80年代アニメを知りたい! 伝えたい!

主に1980年代に制作されたアニメや関西で行われるイベントについてを20代の若造の視点で書いていこうと思います。

80年代に野球旋風を巻き起こした【あだち充野球アニメ3部作】の魅力🏃‍♂️

どうも、プロ野球が開幕して野球熱が高まってきているSATAトミオです

いや〜やっぱり良いですね、プロ野球

なんと言っても2021年シーズン今年は、怪物ルーキーの阪神・佐藤輝明選手やメジャーリーグから帰ってきた楽天田中将大選手など見ごろがたくさんあり、見ていてワクワクしますね

 


私の中で野球熱が上がってきている今、野球に関する80年代アニメのブログ記事について今回は書いていきましょう

80年代野球アニメで思い浮かべる事といえば…やはり『タッチ』であり、その作者・あだち充先生だと感じます

 

80年代にアニメ化されたあだち充作品は、

・キティフィルム制作の『みゆき(1983)』

グループ・タック制作の『ナイン(1983)』『タッチ(1985)』『陽あたり良好!(1987)』

 

この4作品であります

その中でもグループ・タック制作の3作品は【80年代・あだち充野球アニメ3部作】と称されることもあったり、なかったり…します(むしろ、この呼び方を定着させたい!)

 


というわけで今回は、グループ・タック制作の『ナイン』『タッチ』『陽あたり良好!』…この3作品の関連性について語っていきます

 



まずは【80年代・あだち充野球アニメ3部作】と呼ぶ経緯について書きましょう

 


80年代・あだち充野球アニメ3部作とは、『ナイン(1983)』『タッチ(1985)』『陽あたり良好!(1987)』の3作品からなるグループ・タック制作の野球アニメです

3作品とも【原作・あだち充 × 総監督・杉井ギサブロー × アニメーター(作画監督)・前田実 × 音楽・芹澤廣明】のコンビにより制作された作品である為に、80年代・あだち充野球アニメ3部作と呼ばれることが相応しいと勝手に思っています

 


この3作品は同じコンビにより制作されていることもあり、作品自体にも共通点が多いです

そして【80年代・あだち充野球アニメ3部作】で築き上げられたスタイルは、『タッチ』『陽あたり良好!』でシリーズ監督したときたひろこ監督へと受け継がれ、自身の監督作品『YAWARA!(1989)』の大ヒットに繋がります

このようにアニメの歴史を紐解く上でも重要な【80年代・あだち充野球アニメ3部作】の魅力を語っていきます

 


 

まずは3作品の作品紹介と見どころなどについて書いていきます

 

 ナイン

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週刊少年サンデー増刊号」で1978年から1980年まで連載されていた野球漫

アニメは1983年5月に日生ファミリースペシャル枠で『ナイン1』が放送され、その後『ナイン2 恋人宣言(1983年12月)』、『ナイン 完結編(1984年5月)』が放送されます

さらに『ナイン1』は1983年9月に劇場公開もされており、現在配信サービスで観れるのは劇場公開版(オリジナル版)です

あだち充野球アニメ3部作】の中で初めにアニメ化された作品であり、テレビスペシャル(全3話)で放送され話数も少ないという点からも「あだち充入門作品」としてオススメできる作品であります

 


あらすじーー

運動のできない優等生ばかりが集まる進学校・青秀高校に入学した中学陸上短距離記録保持者ほどの俊足・新見克也(cv.古谷徹)、中学柔道県大会個人優勝者ほどの怪力・唐沢進(cv.富山敬) の野球経験なしの2人は、球場で見かけた美女・中尾百合の悲しい顔を見たくないと野球部入りを決意する。

そこに全国中学野球優勝投手のサウスポー(左投げ)・倉橋永二(cv.塩沢兼人)が加わり、甲子園出場を目指す。

 


克也と百合の恋…そこに現れる百合の一つ上の幼馴染でライバル校・武南高校のエース山中健太郎(cv.神谷明)、克也に積極的に迫る青秀高校陸上部の安田雪(cv.坂本千夏)らを交えた複雑な恋愛ストーリーが魅力ある作品です

 

 

 

本作の見どころは、「巨人の星」や「ドカベン」などピッチャー(投手)や4番打者といった強打者を作品の主人公にするのが当時の野球作品の鉄則の中、1番・センターの俊足打者を主人公にしているところです

常に新境地を開拓するあだち充先生の野球作品は恋愛要素を重点的に描き、また野球作品とは思えないほどに爽やかで清々しいラストも魅力があります(島本和彦先生の漫画「アオイホノオ」でネタにされていたアレです)

 


そして克也を取り巻く複雑な恋愛ストーリーも魅力があり、甘酸っぱい青春模様が描かれています

私個人としては安田雪美ちゃんが大好きであり「あだち充ヒロイン」の中では間違えなく彼女がNo. 1です(坂本千夏さんの声が可愛ええこと!)

さらに個人的には『ナイン2』のサブタイトルである「恋人宣言」というのが〔これぞ!80年代だ!!〕という感じで愛おしいほど好きです

 

タッチ

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週刊少年サンデー」で1981年から1986年まで連載されていた言わずと知れたあだち充先生の代表的な野球漫

1985年3月にTVアニメ化され1987年3月まで(全101話)放送、1986年にはTVアニメを元にした劇場版三部作が公開されるなど80年代アニメを語る上でも外せないアニメ作品です

また最近では、『タッチ』から約30年後の明青学園の描いた作品『MIX』が、現在ゲッサンにて連載中でありTVアニメ化もされています

 


あらすじーー

家がお隣同士の上杉家と浅倉家に3人の子どもが同じ年に生まれる。双子兄弟の兄・上杉達也(cv.三ツ矢雄二)と弟・上杉和也(cv.難波圭一)、そして浅倉南(cv.日髙のり子)は幼い頃から共に仲良く育ってきたが、ある時3人のうち一人が女ということに気づいた…


達也・和也・南の三角関係を描きながら甲子園を目指す

 


本作では、杉井ギサブローさんが総監督の務め、のちに『YAWARA!(1989)』の監督を務めるときたひろこさんがシリーズ監督をされています

また、ときたひろこさんは『陽あたり良好!』でもシリーズ監督を務めているのもポイントです

 

 

本作の見どころは、なんといってもその世界観

アニメ『タッチ』の世界観は80年代の日常シーンを的確に捉えており、レコード・映画館・喫茶店など本作を観ているだけで80年代を没入体験することができます

こういった80年代当時を感じれるシーンがあるアニメは、80年代当時を知らない20代の私としてめちゃくちゃ貴重な作品です

80年代の日常が溢れるアニメ『タッチ』は、平成生まれにとってもすごく勉強になります

 

80sanime.hatenablog.com

 

陽あたり良好!

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「週刊少女コミック」で1980年から1981年まで連載されていた漫画

1987年4月に『タッチ』の後番組としてアニメ化され全48話放送されました

1988年には劇場版作品『陽あたり良好! KA・SU・MI 夢の中に君がいた』が公開されます

あだち充野球アニメ3部作】のラストを飾る作品です

 


あらすじーー

岸本かすみ(cv.森尾由美)は、進学先の明条高校に通う為に学校近くの叔母の家に居候することになる。

叔母との2人暮らしだと思い引っ越してきたかすみだったが、叔母の家は明条高校の男子生徒を抱える下宿先となっており、風呂場で下宿人・杉勇(cv.三ツ矢雄二)に裸姿を見られてしまう。

かすみと勇作…同い年の男女らが住む下宿「ひだまり」で奇妙な新生活が始まる。

 


陽あたり良好!』の原作はそこまで野球要素の強い作品ではないのですが、アニメ『タッチ』のヒットもありアニメオリジナルとして野球要素が多く足されています

また『タッチ』からのレギュラー声優も多く続投されており、主人公・高杉勇作の声優も前作同様に三ツ矢雄二さんが演じられているのも大きな特徴です

 


そんな中、注目していただきたいのがヒロイン・岸本かすみを演じる森尾由美さんであります

森尾さんといえば、ドラマにも数多く出演されている方で、TVアニメでは「こちら葛飾区亀有公園前派出所」に秋本・カトリーヌ・麗子役で出演されており、アニメファンにはこちらのイメージの方が強いかもしれません

しかし、その麗子に匹敵するぐらい『陽あたり良好!』のかすみはハマり役であり、素晴らしい演技をされています

是非、森尾由美さんの演じるかすみちゃんにも注目してください!

 


本作の面白いところは、ヒロインのかすみちゃんには日本とアメリカ間で遠距離恋愛している歳上の彼氏・村木克彦(cv.井上和彦)がいる状態から物語がスタートするところです

その為序盤は、かすみちゃんと勇作の間に恋愛感覚はなく展開されていきますが、徐々に良い感じのムードになってきたタイミングで克彦さんが帰国…更には勇作に恋心を抱く関圭子(cv.鶴ひろみ)を加えて、あだち充先生お得意の恋の複雑ドラマがヒートアップしていきます

 

 

 

3作品の紹介が終わったところでここからが本題です

ここからは【あだち充野球アニメ3部作】の関連性を元に、真の魅力について語っていきます

 

作曲家本人が歌う、「真夏のランナー」の魔力

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【80年代・あだち充野球アニメ3部作】で一番の魅力といえば、間違えなく音楽を担当されている芹澤廣明さんのサウンドであります

芹澤廣明さんといえば、80年代にに中森明菜の「少女A」やアイドル期のチェッカーズの楽曲など、数多くヒット曲を手掛けた作曲家です

アニメの楽曲も手掛けられており、『キン肉マン』のOP「キン肉マン GO Fight!」「ほのキン肉マン」や『機動戦士ガンダムZZ』の「アニメじゃない」「サイレントヴォイス」などがあります

 


そんな80年代を代表する作曲家の芹澤廣明さんが主題歌からBGMまでほぼ全ての音楽を担当され、岩崎良美さんが歌う「タッチ」「愛がひとりぼっち」などあだち充野球アニメ3部作】は音楽を楽しむ作品であることを強く言いたいです

 


あだち充野球アニメ3部作】が他のアニメ作品と決定的に違うのが、音楽を担当されている芹澤廣明さん自身がボーカルを務め歌われるアーティストということであります

もうねぇ、バンバン歌われています!!

 

例えば、『ナイン』で歌われる「私のYoung Boy」や『タッチ』で歌われる「星のシルエット(和也のテーマ)」「風のメッセージ(達也のテーマ)」など

挿入歌からOP主題歌まで自身で作曲した曲を歌いこなし、その楽曲こそが【あだち充ワールド】を作り上げていくのです

 



そして、【あだち充ワールド】を作り上げている代表曲が真夏のランナーであります

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「真夏のランナー」は『ナイン』の主題歌として芹澤廣明さんが作曲し、ヒロイン・中尾百合役の倉田まり子さんが歌い本作を象徴する曲です

そして『ナイン 完結編』では、芹澤廣明さん自らがアーティストとなり、本曲を歌い上げて作品のラストを飾ることになります

 


あだち充野球アニメ3部作】の代表作『タッチ』では、「永遠のランナー」という楽曲が最終回で流れます

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こちらも芹澤廣明さんが作曲・歌を務めているわけですが、「真夏のランナー」を意識した歌詞とメロディで展開される楽曲なのです

同じ方が作詞されているからこそできる作り方であり、ここにも【あだち充ワールド】の繋がりを感じのでした

 

 

そして【あだち充野球アニメ3部作】の最終作『陽あたり良好!』でも本曲は違った形でサプライズが用意されています

それが「愛が眠る日まで-真夏のランナーⅡ-」です

まさかの「真夏のランナーⅡ」であります!

