べるだけでも面白いと感じる素晴らしい作品でした
その他にも声優さんの違いや服装の違いなど、まだまだ語れる切り口が残されており無限大の可能性を感じます
今回は第1話の違いを徹底に比較していきましたが、第2話以降も私のTwitterの方で83年版と18年版の違いを投稿していこうと思います(もしかすると、改めてブログでまとめるかも…)
さぁ、私の中で始まった翼たちによる熱い物語…83年版は128話、18年版は(現在)52話、楽しませてもらいます
キック・オフ!!!
🌟-前回の記事-🌟