 

「真夏のランナー」のメロディと歌詞をアレンジして芹澤廣明さんが歌われた「愛が眠る日まで-真夏のランナーⅡ-」は、これがめちゃくちゃ良いタイミングで流れてくるのです

ドキッとさせられる尊いシーンから、馴染みのあるメロディーが流れる展開…間違えなくテンションが爆上がりします

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もちろん視聴している側はそんなサプライズが仕掛けられているとも知らないわけであり、シチュエーション的にも完璧なタイミングで流れている「愛が眠る日まで-真夏のランナーⅡ-」は最高の一言です

 


「真夏のランナー」という楽曲で繋がれた【あだち充野球アニメ3部作】…芹澤廣明さんの音楽で作り上げた世界観を楽しんでください

 

 

アナログアニメ・最強の技、透過光

あだち充野球アニメ3部作】で注目するべき点は、全ての作品で監督業をされている杉井ギサブローさんの存在です

『ナイン』『タッチ』『陽あたり良好!』で総監督を務められたのが杉井ギサブローさんであり、同じ方が総監督に座っていることで作品に繋がりができ、世界観を共有しやすくブレないというのは大きなメリットとなります

 


随所に見せる杉井ギサブロー演出も光り、その中で最も分かりやすいのが透過光と呼ばれる演出技法です

 


「透過光」は『あしたのジョー』『エースをねらえ!』などの監督で知られる出崎統監督が生み出したとされており、光を線や帯、円や点などで表現したアナログ(セル画)時代の演出技法であります

よく海のシーンで海面がキラキラして輝いているアレが透過光を使用したものです

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そして【あだち充野球アニメ3部作】で多用されているのが、「透過光」を応用した「キャラクターの周りの背景を白抜きする」演出技法であります

これは杉井ギサブロー監督作品でよく使われており、白抜きした背景に透過光を当てることでキャラクターに注目が集まり、よりドラマチックに強調されたシーンとなるのです

 

・使用例

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『ナイン』

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『タッチ』

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 『陽あたり良好!

この技法については、『タッチ』『陽あたり良好!』のOP映像を観ていただけると分かりやすいでしょう

 


ちなみにこの杉井ギサブロー作品で使われた技法は、『タッチ』『陽あたり良好!』とシリーズ監督を務めたときたひろこ監督にも継承され、自身の監督作品『YAWARA!』でも使われています

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一つの演出の繋がりから作品を深掘りしていくのも、杉井ギサブローさんが総監督をされた【あだち充野球アニメ3部作】の楽しみ方です

 

 

「あだち劇団」と呼ばれた画期的な声優起用

あだち充野球アニメ3部作】の繋がりをキャラクターを演じられた声優方面からも見ていきましょう

あだち充野球アニメ3部作】では声優陣が固定されていることが多く、特に『タッチ』から『陽あたり良好!』の流れは、『タッチ』のレギュラー声優陣が(日髙のり子さんを除き)そのまま移行されてます

同じ劇団(あだち充作品)の役者でも、性格の異なる別の役を演じる方式がとられており、当時のアニメ雑誌でも「あだち劇団」と呼ばれていました

 

その中でも注目していただきたいのが、塩沢兼人さんが演じられたあだち充キャラクターです

塩沢さんは(『みゆき』を含む) 80年代あだち充アニメ作品全てに出演されております

またそのキャラクターの性格も様々で、物静かな左腕エースでありながら百合との間に恋の波乱を起こす『ナイン』の倉橋永二、明青高校を引っ張るひと学年上のキャプテンでありグータラな達也に野球の才能を見出す『タッチ』の黒木武、キザでプレボーイな一面と好きな子には猫のように甘える一面を持つナルシストな『陽あたり良好!』の美樹本伸…それぞれに違った魅力を持つキャラクターを演じられています

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また声優の北村弘一さんは『ナイン』『タッチ』『陽あたり良好!』に全て監督役で出演されており、まさに同じ役者(キャラクター)が色んな劇(作品)に参加されている錯覚を感じます

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そういったあだち充作品に参加されている声優陣にも注目してみてください!

(ちなみに塩沢兼人さん演じるあだち充キャラだと、私は断然『みゆき』の村木好夫が好きです!)

 

あだち充野球アニメ3部作】は、時代を写す鏡

80年代の高校野球といえば、1983年にPL学園の桑田・清原のK・Kコンビが、甲子園に旋風を巻き起こした時代です

それと同じように、80年代のアニメ界に旋風を巻き起こしたと言っていいほどの功績を残したのが【あだち充野球アニメ3部作】だと勝手に思っております

そういう意味でも【あだち充野球アニメ3部作】 は、80年代アニメを語る上でも重要な3作品なのです

 



あだち充野球アニメ3部作】は、80年代の青春の全てが詰まった作品たちであり、時代を写す鏡のような立ち位置にあると感じます

その世界観を支えているのが杉井ギサブローさんの演出であったり、芹澤廣明さんの音楽であったり、声優陣の演技というワケです

 


激動の80年代アニメ界を駆け抜けたグループ・タック制作の【あだち充野球アニメ3部作】を観ていただければと思います

 

 

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🌟-前回の記事-🌟

80sanime.hatenablog.com

【OVA黎明期の最高傑作】『エリア88』戦場で狂わされてゆく、渇いた男の心🛩

どうも、まだまだ80年代アニメついて知らない事が多いと感じるSATAトミオです

最近、まだまだ勉強が足らないな~と感じることが多々あります

 

先日、LD(レーザーディスク)プレーヤーを使い『エリア88』を観ました

 

始めは80年代アニメの一つという認識で観ていたのですが、これがコレがとてつもなく面白い

ACT.Ⅰ「裏切りの大空」ACT.Ⅱ 「狼たちの条件」と順々に観ていき、ドンドン作品の魅力に引き込まれていきました

そして最終話であるACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」を観て、凄まじいドラマ展開と圧巻のクオリティが私の中の五臓六腑に響き渡り、思わず感情が溢れんばかりに大爆発してしまいました

 

いや〜マジで凄かった!

とてつもなく凄い作品に出会ったぞ!という感じで、見終わってから少し放心状態になってしまうぐらい素晴らしい作品でした

 


放心状態から冷めぬ興奮状態となり、この渇き切った心をどこにぶつければいいの…!?と考えた時に〔そうだ、ブログだよ!!!〕となったわけです

 


というわけで今回は自分の欲求を消化する為だけに書く、全人類よ『エリア88』を観ろ!!という記事であります

 


ただ感情をぶつけるだけの記事になると思うので、読みにくいところがあれば申し訳ありません(先に謝罪しておきます…)

 


 


まずは本作の簡単な紹介をします

 


エリア88』とは、1979年より少年ビッグコミックで漫画連載され、1985年から1986年に全3話のOVAスタジオぴえろにより制作された新谷かおる原作の戦記ストーリーです

「ACT.Ⅰ 裏切りの大空(第1話)」「ACT.Ⅱ 狼たちの条件(第2話)」を再編集した劇場版も1985年7月に公開され、第4回 日本アニメ大賞では「オリジナル・ビデオ・アニメ部門」に輝いた作品でもあります

 


現在は、再編集された劇場版とACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」のOVAのみがDVD化されており、「ACT.Ⅰ」「ACT.Ⅱ」 のオリジナル(OVA)版は LDソフトなどでしか視聴することができません(北米版ではDVD化されています)

 

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まあ、レンタルDVDなどで劇場版とACT.Ⅲは視聴することができますので、視聴難易度はそこまで高くはないです

しかし、もっと多くの方に観ていただきたい!という想いと…今後は動画配信サービスでも視聴できるようになれば!という願いも込めて今回のブログ記事を書いております

 


あらすじーー

大手航空会社「大和航空」の飛行訓練生であった風間真(以後.シン)(cv.塩沢兼人)と親友の神崎悟(cv.安原義人)は、パリで研修訓練を受けます

しかし研修が終えた帰国前夜、シンは神崎にダマされ、中東・アスラン王国の外人部隊への編入契約書にサインさせられてしまう

強制的に外人(傭兵)部隊に編入させられたシンは、砂漠のど真ん中にある最前線基地・作戦地区「エリア88」に連れてこられ、地獄の戦場へと駆り出されるのでした

エリア88」から抜け出すには、戦場で生き延び3年間の契約を満了するか…敵機を撃墜して賞金を稼ぎ高額の違約金を払うか…それとも脱走するか…

そして約1年が経過…恋人である津雲涼子(cv.玉川砂記子)が待つ日本へ帰る為に敵機を撃墜し続けたシンは、違約金完済目前まで賞金を稼ぐのでした

 


シンは「エリア88」から抜け出し、涼子と再会する事ができるのか…?というのが本作の見どころとなります

 


ストーリーの流れとしては、ACT.Ⅰ 「裏切りの大空」でシンを中心として「エリア88」でのシーンが多く、ACT.Ⅱ 「狼たちの条件」では神崎や涼子にも焦点を当てて人間模様が描かれています

そしてACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」になると物語も佳境に入り、劇場アニメに引けをとらない程クオリティの高く熱い作品となるワケです

戦場に身を投げ出すシンはどうなっていくのか…?というところに注目していただきたく思います

 

人間ドラマこそ、『エリア88

エリア88」という作品は、エリア88」という地獄に落とされた風間真その地獄へと落とした親友・神崎悟真のことを忘れることができずにいる恋人・津雲涼子

この三角関係により物語が展開されていきます

まずは、この3人の関係についてキャラクター紹介していきましょう

 

風間真(cv.塩沢兼人)

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最前線基地・作戦地区「エリア88」に所属するアスラン王国・外人部隊の飛行パイロット

赤ん坊の頃に孤児院で拾われ両親の顔も知らずに育つ

「大和航空」の飛行訓練生として訓練に励み親友の神崎と共に大空を飛ぶことを夢見ていたが、その神崎にダマされ異国の外人部隊に入隊されられる

 


シンを演じているのは塩沢兼人さんなのですが、コレがめちゃくちゃドンピシャにハマっています

役と声がピッタリとハマり、塩沢さんから出される自然体の声そのものがシンと一体化しているイメージを受けました

また塩沢さんの声がシンの心境を映す鏡となり、少しずつ演じ方も変わっていくところも魅力です

 

神崎悟(cv.安原義人)

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「大和航空」の機長

シンを「エリア88」へ送った元凶であり、シンの恋人である涼子を略奪しようと企む

幼い頃に母親に捨てられたことで人を憎むようになり、シンと同じ孤児院で育つ

社長令嬢の涼子と恋仲なったシンのことを妬み、そして真をダマし外人部隊への編入契約書にサインするように仕向けた

 


神崎というキャラクターはとにかく野心家であり、「大和航空」すらも自分のものにしようと企みます

憎たらしさ全開のキャラクターですが、どこか感情移入も出来る要素も(たぶん)あり、作品を盛り上げてくれる存在です

 

 津雲涼子(cv.玉川砂記子)

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「大和航空」の社長令嬢

「大和航空」の飛行訓練生であったシンをお手伝いさんと間違えたことをきっかけに知り合い、恋人関係へと発展する

シンが外人部隊に入隊させられ「エリア88」にいることを知らず、突然自分の前から姿を消したシンの事を忘れられずにいる

 


涼子は芯のある女性でありますが、社長令嬢ということあり少し抜けたところも可愛らしいキャラクターです

神崎からの好意(略奪)にも屈することなく、シンのことをずっと愛しております

何としても涼子を手に入れようと企む神崎とのかけ引きもシーンも重ねるごとにヒートアップしていきますので、恋愛ドラマとしても魅力的な作品です

 



エリア88』にはまだまだ魅力的なキャラクターが登場し、中でもシンと共に「エリア88」で戦う仲間たちとのドラマも魅力があります

ここでは特に好きなキャラクターを紹介します!

 

ミッキー・サイモン(cv.富山敬)

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エリア88」のエースパイロット、シンにとっては良き先輩

誰にでも気さくな対応ができるキャラクターで、シンにも親身になって接してくれるムードメーカー

エリア88」へ来る前はベトナム戦争に参加していた過去があり、ベトナム戦争後に母国に戻るものの平穏な世界に戻ることが出来ず戦場へと戻ってきた

 

 

ミッキーはエースパイロットということもあり能力も高く、めちゃくちゃカッコいいキャラクターです

シンにも色々と助言したりと気の利いたところもありますし、ミッキー自身にも元婚約者・トレイシーとのドラマがあり物語を動かす重要な存在となります

あとやっぱりミッキーを演じている富山敬さんの声が素晴らしく、このキャラクターを嫌いになる人は居ないと感じるぐらい魅力的に演じられております

 

マッコイ(cv.家弓家正)

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エリア88」で武器商人・情報屋として活躍する老人、通称:マッコイじいさん

 様々な機体がある「エリア88」の武器を仕入れ、パイロット達に売り込みをする(しかも不良品もしばしば)

シンのことを色々と気にかけており、仕入れのついでにカップラーメンを買ってきてあげるなどの優しい一面もある

 

 自分が『エリア88』で一番好きなキャラかもしれません

マッコイじいさんは、「エリア88」に来た戦場カメラマンのフィルムバッグを隙を見て炎天下へ放り出し、フィルムがダメになったところで売りこむなど商売屋として素晴らしいところがあります

あとマッコイじいさんを演じる家弓家正さんの演技も素晴らしいです

家弓さんといえば、『未来少年コナン』のレプカ役や『鋼の錬金術師』のお父様役などダークなイメージがあったので、マッコイじいさんの様なユーモア溢れるキャラクターは『エリア88』で輝きます

 

 

その他にも、「エリア88」の指揮官のサキ・ヴァシュタール(cv.志垣太郎)や「エリア88」の取材に訪れる日本人戦場カメラマン・六木剛(通称ロッキー)(cv.仲村秀生)など、幅広くキャラクターが登場します

 

人殺しをしない為に、人殺しをする…

エリア88』で最も注目していただきたいのがシンの心境の変化であります

もともとシンは、神崎にダマされる形で「エリア88」に連れてこられ戦闘機のパイロットとなりました

エリア88」から抜け出す為に賞金を稼ぎ、違約金を払おうとするシンは「人殺しをしない平和な世界に戻る為に、人殺し(賞金稼ぎ)をする」という矛盾を抱えながら戦闘機に乗り戦っています

またミッキーなど「エリア88」で共に戦う仲間は、戦場に身を投じたことで平穏な世界に馴染めなくなり戦場に出戻りしてきた奴らばかりです

そういった環境下で生きるシン自身もまた、戦いにより戦場に染まっていきます

やがて、変わってきた価値観がシンを苦しめるのです

是非、シンの心の葛藤にも注目してください

 


 

そして『エリア88』で私が一番の太鼓判を押すシーンがACT.Ⅲ「燃える蜃気楼」にあります

先ほども書いたシンの心の葛藤がこのシーンで明確となり、アニメ『エリア88』の全てが詰まっていると感じるワケです!

ちょっとネタバレっぽくもなりますけど、是非知っていただきたく思います

 


(※ここから少しネタバレを書きます。回避したい方は緑枠部分を飛ばしてください)

 

シンは「エリア88」でエースパイロットと呼ばれる程に戦績を上げる中で、イトー・シュウイチローという日本人と留置所で話すシーンが用意されています

 


最前線に送られる恐怖から脱走を試みて失敗…銃殺刑を待つイトーに「バカなことをしたな…3年経てば日本に帰れるものの」と言い放つシン

するとイトーは「3年間、人を殺し続けてか…?」と悔いのない眼差しと不敵な笑みを浮かべながら返すのでした

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人殺しをしてでも平和な世界に戻ろうとするシン、人殺しをするぐらいなら一縷の希望をかけて脱走を試みたイトー…対立している様に見える関係ですが、ここでシンは過去の自分と対峙することになります

戦場に染まり切っていなかった頃のシンの心がイトーの中にあり、そこでのかけ合い劇が堪らなくヤバいです!!

そして最後にイトーは「アンタはな、殺人鬼なのさ!!」と言い残し旅立っていきます…

 


トッポい人生も悪くないと刺激を求めて外人部隊に入隊した若者は、自らの手を血に染めることを選ばず命を断つのでした

イトーが旅立っていく影を時計の秒針だけが刻まれる留置所でただ聞くことしか出来ないシン…このエゲツなさが心をエグってきます

 


またイトー・シュウイチローを演じられたのは千葉繁さんであり、数々の脇役を演じられてきた名プレーヤーぶりが遺憾なく発揮されされています

そして千葉繁さんと(シン演じる)塩沢兼人さんのかけ合い劇が、より心に訴えかけるシーンへと変貌させているのでした

素晴らしい声優2人によるドラマを観ていただきたく思います

 

大迫力のドッグファイト

やはり本作を彩っている魅力といえば、戦闘機による空中での戦闘シーンです

シンが搭乗する「タイガーシャーク」やミッキーが搭乗する「トムキャット」など実際にある航空機がモデルとして登場しており、本格的な空中戦が描かれています

いやマジで、空中戦でのドッグファイトが激アツなんですよ! 

そして戦闘シーンでの演出も良く、機関銃の撃ち合いやミサイル弾の軌道・追跡…そして

機体破損による空中分解など、緻密な描写の数々がリアリティを底上げしています

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今現在だと「エースコンバット」という航空機同士による空中戦を舞台としたゲームが人気ですが、そのゲームの世界観が本作で描かれていますので「エースコンバット」ファンの方にも観ていただきたい作品です

 

 

エリア88』はその他にも主題歌がすごく良く、特にMIO(現MIQさん) が歌う挿入歌「Good-bye, Lonely Blue」は80年代OVAの中でも5本の指に入るほど名曲だと思っておりますので、是非そちらにも注目していただきたいです

 

OVA黎明期の最高傑作

エリア88』 という作品は1985年に制作され、1983年から始まったOVAの歴史の中でも始めの頃に制作された作品の一つであります

そんな歴史の浅く自由奔放で荒削りな作品が多かったOVA黎明期の中、本作のクオリティは全てにおいて最高傑作と断言していいでしょう

こんな素晴らしい作品が配信サービスでも観れるずに、世に知れ渡っていないのはマジでおかしい!!

 

是非その素晴らしさを、まだ観られていない方には体感していただきたいです

 

 


 

冒頭でも書いた様に今現在、オリジナル版である『エリア88』のOVA版(全3話) は国内DVDや配信サービスで観ることができません

なので、再編集された劇場版とACT.Ⅲを是非観ていただきたく思います

 

OVA黎明期の中でも最高傑作な『エリア88ぜひご覧ください!

 

 

 

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【これだけは観てほしい!】『うる星やつら』ベストエピソード スタジオぴえろ編🤡

どうも、今一番観たい…そして映画館で観たい80年代アニメが『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』なSATAトミオです

 


ビューティフル・ドリーマー』マジで映画館で観たいですね~

少し前までは「GG映画祭」というイベントで『ビューティフル・ドリーマー』が映画館で観れる予定だったのですが、2021年始めからの緊急事態宣言により延期…いつイベントが開催されるか分からない状況になりました

 


もともと、『うる星やつら』TVアニメ版を2020年11月より視聴しており、作品前半部分となるスタジオぴえろ制作の第1話〜第129話までを先日見終えていました

そして、スタジオぴえろが制作した劇場版『ビューティフル・ドリーマー』を映画館で観てから、作品後半部分となるディーン制作の第130話〜218話を観ていこうと思っていた次第です

 


それが叶わなくなってしまった今、待っていてもイベント開催の目処が立たないのなら『ビューティフル・ドリーマー』を飛ばして後半戦のディーン版を観ていこう思うのです

 


しかし、ぴえろ版『うる星やつら』の素晴らしさをブログに書かないで先には進めない…ぴえろ版『うる星やつら』の魅力について書いておく必要があると感じました

 

 

 

というわけで今回は…

「これだけは観てほしい!『うる星やつら』MYベストエピソード inスタジオぴえろを開催します

 


アニメ『うる星やつら』に興味はあるけど、話数が多くて手をつけるキッカケがない…そんな方に向けて今回はお送りしたいと思います!

 

 

スタジオぴえろ版『うる星やつら』とは…

まずは『うる星やつら』について簡単に説明します

 


うる星やつらとは、1978年より週刊少年サンデーで連載され、1981年にアニメ化し全218話(配信サービス表記だと全195話)放送された高橋留美子原作のラブコメディ作品です

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アニメ『うる星やつら』は全218話放送されましたが、前半・後半とで異なるアニメ制作会社により制作された作品であります

・前半の第1話〜第129話(配信サービス表記だと第1話〜第106話)までを「スタジオぴえろ

・後半の第130話〜218(配信サービス表記だと第107話〜第195話)までを「ディーン


2つの異なるアニメ制作会社が制作に携わっている為、前半と後半では大きく作風の違いが出ていると語られております

 

スタジオぴえろ制作『うる星やつら』は、チーフディレクターを『パトレイバー』シリーズや『攻殻機動隊』の監督として知られる押井守さんが担当されており、原作エピソードの中にオリジナル要素が豊富に取り入れ独自のエッセンスが盛られた作品になっております

 


今回の記事では、前半部分を制作したスタジオぴえろ制作の『うる星やつら』のエピソードについて語っていきたいと思います

 


※()内は配信サービスでの話数表記となっております

 

第62話 「どきどきサマーデート」(#39)

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あらすじ

夫婦の危機を感じたラムは、遂にあたるとの初デートをすることに成功。あたるは条件として、ラムに電撃・空中浮遊を一切使わず普通の女の子の格好をしてくるよう命令する。始めは乗り気ではなかったあたるだが、普段見せないラムの一面に少しずつ心境の変化が起こる。

 

 

この回の見どころは、なんといってもあたるとラムちゃん初めてのデートをするというところにあります

デートをせずに同棲…ドキドキがない夫婦生活を修復する為に、ラムちゃんはあたるにデートを申し込むわけですが、これが何ともエモいのです

デートしたいっちゃ〕とあたるの肩をツンツンするラムちゃん…女の子の連絡先が書かれたあたるアドレス帳を盗み〔デートしてくれないと返してあげないよー〕と子どもっぽく強行するラムちゃん…など、もう可愛いくて可愛いくてヤバすぎます!

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当時の少年たちがラムちゃんに骨抜きにされたのがよく分かりました

 


そして、デートをすることに成功したラムちゃんはあたるの命令により、いつものトラ柄ビキニではなく私服に変身…髪型も少し変えて普段とは違った魅力で攻めてきます

更にデートということもあり、いつもの「ダーリン」呼びではなく、「あ•た•るくん❤︎」と軽快なステップを踏みながら近づいてくるところとか最高に破壊力がヤバイです!

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プールデート、公園デート(ローラースケート)など何気ないシーンの全てがエモく、2人の関係性と『うる星やつら』が持つポテンシャルの高さを感じることができます


どこに行っても周囲に注目されるラムちゃん…そんなラムちゃんを見て少しずつ心境が変化していくあたるの姿も、この回で巧みに描かれているのです


そして最後にポロッと出たあたるの本音がこの回の全てを物語っており、なんともエモいラストだといえます

 


これまでラムちゃんの愛から逃げ続けていたあたるも、実はラムちゃんのことが……という雰囲気を見せるストーリーであり、『うる星やつら』のターニングポイントだともいえるわけです

まぁ要するに、エモいシーンが詰まり詰まって心がキュンキュンする回だと言うことなので、この回を観てキュン死にしてくださいませ!

 

 

第69話 買い食いするものよっといで!(#46)

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あらすじ

友引高校の教師陣が「昼休み買い食い取締週間」として、学校外での買い食いを禁止した。買い食いの自由と平和を勝ち取るために、あたる・ラム・メガネら友引高校の生徒は教師らの不条理な条例に真っ向から反発…友引町での集団買い食いを決行する。しかし、友引町にはすでに教師らが至るところに張り込み、そこにはクラスメイトである面堂終太郎の姿も…

 


これぞ!『うる星やつら』という【ノリと勢い】だけで30分突っ走ったようなエピソードです

生徒VS教師という激しい対立構造を描き、教師らに捕まらないようにとにかく走り回り逃げます


隣町まで張り込んだり、店の置物となり変装して捕まえようとするなど、異常な情熱で違反者を捕まえようとする教師サイド

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多少の犠牲を出しながらも逃げ回り、メガネによる熱い演説で奮起する生徒サイド

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それに加えて、店の売り上げを守る為に生徒らを支援する友引商店街の大人たち


それぞれの思惑がぶつかり合い混沌とした展開がめちゃくちゃ笑えて魅力です

 


そしてラストに「「明日も頑張るぞー!」」とある事を誤魔化すあたるも素晴らしく、実に『うる星やつら』な展開に思えます

「買い食いをする」という単純明快な話をここまで広げ、学生運動に似た生徒VS教師の対立構造を真剣に描いているからこそ、バカげて笑えるドタバタ劇になっているかもしれません

 

第101話 みじめ! 愛とさすらいの母!?(#78)

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あらすじ

あたるの母は夫の少ない稼ぎの中でやりくりをして家庭を支えてきた。ある日・バーゲンセールの会場で強く頭を打ち、夢と現実の狭間を彷徨う母。自分は誰なのか…何のために、誰のために生きているのか…。本当にあたるの母かもわからない世界で迎える結末とは…?

 


(あたるの)母さんの深層心理に迫り、夢と現実の世界を描いた迷エピソードです

そんな夢と現実の狭間を描いたエピソードでありますが、マジで何の話をしてるの?と思えるぐらい全く理解できません

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突然、古風な少女が現れて「かごめかごめ」の曲が流れ、母さんによる夢の世界が連鎖されていくのです

うん…自分で書いていてもやっぱりよく分かりません!


しかし、ドタバタコメディでもなく…シリアスな感動モノでもない…本当に何を描いているのかわからないと思える奇怪なエピソードも、ぴえろ版『うる星やつら』の魅力?だったりします

 


そして『パトレイバー』シリーズや『トワイライトQ 迷宮物件FILE538』でも多用されるキャラクターによる長文の言い回しこれぞ!押井守、という感じが堪らなくオタク心に刺さる回でもありました

 


ちなみに本エピソードには色々と逸話があります

実は、あまりにも問題作だったのでフジテレビに一旦納品拒否されますが、放送に間に合わないことから結局納めたとか…

この時、チーフディレクターであり脚本を務めていた押井さんは、局長室に呼びだされて厳重注意をうけたみたいです

結果的にこのエピソードは、その後公開される『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』の元ネタとなったらしく〔押井さん全然反省してねぇ~〕と個人的に感じました

 


そんな色々と問題のあるエピソードですが…ただ、夢の世界をどこまでも深く突き詰め、あたるの母を主役に置くなどチャレンジ精神に溢れる難解でありながらも素晴らしい回です

そして、間違えなく今現在のアニメスタイルを築いた作品(エピソード)の一つなので、アニメファンには是非押さえていただきたい回となっております

 

 

第114話 ドキュメント・ミス友引は誰だ!?(#91)

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あらすじ

美人ぞろいの友引高校で、ナンバー1を決める「ミス友引コンテスト」の開催が決まる。有力候補とそのファンが票を集める為に選挙活動をする中、あの手この手の裏工作で票集めをする候補の出現により陰謀渦巻くミスコンへ…さらに周辺高校、友引町全体を巻き込む壮大な争いに発展していく。

 


友引高校で一番の美女を決めるという回でありますが、後半あたりからドンドンめちゃくちゃな方向へと進んでいくカオスなエピソードです

ちなみに私がぴえろ版『うる星やつら』で一番笑ったエピソードがこの回であります

いや…ホントね、全力でバカな事をするって素晴らしいな!と痛感した回でした

 


ラムランサクラ先生竜之介しのぶといった作品屈指の美女たちが「ミス友引コンテスト」の有力候補として票を取り合い争うわけですが、次第に過激な選挙戦へと進んでいき、運営委員長にあたるが就任すると、ワイロ・不正・脅迫は当たり前…何でもありの事件へと発展していきます

 


有権者同士でも、ライバル候補の顔を的当てゲームの対象にしてたり、隠れキリシタンを暴くやり方と同じ要領で踏み絵を試みる場面が描かれており、ぶっ飛んだ内容が展開されるのです

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更にBパートに突入すると、「ミス友引コンテスト」により友引高校にナンバー1女生徒が誕生するのを恐れた【仏滅女学院・赤口高校・三隣亡学園・大安商業高校】といった周辺高校のナンバー1女生徒で結成された「通称:薔薇の蕾」は、各校のナンバー1女生徒がそれぞれに候補者をバックアップ…運営委員長のあたるにデートを持ち掛け不正を促す展開に発展します

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さらに更に、友引町でもお店ごとに各候補がイメージギャルを務めタイアップを開始…

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それにより妨害工作で一部の候補者のポスターが街から消える事件があり、かえってその候補者の人気を裏付ける結果となったという描き方もエゲツなく切れ味が鋭いと感じます

 


タレント効果とは何か…タイアップ・広告効果とは何か…と何故かビジネス論まで考えさせられ、教養も深まるエピソードです


※注・今、『うる星やつら』のアニメの話をしています

 

あと錯乱坊役の永井一郎さんがナレーションを務め、面白さを倍増させるスパイスとなっています(永井一郎さんがナレーションする回は大概ぶっ飛んだいて面白いです)

起こる展開全てが無茶苦茶であり、屈折した描き方が自分の中でハマれば間違えなく名作エピソードと言えるでしょう!(少なくても私の中ではベスト1のエピソードです)

本エピソードのラストをどのように迎えるのか楽しみに見ていただきたく思います

 

このミスコン回は原作エピソードであり、原作の方では何話もかけてしっかりとコンテストが開催されいます

それを…こんなふざけた感じで昇華するあたり、当時の勢いやぴえろ版の良さ(原作ファンからしたら悪さ)が詰まったエピソードだと感じました


この回の面白さは、(当たり前ですが)本編を観ていただかないと分かりません…というよりも、自分で書いていてもぶっ飛びすぎていて伝えきれていないと感じます

次々と迫ってくる怒涛の展開を楽しんでいただきたいです

 


 

その他にも、数年前にNHKBSプレミアムで行われた「全るーみっく大投票」で一位なった感動回 第67話「君去りし後」(#44)、授業中に私語を全く話していけないガキ使の企画にありそうな 第79話「命かけます授業中!」(#56)、無銭飲食のプロが友引町に集結する 第122話「必殺! 立ち食いウォーズ!!」(#99)など、バラエティに溢れたエピソードばかりなので是非多くの方に観ていただきたく思います

 

 

80年代アニメの全てが詰まっている

まず『うる星やつら』を見始めてから始めに感じたのが、当時のトレンド(流行)をいち早く取り入れパロディとして昇華しているという事でした

ホントに何をやってもいい!ハチャメチャにバカ騒ぎして楽しんでしまえ!という勢いが画面いっぱいに表れています

まさにED「宇宙は大ヘンだ!」の歌詞にもある「変と変を集めて もっと変にしましょう」の世界です


そのバカさ加減が程よく、作品から放たれる輝きで世界観に圧倒されました


そしてスタジオぴえろ版『うる星やつら』がすごいと感じるところは、80年代当時のアニメ業界を席巻していたというのが観ていると作品ごしに伝わってくるところです

当時のアニメ雑誌でも常に表紙と特集が組まれ、当時の若者のハートを掴み80年代アニメを代表する作品であった理由が作品内にあるのです

 


 

ここまで前半部分のスタジオぴえろ制作の『うる星やつら』について語ってきましたが、後半部分のディーン制作の『うる星やつら』を観たら、自分の意見が大きく変わるかもしれません

それはそれとして楽しみな事であります

そんな思いを抱いて、ディーン版『うる星やつら』を観ていきたいです

またディーン版でもベストエピソードの紹介を予定しておりますので、その時にまた熱く思いを語れればと思っております

 

皆様も是非、スタジオぴえろ制作の『うる星やつら』を観てください!

 

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名作プレイバック第14回『とんでも戦士ムテキング』新作リメイクが作品を風化させない🗽

やぁ!やぁ!やぁ!

突然ではありますが、80年代アニメがリメイク(リブート)される事を大歓迎しているSATAトミオでございます

 

リメイク(リブート)されるということは、オリジナル(原作)元である80年代アニメ作品が注目されるということなので、リメイクはジャンジャンやっていただきたいですね

 


そしてそして、おめでとうございます!

昨年あたりからいつか…いつか!と待たれていたとんでも戦士ムテキング(1980)』を※リブートした新作アニメの情報がついに公開されました

あぁ…めでたい、めでたい

(※リブートとは、原作の魂を継承しながらも新しく仕切り直して作るという意味です)

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今回は、そんなリブート元となった原作『とんでも戦士ムテキング』のお話です

 

 

とんでも戦士ムテキングとは、1980年にタツノコプロ制作により全56話放送されたヒーローギャグアニメです

そして2021年秋には、本作のリブート作品として『MUTEKING THE Dancing HERO』が放送予定であります

まさに今一番注目されている80年代アニメなのです

 

2021年秋に放送される『MUTEKING THE Dancing HERO』は『ムテキング』同様にタツノコプロが制作に参加し、さらに手塚プロダクションと初めてタッグを組み制作されます

そして総監督には、なんとあの高橋良輔監督が担当されるみたいです

高橋良輔監督といえば、80年代に『太陽の牙ダグラム(1981)』『装甲騎兵ボトムズ(1983)』『機甲界ガリアン(1984)』『蒼き流星SPTレイズナー(1985)』と数多くロボットアニメで監督され、『機動戦士ガンダム』などの監督として知られる富野由悠季監督と共に80年代リアルロボットアニメ黄金期を牽引してきました

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そんな高橋良輔監督がギャグ色の強い『ムテキング』をどのようにリブートするかも気になりますし、これは間違えなく80年代アニメが好きな方にも刺さる作品になるかと思われます

youtu.be

 

 

しかし、オリジナルである『ムテキング』は今から40年も前の作品です

定期的にアニメ化もされるタツノコプロの代表作『タイムボカン』シリーズとは違い、『ムテキング』は平成世代にとって無縁に近い作品だといえます

その為、先日「AnimeJapan」で発表があった時も、ムテキングの新ビジュアルに今のアニメファンからは〔えっ、誰?…〕といった反応が多い感じでした

2021年秋に放送される『MUTEKING THE Dancing HERO』のヒットの為にも、オリジナル版である『とんでも戦士ムテキング』を若い世代に知っていただく必要があります

 


というわけで、今回は『とんでも戦士ムテキング』の魅力について語っていきましょう

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『MUTEKING THE Dancing HERO』の放送までまだ時間がありますので、このブログをきっかけにリブート元の『ムテキング』についても知っていただければと思います!

 


あらすじーー

舞台はヨンフランシスコ

タコ星から逃走したクロダコブラザーズを追って地球にやってきたタコ星の保安官助手・タコローは、地球で出会った少年・遊木リン(cv.井上和彦)のコンビを組む

そして、リンはタコローの力によりムテキングへと変身し、クロダコブラザーズの犯罪を取り締まっていく

 


アメリカ西海岸のサンフランシスコをモデル舞台としたアメリカンテイストの強い作品であり、ローラースケート姿のヒーロー(ムテキング)が悪を懲らしめる『タイムボカン』シリーズを彷彿させる作風も魅力的です

また毎回巻き起こる事件や登場するキャラクターのバリエーションも豊富であり、一話完結型のギャグ展開も観ていて飽きることがありません

 

 

 

まず始めに本作の主役である遊木リンとタコローについて紹介します

 

遊木リン/ムテキング(cv.井上和彦)

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ヨンフランシスコに住む遊木家の次男

常にローラースケートとウォークマンを身につけており、元気溢れる小学生

タコローとコンビを組み、クロダコブラザーズ逮捕に協力している

タコローの力により、ド派手なアメリカンヒーロー姿の「ムテキング」へと変身する


母の遊木小晴はヨンフランシスコ警察の署長、長男のサミーはヨンフランシスコ警察の刑事、父の遊木団吉はタコベーダーの研究をしている学者である

 

タコロー(cv.有崎由見子)

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タコ星からクロダコブラザーズを追って地球にきたタコ星の保安官代理(タコベーダー)

クロダコブラザーズを捕まえて立派な保安官になる夢があり、遊木家に居候する事になる

お調子者で失敗も多く可愛い女の子に目がないが、クロダコブラザーズ逮捕への情熱と正義感は誰よりも強い

遊木家の飼い犬・ヌーボンとは、共に惚れている遊木家の養女・ミッチーのことで度々衝突する

 

 

リンとタコローのコンビ…そしてタコローが乗ってきたメカ・ホットケソーサーやその搭載メカ・サイザンスメデタインコンチューター…そして千葉繁ボイスが素晴らしい救援メカのトカゲッテルと数多くメカも登場しタツノコプロらしいユーモアなアクションを楽しむことができます

 

憎めない悪役・クロダコブラザーズ

タツノコプロ作品といえば、『タイムボカン』シリーズの三悪のように魅力な敵が特徴ですが、本作にも地球侵略も狙う敵キャラ・タコベーダー【クロダコブラザーズ】の存在が作品を盛り上げてくれます

私自身、このクロダコブラザーズの存在が大好きで作品を楽しんで観ているところがありました


始めは地球侵略を掲げてヨンフランシスコ市民を襲い、タコローとムテキング(リン)に退治されるのが毎回のパターンとなっていましたが、作品が進むにつれて野望の規模が縮小され、最終的にはタコローを辱めたい為だったり紙芝居の内容にケチをつける為だったりと下らない事に悪事を働きます

そういったバカバカしい姿もクロダコブラザーズの魅力です

 


そんなクロダコブラザーズは、【長男・タコキチ、次男・タコマロ、三男・タコサク、長女・タコミ】の4兄妹であります

ここで簡単な紹介をしましょう

 

タコキチ(cv.大平透)

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クロダコブラザーズの長男でありリーダー

逮捕しようとしてくるタコローを目の敵にしている

妹のタコミを溺愛しており、タコミには甘い

ムテキングのことが好きなタコミに嫉妬することも多い

 

タコマロ(cv.辻三太郎)

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クロダコブラザーズの次男

活躍の機会は少ないが、車の操縦などスキルを数多く持っている

 

タコサク(cv.青森伸)

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クロダコブラザーズの三男でありメカ担当

東北訛りが特徴的なキャラクターであり、タコローたちの偵察などをしていることが多い

 

タコミ(cv.高坂真琴)

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クロダコブラザーズの長女であり四兄妹の一番下の妹

敵であるムテキングのことを愛しており、ムテキングのピンチをタコミが助けたことでクロダコブラザーズが敗れた場面が幾つもある

 

クロダコブラザーズは、一番下の妹であるタコミを3ダコ(人)の兄弟が可愛がり甘やかすことで失敗したりと、悪役でありながら憎めない存在であります

是非、そんなタツノコプロらしい憎めない悪役に注目してください!

 

『ムテキング』の元ネタは西城秀樹!?

『ムテキング』が放送されていた1980年というのは※【ナウい】という若者言葉が流行していた時代です

(※ナウいには、今風や現代的という意味があります)

ナウい】という言葉は『ムテキング』本編内でも度々使われ、作品自体にもナウい要素が詰まった作品となっております


ここで当時のナウいポイントを紹介します!

 

ローラースケート

主人公リンらやムテキングも履いているほど本作の肝であるローラースケートは、1970年代後半に音楽を流しながらローラースケートを楽しむ「ローラーディスコ」というのが海外で流行していたのが大きな影響を与えていると考えられます

日本でローラースケートが流行ったのは、その数年後にジャニーズグループ"光GENJI"が登場してからですから、つまり『ムテキング』はジャニーズよりも時代を先取りしていたわけです

 

ウォークマン

主人公リンが首に掛けてヘッドホンをしているウォークマンは、『ムテキング』が放送される一年前の1979年に日本で初めて発売され、「外に持ち運べる音楽メディア」として大ヒットを記録します

また、上半身裸にウォークマンを付けた西城秀樹さんの写真が話題となりヒットの火付け役になったとか…

そして、その写真で西城秀樹さんはローラースケートをしていたということで、もしかしたらその写真の西城秀樹さんそのものが『ムテキング』の元ネタなのかもしれません

 

 

アメリカンな西海岸から日本の下町へ

『ムテキング』といえば、サンフランシスコをモデルとしたヨンフランシスコが舞台なアメリカンテイストの強いイメージがある作品でしょう

しかし、33話からは作品舞台を日本へと移し、下町情緒溢れる作品へと変貌します


作品のナビゲーターであるキャスターマン(cv.安原義人)もおまつりマンと名前を変えたりと色んな変更点がありますが、一番はストーリー展開が変わりました

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アメリカンスタイルのストーリーから大幅に変更され、神輿を担ぐ回や路面電車の回、花火職人のお爺さんが登場したり、忘れかけていた何かを思い出させてくれる様な心温まる下町ストーリーばかりとなります

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アメリカンテイストの強い『ムテキング』も素晴らしいですが、作品後半より観ることができる下町情緒溢れるシーンも楽しんでいただきたいです

 

新しいコンテンツが出ない作品に未来はない…

冒頭でも書いたように、私は80年代アニメがリメイクされることに賛成派です

もちろん、オリジナルからのスタッフ・キャストの変更など作品イメージが変わることからリメイク化を反対する声が出る理由も分かります

しかし、何年経っても新しいコンテンツが出てこない作品には未来がないと感じるわけです

 


80年代アニメが大好きな20代として一番辛いのが、同世代の若者が作品を知らない・興味ないということです

新しいコンテンツがない作品は若者からドンドン忘れ去られていきます

つまりは、作品が風化していくのが一番怖いのです

それを食い止めることが出来るのが、リメイク(リブート)であると考えています

 


リメイクされる事により、元になったオリジナル作品にまたスポットが当たる…それはとても重要なことです

リメイク版をきっかけに、昔の作品に興味を持ってくれる人が1人でもいたら嬉しく思います

 


『MUTEKING THE Dancing HERO』の放送まで、まだまだ時間はあります

是非、リブート元である『とんでも戦士ムテキング』を観て、秋からの放送を心待ちにしていただきたいです

 


最後まで見ていただきありがとうございました!

テンキュー🎶

 

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【君はまだ、本当の富野展を知らない⋯💥】『富野由悠季の世界』【青森会場レポート】

富野由悠季の世界』 最終章!

 

先日『富野由悠季の世界』展、最終開催地である青森会場に行ってきました

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1月に閉幕した富山会場から、約1ヶ月が経ち開催された青森会場…

元々青森会場は、4つ目の開催地として2020年4月に開催が予定されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期…その結果、富野展最後の開催地となりました


そして青森会場には、新たにエンディングコーナーなど過去の会場になかった展示が追加されており、最終開催地に相応しい会場であったのではないかと思います

 


というわけで今回は、『富野由悠季の世界』青森会場の魅力を全力で伝えていく記事です


最終開催地である青森会場の魅力を伝え、これから行かれる方・既に行かれた方もまた行きたくなるような記事に出来るよう書いていきます

 


 

富野由悠季の世界』青森会場とは、青森県青森県立美術館で開催されている巡回展です(過去の開催地:福岡・神戸・島根・静岡・富山)

開催期間は2021年3月6日(土)〜2021年5月9日(日)までとなっております

そして、今回開催されている青森会場が東北圏初の開催地となり、『富野由悠季の世界』展・最終開催地でもあります

つまり、富野展のラストを見届けないでどうするのさ…というワケです!

 

 

 

青森会場である青森県立美術館へのアクセスは、JR新青森駅から車で約10分・青森駅から車で約20分・青森空港から車で約20分、と空港や最寄り駅から少し離れた地にあります

その為、車(タクシー)での来館以外は基本的には最寄り駅からバスで来られるのがオススメです

 


最寄りのバス停である「県立美術館前」で下車し、青森県立美術館に到着

私が訪れた時は3月中旬でありながらまだまだ雪が残っており、白い美術館の外観とマッチして幻想的な趣がありました

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そして美術館入り口にたどり着き、いざ入場!

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入場しますといきなり待ち受けているのが、富野キャラクターがズラリと描かれた白い空間…

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!!圧倒的じゃないか!!

いきなり青森会場の洗礼を受けることになります

ここに描かれている富野キャラクターたちは、それぞれのキャラクターに設定された身長が再現されており、自分の身長との比較しながら写真撮影ができるのです

 

 

ここから青森会場に展示スペースに入っていくわけですが、チケット売り場にある一階からエレベーターに乗り移動…エレベーターの扉が開きたどり着いた先は、B2F…まさかの地下なのです!

地下!地下!地下!!

今まで福岡・神戸・島根・静岡・富山と5会場を巡ってきましたが、地下に展示スペースがある美術館は初めてでした

まさに、地下にモビルスーツが隠してありそうなぐらいめちゃくちゃ広い空間であります

 


さぁここから展覧会場内について書いていきましょう

 

富野由悠季の世界』展の総集編

当ブログでは、これまでに開催された5会場全てのレポート記事を書き、作品の展示場所を記した「会場マップ図」というものを(非公式で)書いてきました

この「会場マップ図」を書く楽しみもあり、全国の『富野由悠季の世界』各会場を訪れているワケです

さあ、今回もどんなマップ図になるのかと楽しみに訪れた青森会場!なのですが…

展覧会場の受付入り口で、なんと!「青森会場 推奨順路」というマップ図が配布されます

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まさかの富野展公式による会場マップ図!!

これまでの会場で配布されることは無かったのでめちゃくちゃ衝撃的でした

あと公式からの配布とだけあって、高クオリティでめちゃくちゃ分かりやすく記載されています(私の低クオリティのマップ図とはワケが違います…)


これで私が会場マップ図を書く意味はなくなりました.

しかし、小さいプライドではありますが、こちらにも過去5会場の会場マップ図を描いてきた意地があります!

低クオリティで提供することを恥と知りながらも、自分なりの会場マップを描きたいのです

そういう意味では、俺は破廉恥な男かも知れん…。

誰にも求められなくても個人的な記録として(勝手に)ここに記したいと思います

低クオリティではありますが、ご覧ください…これが青森会場だ!

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これが『富野由悠季の世界』青森会場の発現か…!!


最終会場である青森会場で、ついにきたか!と感じた2フロアに分かれての展示!!…

 

これまでに巡ってきた過去の会場は全て1フロアだけの展示でありましたが、青森会場では第一会場(B1F)第ニ会場(B2F)に分かれており、順路としては【 「アニメができるまで」第ニ会場(B2F)→ 第一会場(B1F)→ 第ニ会場(B2F) 】とい感じに回ることになります

このように会場が分かれていることでソーシャルディスタンスも保ちやすくなり、コロナ対策にも繋がているのではないでしょうか

 

 

さらに今回の青森会場では『イデオン』エリアが拡充されていることにより、過去の会場では『ガンダム』エリアの次にあったはずのイデオン』エリアが会場中盤に配置されるようになっております

これまでの常識としていた順路を破壊してくる…これぞ「パターン破りの富野展という感じでしょうか

 


先ほども書いたように、私自身これまでに開催された5会場全てを見てきたわけですが、それでもあっと驚かされる展示方法や新たに気づかさせる魅力があります

まさに富野作品同様、底なし沼ような企画展が『富野由悠季の世界』なのです

そして今回開催されている青森会場は、これまでの富野由悠季の世界』展の総集編ともいうような全てが詰まった会場といえます

 

 

(過去会場のマップ図ついては、ブログ一番下にある各会場のレポート記事より見ることができます)

 


まずは他の会場から"マイナーチェンジ"されたポイントについて書いていきます

 

 

過去の会場でロビーや出入口に飾られ富野展のフォトスポットとなっていたダイターン3立像が、今回の青森会場では会場内の『ダイターン3』エリア内に展示されております

ダイターン3立像が展示会場内に配備されたことで、より締まった空間になったのは素晴らしいことです

ただ、写真で撮るダイターン3立像からは各会場のカラーが出ていると感じるだけに、写真撮影が出来なくなったことには少し寂しさを感じました

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∀ガンダム』エリアに向かう直線は緩やかな坂になっており、その向かう先には奥井亜紀さんが歌う「月の繭」が流れる『∀ガンダム』の最終回ラストシーンの映像があります

そして、そのシーンが流れる真横に、富野由悠季監督直筆の「月の繭」の歌詞が展示されておりました

ラストシーン映像・直筆歌詞は過去の会場では独立して展示されていましたが、青森会場のように2つを組み合わせて展示することにより、さらに印象深い展示とラストシーンになったと感じます

 

 

各会場ごとで毎回違うのが映像関係です

今回の青森会場では、『ダンバイン』の映像に複数のモニターが用意されおり、絵コンテの展示を見ながらシーンごとに楽しむことができます


さらに青森会場の展示会場の天井が高い為、『劇場版 ガンダム』や『ガンダムF91』などの映像は展示物の上に映写されているエリアもあります

また『ダイターン3』の映像や『劇場版 ガンダムⅢ』のブライトさんとミライさんのシーン映像がなくなっていたりと変更点もありました

 

 

まあ、これらの違いは本当に些細なものなのであまり気にしないでください

本番はこれからであります!

 

イデオン』は、ここから始まった!

青森会場の見どころといえば、『イデオン』コーナーであります

伝説巨神イデオン』は2020年にテレビ放送40周年を迎え青森会場では、企画書や重機動メカの立体物の展示などイデオン』コーナーを拡充して取り上げられています

他の会場ではスペースの関係上全て見ることが出来なかった『イデオン』放送前に書かれた企画書、演出のアイディアメモの数々が丸々見れるのです

そんな数ある資料の中で特に注目していただきたいのが企画書であり、対象(年齢)や主題、作品のテーマとなる「イデ」などスポンサーに売り込む為のアピールポイントが書かれています

またスポンサーに売り込む為か、幼児にも分かり易い作品や明快なアクションを盛り込むといった書き込みもあり、色々とツッコミたくなる点もありました

そういった本編との違いを楽しんでいただけると思います


その他にも『伝説巨神イデオン』というタイトルになる以前…『スペース・ランナウェイ ガンドロワ』時代に書かれた企画書のキャラクター設定にもツッコミたくなる要素があり、『イデオン』に登場するキャラのギスギス感は始めから考えられていたことが分かります

 

 

原寸大 リ・ガズィは伊達じゃない!

先ほども少し描いたように、青森会場は天井がめちゃくちゃ高いです

第1会場から第2会場へと移動する時に「アレコホール」というエリアを通りますが、そのスペースには実物大のガンダムが入るぐらい天井が高く広々とした空間になっています

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そんな青森会場では天井の高さを生かした展示が新たに加わっており、それが原寸大  胸像「リ・ガズィ ダミーバルーン」の展示です

実物大のモビルスーツと同サイズである「リ・ガズィ ダミーバルーン」は『逆シャア』エリアに展示されており、『ダンバイン』エリアを抜け左舷(左)から見えた時のインパクトといったら尋常じゃありません…

まさに、リ・ガズィは伊達じゃない!です

自分の目線にリ・ガズィのコックピット部があるので、〔実際にモビルスーツを目の前にするとこれほどまでに迫力があるのか〕と改めてその巨大さを体感することができます

 


さらに天井の高さを生かした展示として『∀ガンダム』エリアでは、本作のメカデザイナーであるシド・ミードさんがデザインした∀ガンダムとターンXのスケッチが、高さ4mにもなる巨大サイズの壁紙として展示されています

その他にも、シド・ミードさんのデザインスケッチのパネルも展示されており、富野展では青森会場だけでしか見ることができません

 


是非、青森会場だけでしか見ることができない天井の高さを生かした展示をご覧ください!

 

富野メカ勢揃い、モデラーたちによる模型博物館

青森会場では、過去の会場よりも空間を広く確保して展示されている印象があり、エリア移動の動線として至るところにプラモデルやフィギュア・超合金といった立体物の展示がありました

静岡会場でも展示されていたプロモデラーであるMAX渡辺さんのガンプラ作品が展示される一角もあり、『∀ガンダム』エリアでもプロモデラーであるNAOKIさんが制作した【∀ガンダム・ターンX】の展示もあります(その他にも色々あります)

 


様々なプラモデルの展示がある中、発売して間もない立体物の展示もされており、それらも青森会場の特徴の一つです

超合金魂」シリーズから発売された【ザンボット3】・【ダイターン3】…

「HI-METAL R」シリーズから発売された【ザブングル、ガバメントタイプ(ティンプ機)、ブラッカリィ】・【エルガイム、バッシュ】…

逆シャア』エリアでは、「STRUCTURE 解体匠機」のνガンダムが展示されています

 


そして、『イデオン』エリアでは現在監修中のノンスケールフィギュア「threezeroX竹谷隆之 イデオン」の展示もありました

デザイン、原型制作、そして開発に合計5年以上の歳月を掛け製作されている「threezeroX竹谷隆之 イデオン」は、作品内で出てくる「第6文明人」という異星人の文明による作られたことを強調したかたちにリデザインされております

現在予約受付中の当キットが『イデオン』の展示物と共に見れるというだけでも価値があると思いませんか

立体物の展示にも注目して見てください

 

白い『ガンダム』・赤い『イデオン

富野由悠季の世界』展では、会場ごとに地元のメーカーとコラボしたグッズが販売されることがあります

島根会場では地元の老舗和菓子店「三松堂」さんとコラボした「シャア専用源氏小巻」、富山会場では富山県のブランド米「富富富(ふふふ)」とコラボし富野展オリジナルパッケージとして商品化されていました(「富富富」の富野展オリジナルパッケージは青森会場でも購入できます)

そして青森会場では、地元の老舗せんべい店「大成堂」さんとコラボした「南部あめせんべい」が富野展限定として2種類が販売中です

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白いパッケージが『ガンダム赤いパッケージが『イデオン…各種3枚ずつキャラクターやモビルスーツらがプリントされた南部せんべいに艶やかな水飴がサンドされており、サクッとした食感の中に豊かな甘さを楽しむことができます

青森会場でしか購入できない一品となっておりますので、是非お買い求めください!


その他にもシドミード展でも販売されていたグッズ、さらに富野展の新商品として与圧服のソフビの予約も受付中であります

 

エピローグ  - 誰も知らないラスト -

青森会場が過去に開催された5会場と徹底に違うのが、展覧会のラストにエピローグが新たに追加されたことです

過去の会場では、最新作である『ガンダム Gのレコンギスタ』の展示をラストに配置していたのに対して、新たにエピローグが追加されていることにより、全く違った印象を受けて終えることになります

 


その気になるエピローグの内容なのですが…ここでは書きません!

ネタバレになるからという理由もありますが、エピローグに関してはおそらく感じ方が人により違うのではないか?と感じるからです

ただ、青森会場だけに存在するエピローグは、これまでに『富野由悠季の世界』を開催してきた美術館サイドのアンサーという形で展示されています

ただのアニメの展示で終わらせるのではなく、美術館で展示される意義がそこに詰まっているワケです


なので、君の目で確かめろ!…というわけで、是非青森会場に来館してご覧ください!

 

 

その他にも青森市にある映画館「シネマディクト」では、4月24日〜4月30日まで劇場版富野作品の上映がされてます

www.cinemadict.com

そして4月4日(日) には<青森朝日放送>で『伝説巨神イデオン 接触篇』も放送予定です

(青森だけといえ)地上波で劇場版『イデオン』が観れるなんてめちゃくちゃレアな体験じゃないですか!?

是非この機会に、「イデの力」を多くの方に体感していただきたいです

 

あぁ、感動のラスト前

このたび開催されている青森会場は、本来2020年4月18日(土)〜6月21日(日)に開催される予定でした

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大…全国での緊急事態宣言の発令により延期する決断を余儀なくされたのです

青森・富山会場と延期になり、特に青森会場は開催一ヶ月前での延期決定だったので、1番打撃をくらった会場でもあります

宣伝ポスターやチラシなどが配布され、既にイベントなども決まっていた状態での延期は、先が見えないほど暗い出来事だったでしょう

 


そして一年が経ち、最終会場として万感の思いで開催を迎えた青森会場に死角はありません!

なんなら延期になったことで、よりパワーアップした展示になっているのではないかと感じるぐらい素晴らしいです

 

美術館入館時の検温・消毒はもちろん、展示スペースの空間も広くとられており、新型コロナウイルスの感染予防対策もしっかりされています

ピンチをチャンスに変え、そして「チャンスは最大限に生かす」…富野流の主義で作り上げられる青森会場に何度でも足を運んでください!

 



2019年6月・福岡で初めて開催された『富野由悠季の世界』から約2年…神戸・島根・静岡・富山と長きに渡る旅も2021年5月9日(日)に、この青森会場で終わりを告げようとしています

 


結果的には2年に渡り開催されることになったわけですが、こうも長く巡回展が続いていると『富野由悠季の世界』展がある生活が当たり前になっている自分がいました

この青森会場で本当に終わりなんだという実感が全然ない…でも終わってしまうんです

そう思うと色んな感情が込み上げてきます

 


今回の青森会場は、はっきり言って今までに見てきた会場と全く違うといっていいでしょう

過去5会場のDNAを受け継いだ青森会場だからこそ見る価値があり、是非色んな方に見ていただきたい!

 


2021年5月9日(日)で本当に終わってしまう『富野由悠季の世界』…そのラストシューティングを是非ご覧あれ!!

 

 

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富野由悠季の世界」青森会場

会期 2021年3月6日(土)~5月9日(日)

会場 青森県立美術館

038-0021 青森市安田字近野185

 

www.tomino-exhibition.com

www.aomori-museum.jp

 


過去の会場レポートはこちらから

 福岡会場(開催期間:2019年6月22日(土)〜9月1日(日)

80sanime.hatenablog.com

神戸会場(開催期間:2019年10月12日(土)〜12月22日(日)

80sanime.hatenablog.com

島根会場(開催期間:2020年1月11日(土)〜3月23日(月)

80sanime.hatenablog.com

・静岡会場(開催期間:2020年9月19日(土)〜11月8日(日)

80sanime.hatenablog.com

・富山会場(開催期間:2020年11月28日(土)〜2021年1月24日(日)

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『クラッシャージョウ』伝説のアニメーターが送る、宇宙で一番熱いアニメ🔥

どうも、最近80年代アニメの話題が絶えないことに歓喜しているSATAトミオです


ホント最近、80年代アニメの話題多くないですか!?

何か毎日のようにグッズ化されたり、動画配信サービスで配信されたりと話題が尽きないように思います

 


そして3月1日からも、公式YouTubeサンライズチャンネル」が大幅リニューアルされ、毎日(月~金)20時から各日サンライズ作品が1クールごとに入れ替わりで無料配信されるようになりました

水曜日には『重戦機エルガイム(1984)』、金曜日には『装甲騎兵ボトムズ(1983)』が一話ずつ公開されており、80年代サンライズアニメ作品がYouTubeで観れるのは嬉しいことです


【予告】サンライズチャンネル 配信ラインナップ第1弾だよ!


YouTubeで無料配信されているというのはすごく意味合いがあることで、〔作品に興味はあるけど中々手が出しにくい〕という新規層に効果的な宣伝になるのではないと思います

特にYouTubeではコメント投稿ができたり、他の方のコメントを観ながら視聴することもできるので、そこはサブスクなどの動画配信サービスとは大きく異なることです


そんな新たにリニューアルされた「サンライズチャンネル」でありますが、3月12日(金)には1983年に制作された安彦良和監督の初アニメ映画監督作品、劇場版『クラッシャージョウ22時より特別限定配信されます!

 


イェーイ!宇宙が熱い!!

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クラッシャージョウ』といえば、1983年当時のアニメージュで開催された第6回アニメグランプリ作品部門大賞(1位)に輝き、主人公のジョウも男性キャラクター部門2位と華やかな成績を残した80年代を代表するアニメ映画であります

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しかし、Blu-ray版が発売されるまではDVD版しかなく、幻のアニメ映画作品と呼ばれるほど観ることが簡単な作品ではありませんでした

そんな作品がYouTubeで無料配信されるということは素晴らしい限りです

 


今回、せっかくYouTubeで無料配信されるワケですから、多くの方に『クラッシャージョウ』を観ていただきたく本作の魅力が伝わるよう語っていきたいと思います

 


クラッシャージョウとは、1977年に小説が発売され、1983年に劇場版アニメ、1989年にはアニメOVAで2作品発売、そして今なお新作小説が出続ける高千穂遙さん原作のSF小説シリーズです

キャラクター原案(小説の挿絵)を担当されたのは、『1stガンダム』のキャラクターデザインでもお馴染みの安彦良和さんであり、今回紹介する劇場版アニメの監督もされております

そして、現在でも本作の人気は高く、月2回刊の青年漫画誌「イブニング」では針井佑先生により「クラッシャージョウREBIRTH」が連載中です

また定期的に映画館でリバイバル上映が全国各地でされており、SNSにはファンクラブサイトもありファン同士の交流も活発であります

 

 

人類が宇宙に生活することができる時代になり"クラッシャー"と呼ばれる新たな仕事が誕生します

クラッシャーとは、惑星改造や宇宙船の護衛・輸送、惑星の調査などをする「宇宙の何でも屋」の様な存在です

そして本作の主人公であるジョウが率いるチームは、紅一点のアルフィン・怪力自慢でベテランのタロス・チーム最年少のお調子者のリッキー、そしてロボットのドンゴの【4人+1機】のチームで様々な依頼に奮闘する物語であります

 


クラッシャージョウ Blu-ray&DVD比較映像

 

 

クラッシャージョウ』という作品は私自身すごく思い入れが深く、映画館でリバイブル上映されれば3回ほど観に行っていますしBlu-ray BOXも購入しており、なんだかんだで一年に一回は必ず観ている作品であったりします

そしてなんと言っても、現在26歳の私は本作にすごく助けてもらったと感じる出来事があり、今この様にブログ活動しているのは本作の影響だったりするわけです

 


今回は、そんな私の人生を大きく変えてくれた1983年に制作された劇場版について書いていきます

 

80sanime.hatenablog.com


あらすじーー

ジョウ達クラッシャーチームは、財閥スコーラン家の執事から重病である令嬢エレナを護送するという依頼を極秘裏に受けます

しかし、ワープ中に謎の計器トラブルに遭い、依頼人と護送していた積荷が突如消えるという奇妙な事件へと発展…そしてワープアウトした地点も悪く、連合宇宙軍に海賊行為を疑われ連行されるのです

幸いにも釈放されることになったものの、非合法な依頼を受けたことをクラッシャー評議会議長であるクラッシャーダン(ジョウの父親)にバレ、6ヵ月の資格停止処分と禁忌をくらいます

罠にハメられたと怒るジョウ達は、宇宙海賊"マーフィ・パイレーツ"の仕業であることを知り、自らの無実を証明する為に宇宙海賊がいる惑星に乗り込むのでした


消えた積荷の正体とは…? 宇宙海賊の目的とは…?

様々な陰謀に巻き込まれながらも無実を証明する為に宇宙海賊と戦うジョウ達クラッシャーチームのアクションに注目していただければと思います

 

ホントに豪華するぎる大御所声優陣!

まずは、本作の主人公でもあるジョウらクラッシャーチームの紹介をしたいと思います

 

ジョウ(cv.竹本拓)

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アルフィン、タロス、リッキーを率いるクラッシャーチームの若きリーダー

仕事への責任感は強く、若いゆえに血気盛んであり荒っぽいところもあるがプライドを高く依頼に臨んでいる

ジョウの父であるクラッシャーダンは、クラッシャー稼業の創始者であり現在はクラッシャー評議会議長である…そんな父親の存在はジョウの前に大きく立ちはだかり、父親に対して強い対抗心を持っている

ミネルバに搭載されている青い小型戦闘機"ファイター1"のパイロットでもある

 

アルフィン(cv.佐々木るん)

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チームの紅一点のクラッシャーであり、ミネルバの航法士を務めている

クラッシャーになる以前は連帯惑星ピザン星の王女であったが、ピザンでの事件をきっかけにメンバーになる

ジョウに対して好意があり、積極的に迫るもなかなか振り向いてくれなかったりする

お酒に弱く、酔ってしまうと誰にも手がつけられなくなる

ミネルバに搭載されている赤い小型戦闘機"ファイター2"のパイロットでもある

 

タロス(cv.小林清志)

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チーム最年長のベテランクラッシャーであり、ミネルバの操縦士を務めている

チームで唯一の大人であることから、若く血気盛んなジョウらを抑えることが多い

かつてはクラッシャーダンやバードらとチームを組み活動をしていたが、ダン引退後の現在はダンの息子であるジョウをサポートする役に回っている

タロスの左腕にはあるひみつが隠されており、いざと場面で大きな力を発揮します(私が初めて観た時は 紛れもなくヤツ の姿が頭によぎりました)

 

リッキー(cv.小原乃梨子)

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チーム最年少のクラッシャーであり、ミネルバの機関士を務めている

クラッシャーになる以前はローデスの浮浪児であったが、ジョウを兄のように慕うようになりクラッシャーになる

最年長であるタロスとは常に口喧嘩するほど仲がよく、チーム内を明るくしている

 

 

ジョウ、アルフィン、タロス、リッキーの4人の他に、ロボットのドンゴ(cv.二又一成)を入れて活動をしています

 


 

クラッシャージョウ』はジョウ役/竹本拓さんやアルフィン役/佐々木るんさんの新人主人公・ヒロイン声優に対して、タロス役/小林清志さん(1933年生まれ)やリッキー役/小原乃梨子さん(1935年生まれ)など、当時としてもベテランで豪華な声優陣が数多く参加されていることでも有名な作品です

ここで本作に出演されている大御所声優陣を一部紹介します(※誕生年順)

 

・ クラッシャー評議会議長であり、ジョウの父であるクラッシャーダン役を久米明さん(1924年)

・ ジョウを連行する連合宇宙軍の大佐、コワルフスキー役を納谷悟朗さん(1929年)

・ 宇宙海賊マーフィ・パイレーツのボス、マーフィ役を大塚周夫さん(1929年)

・ かつてダンやタロスとチームを組むクラッシャーであり、現在は連合宇宙軍の中佐であるバード役を小林修さん(1934年)

・ 作品中盤で登場する謎の女性、マチュア役を武藤礼子さん(1935年)、

・ ジョウにエレナ護送の依頼をするスコーラン家の執事、バレンスチノス役を田中伸夫さん(1935年)

・ 宇宙海賊マーフィ・パイレーツの幹部、ネロ役を渡部猛さん(1936年)

・ジョウたちが訪れる惑星ラゴールの市長、マルドーラ役を柴田秀勝さん(1937年)

 


ここに書かれている声優陣は洋画などの吹き替えや『鉄腕アトム』などの1960年代から始まるTVアニメ黎明期から活動されている方ばかりで、1980年代当時としても名の知れた実力のある方ばかりです

これは原作者の高千穂先生が実写ドラマの声優オタクであったことから始まり、声優であり本作の音響監督をされていた千葉耕市さんの人望により、これだけ多くの大御所声優が参加される作品になりました

是非、主人公ジョウらの脇を固める大御所声優陣に注目して観てください!

 

"伝説のスーパーアニメーター"送る、アニメーションの世界

劇場版『クラッシャージョウ』といえば、度肝を抜かれるほどの圧倒的な画力!

本作は、超絶的な作画ばかりで構成されている作品であるということです

それは劇場版の冒頭シーンからいきなり始まる(挿入歌「BLOODBATH HIGHWAY」が流れる)、カーチェイスシーンを観てもらえばわかります

とにかく圧巻!

本作は作画のクオリティが高いだけでなく、アニメーションとしての流れ…作劇・動画としてのなめらかさ・気持ち良さが最高に素晴らしい作品であります

これは『ガンダム』などでも伝説のシーンを描き上げてきた"スーパーアニメーター"である安彦良和監督のこだわりであり、安彦監督自らが原画を描くことで高いクオリティを実現させているわけです

つまりは、劇場版『機動戦士ガンダム』クラスの作画クオリティが本作で楽しめるということであります

 

また、本作は九月社という監督である安彦良和さんが率いる20人ほどの少数精鋭の作画スタジオで主な作画作業を行なっており、それ故にシーンごとの作画差がなく画面が崩れない作品になっております(安彦さんの目が行き届くからこそのクオリティです!)

 

80年代のアニメ映画でいえば、1988年に公開された大友克洋原作の『AKIRA』も作画クオリティが高い作品として知られていますが、『クラッシャージョウ』はアニメーションならではのクオリティの高さがあると感じます(『AKIRA』はリアリティのあるクオリティの高さという感じでしょうか)

 


私の好きなシーンなんかも書いちゃいましょう♪

非合法な依頼を受け、禁忌をくらったジョウ達はディスコクラブへと行き、踊り…そして、ディスコクラブを破壊するほどの大喧嘩をするといったシーンがあります

そのシーンがめちゃくちゃ好きなんですよ

バブル期バリバリの空気感、喧嘩シーンでのドタバタ感、どれを切り取っても80年代の輝きを感じることができます(あとここで掛かるディスコサウンドもめちゃくちゃ良い!)

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あと本作には、"ドライブインシアター"という車の中から映画を観ることができる施設に行くシーンがあります

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ドライブインシアターは、80年代に日本でブームとなりデートの定番であったとされています

そしてドライブインシアターは、コロナ禍の今、再び注目されていることをご存知でしょうか?

鑑賞中に誰とも接触することがないので濃厚接触の心配もなし、個人的な空間で映画を楽しめるのもなんか良いですね

 

このように、活気あるディスコシーンやドライブインシアターなどの今の時代にも通ずるシーンが描かれており、80年代アニメの良さを次世代に伝えていきたいと感じるポイントでもあります

 

有名漫画家がゲスト出演!

本作では、原作者・高千穂遙先生と交友関係のある漫画家やイラストレーターも参加され、ゲストデザインを寄せられている作品としても有名であります

これがまた、凄く豪華なメンバーが集結しているのです

ここで少し紹介させていただきます

 

チャグ/高橋留美子

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特徴的な一つ目が可愛らしい猫型のケモノキャラクター

高橋留美子先生といえば、80年代に『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』など原作がアニメ化され、80年代を代表する作品となりました

そして本作に登場する「チャグ」というゲストキャラは、『犬夜叉』に登場する猫型の妖怪「雲母」にどことなく似ている感じがします(目元なんてそっくりです)

このキャラクター、登場時間がものすごく短いので見逃さないように注意してください!

 

ちなみに、高橋留美子先生に似たキャラも出てくるので探してみてください(でもバニーガールって…)

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MAX310/鳥山明

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鳥山明先生といえば、80年代に『Dr.スランプ』『ドラゴンボール』がアニメ化され、ゲームでも「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザインなどマルチに活躍されました

本作ではキャラクターではなくメカのゲストデザインをされており、エンディングロールが流れるシーンを横切るように登場します

鳥山先生のメカデザインは自身の漫画の表紙などでも度々登場しますが、デザイン性優れるメカが本作でも楽しむことができます


ちなみに、鳥山先生に似たキャラも出てくるので探してみてください

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クルップアウチ/吾妻ひでお

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宇宙海賊マーフィ・パイレーツのボスが飼っているペット

吾妻ひでお先生といえば、80年代に『おちゃめ神物語 コロコロポロン』『ななこSOS』がアニメ化され、ロリコンブームの火付け役とされている一人です

本作に登場するクルップもモンスター的なデザインでありながらフォルムが可愛らしく、吾妻ひでおワールドが展開されています(肩にちょこんと乗っている感じも可愛らしいです)


ちなみに、吾妻先生(自画像)自らが登場しているシーンがあります(一体どういう世界観なんでしょう?)

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ルドラ/御厨さと美

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ジョウらに襲いかかるサル型の巨大モンスター

御厨さと美先生といえば、原作、監督、脚本、絵コンテ、キャラクター&メカデザインを務め、1985年に発売された『NORA』というアニメOVA作品があります

本作に登場するルドラは御厨さと美先生が描かれたイメージ画を元に、安彦監督が全身設定画を起こしたものです

これがまたすごく手強いモンスターなんですよ!

ジョウとルドラの戦いにも注目してください

80sanime.hatenablog.com

 

 

その他にも、ドライブシーンでのアルフィンのコスチューム原案をデザインした竹宮恵子先生、ジョウらを襲う無人戦闘ロボット"アラクネ"をデザインした大友克洋先生、アルフィンを襲う触手のある巨大植物モンスター"ナイトウォーカー"をデザインした細野不二彦先生など数多くの作家が参加されています

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また『1stガンダムアムロやシャアやララァ…そしてハロも隠れキャラとして登場しているシーンもありますので瞬き厳禁でご覧ください!

 

悩みを忘れられる爽快感が、『クラッシャージョウ』にはある!

クラッシャージョウ』という作品は、自分にとって恩人のようにかけがえのない作品であります

アニメ映画作品ということありアクション性に優れており、物語の真相がどうなのかを見つつ単純にジョウ達の活躍を楽しんでいただけるハズです

あとジョウとダンの親子関係、ジョウとアルフィンとの恋愛関係などといったキャラクターの心情を見れる要素も含まれております

そして何よりも、色々と悩んでいたことがスッと抜けていくような爽快感がこの作品にはあり、それがたまらなく好きなのです

色んな方に刺さる作品ではないかと思います

 

 

 

記事の序盤でも書いたように『クラッシャージョウ』を無料配信で観れる機会はそう無いと思います…

しかもコメント付きでワイワイしながら観れる…これはYouTubeでしかできないことであります

是非、1983年に公開されアニメグランプリの大賞に輝いた『クラッシャージョウ』をご覧ください!!

 

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配信日     2021年3月12日(金)22時〜
配信チャンネル サンライズ公式YouTubeチャンネル

www.youtube.com

www.crusher-joe.net

 

 

🌟-前回の記事-🌟

80sanime.hatenablog.com

【高額プレミアLD(レーザーディスク)登場!】80年代アニメLDコレクション📀VOL.❷

どうも、最近は家にいることが多いので散財が抑えられているSATAトミオです

ホント出かけることが少なくなりましたね~

その為、最近はネットオークションや通販でアニメグッズを購入することが多くなってます

 

 

以前、平成生まれが80年代アニメの為に、LDプレーヤーを購入してみた。📀というLD(レーザーディスク)プレーヤーを購入紹介した記事を書きました
そしてその後、80年代アニメOVAを中心とした私が所持するLDソフトも紹介させていただきました

80sanime.hatenablog.com


80年代アニメマスター道を進む者には

【LDを極めし者は、80年代OVAを制す】という格言があります!…(この格言を広めたいと思っているSATAトミオです)

 


あれから更にLDソフトを買い続け、記事を書く分だけの作品を観ました

 


というわけで、今回も今までに購入してきたLDソフトを紹介、そしてその作品の魅力について書いていきます

また、今回紹介するLDソフトの中には1本一万円するチョー!高額作品もありますので、楽しみに見ていただければ幸いです

 

80sanime.hatenablog.com

 

 

今回紹介するLDソフトは配信やレンタルDVD化されていない作品を選んでいます(一部を除く)

 

 JUNK BOY (ジャンクボーイ)

1987年にOVA製作された国友やすゆきさん原作の青年漫画

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これは完全にジャケ買いですね!

本作のジャケット(特に裏面)を見た瞬間〔この作品は間違えなく当たりだ!〕と確信して購入しました

 

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結果は(色んな意味で)めちゃくちゃ面白い作品でした


美女を見ると股間モッコリしてしまうほど無類の女好きなスケベ主人公・山崎良平(cv.草尾毅)は、人気雑誌「ポテトボーイ」の面接を受け、面接官であった「ポテトボーイ」編集長・織田由貴(cv.藤田淑子)に素質を買われ働き始めることになるのです

グラビア(ヌード)撮影に風俗レポート、アダルトでディープな世界を取材する新米記者・良平の苦悩とガッツが描かれています

 


まぁ簡単に言えば、職場や特定の業界を舞台とした現在流行りの【お仕事系】(OVA)アニメという感じでしょうか

 


ですが、ただお仕事系アニメとして見るにはあまりにも過激で〔なんで、18禁アニメじゃねぇの!?〕と感じるぐらいアダルトな描写があります

OVAだから良いのでしょうけど、規制!規制!の現代から逆行している作品なので、楽しんで観るというよりも〔これ、(18禁じゃなくて)大丈夫なの?〕という不安の方が勝ってしまうぐらい際どいです

一応、アダルトシーンもライト?に描かれる対策がとられており、例えるなら『シティーハンター』でのモッコリシーンをより過激にしたような印象を受けます

 


そのように子どもには見せにくい作品でありますが、主人公・良平を演じられているのがブレイク前の草尾毅さんであったり、藤田淑子さんに皆口裕子さんに佐久間レイさん…そして本作のヒロイン・沢本亜樹を演じる鶴ひろみさんなど、幅広いキャラ属性をカバーできる女性声優陣も出演されています

特にヒロイン役をされている鶴ひろみさんは役柄的にも過激なシーンが多く、〔良くやってくれてるよな~〕という謎の感謝をしてしまいました

 


スケベな作品で人を選ぶ感じもありますが、EDの映像の作画を『Zガンダム』後期OPの作画でお馴染みの梅津泰臣さんが担当されてめちゃくちゃカッコ良かったり、ストーリー展開も割としっかりしていますので見応えはある作品です

 


※なお、本作のLDジャケット裏面にはこんな記載があります

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確かに大人数で(女性と)観た方が楽しめるかもしれませんが…いや~攻めてますねw

 

バツ&テリー

1987年にサンライズ制作により劇場公開された、大島やすいちさん原作の漫画作品

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この作品はLDプレーヤーを入手してから割とすぐに購入した作品だったと思います

 


本作は同じくサンライズ制作の劇場版『ダーティペア』と併映されていた作品だったこともあり、結構前から存在だけは知っていました

配信サービスでは観れないこともあり〔いつかは絶対に観たい!〕と思っていた作品であり、そんな小さな夢を叶えてくれるのがLDソフトであったわけであります

 


バツ&テリー』は、名前の通り野球用語の"バッテリー"からタイトルが付けられていることがわかり、作品の名前を初めて聞いた時は〔野球アニメなんだ〕と思い込んでしまいました

ところがどっこい、話の流れは恋人を事故で失ったアンという女性を立ち直らせる為に、黒髪リーゼントで何事にも全力な高校生・バツ(cv.井上和彦)とインテリ風メガネをかけた冷静沈着な高校生・テリー(cv.塩沢兼人)があの手この手でナンパするという非常にコメディ色の強い作品であります

バツとテリーが喧嘩に、バイクに、女と、バカみたいに青春を謳歌する展開に少し騙された思いをしました

 


まぁ一応、野球アニメである事には間違えないのですが…相手ピッチャーの股間をめがけて、打球を飛ばしてブチ当てたりする超次元過ぎる展開!

非道すぎるのです

なんでもアリな展開ながら熱く燃える熱血漢ある野球シーンも本作の魅力でございます

 


本作の監督を担当されたアミノテツローさんは、『超力ロボ ガラット』や『蒼き流星SPTレイズナー』や『シティーハンター』などのサンライズ制作の80年代アニメで演出家として活躍し、90年代には『疾風!アイアンリーガー』『マクロス7』などで監督をされている方です

また超次元的で熱血漢ある野球シーンは、その後監督されるロボット同士の熱い友情を描いたスポーツアニメ『アイアンリーガー』へと受け継がれていると感じます

 


この作品を観ていると改めて当時はヤンキー(不良)漫画が流行していていた時代であるかのように思えて、そういった時代背景を感じれるのも面白いです

 

ペリカンロード クラブ・カルーチャ

五十嵐浩一さんによるバイク漫画を1986年にOVA化した作品

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 ガリ勉ながら親に隠れてバイクに乗る高校生の主人公・渡辺憲一(cv.堀川亮)がプロのプレスライダーとして働く岡崎かな子(cv.小山茉美)に助けらたことをキッカケに様々な人と出会い、恋・ケンカ・友情と思春期の青春全てをバイクを通じ成長していく作品です

 


そして、助けられたお姉さん・かな子さんと同じ屋根で暮らすことになり、かな子さんのことを好きになっていくというよくありがちな設定も心地良かったりします

ただ、憧れのお姉さんに恋する展開というのは波乱が付き物…

本作を観ているとねぇ、ホント渡辺くんの淡い恋心というのがグサっ!って突き刺さり、青春のほろ苦さを感じるワケです

観られる際は、是非渡辺くんの心情に注目して見ていただきたく思います

 

 

 

本作は1986年に製作されたOVA作品ということもあり、今では規制される様な80年代当時を感じれる描写があります

 
バイクでの飲酒運転は普通に描かれていたり、ケンカシーンではカミソリの刃を使い顔面を切ってかかるキャラクターがいたりと中々に過激です

また、かな子さんの職業であるプレスライダーというのも、ネット文化の確立により人員も減ったらしく今の時代にはあまり聞かない職業となりました


プレスライダーとは、新聞社やテレビ局などに依頼された原稿や写真フィルムなどをいち早く輸送するオートバイ乗りの仕事であったみたいです

(ちなみに私は、プレスライダーという職業を本作で知りました)

 

 

本作は音楽も中々イカしている感じの仕上がりとなっており、特に「THE BUDOKAN」が歌う主題歌は凄く良くて耳に残ります

ノローグの後に流れるOP曲「8 BEAT TEENAGER」は、これから始まるストーリーへの希望と高揚感を与えてくる青春チックなロック曲です

アニメで使用された楽曲という思い出補正を引いてもマジでカッコいい楽曲なので、いつかレコード盤を入手できればと思ってます(当然CD発売なんてされてないでしょうから…)

 

夢次元ハンター ファンドラ

永井豪原案により1985年〜1986年に制作されたファンタジー作品であり、OVA草創期を代表する作品の一つです

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赤い宝珠「ルピア」を持つ次元ハンターのファンドラ(cv.堀江美都子)とパートナーのクエ(cv.神谷明)が、宇宙に隠れる賞金首を捕まえながら行方不明となっている青い宝珠「エンドラン」を探すというストーリーです

 
本作はPART Ⅰ「レム・ファイト編」、PART Ⅱ「デッドランダー編」、PART Ⅲ「ファントス編」の3つのOVA作品で完結するシリーズ物であり、それぞれに監督・キャラクターデザイン・作画監督が違う珍しい作品でもあります

 

自分が購入した『ファンドラ』のLDは、OVA3作品が2枚組に収めれたLD-BOX仕様のモノだったのですが、ジャケットを眺めるという意味では単品買いの方が良かったのかなと思えます(永井豪さん画のファンドラ様もいいですけどね)


先ほど3作品ともキャラクターデザインが違うと書きましたが、そのことで生まれたメリットもあります

それがファンドラ様のコスチュームです

本作ではPART Ⅰ「レム・ファイト編」、PART Ⅱ「デッドランダー編」、PART Ⅲ「ファントス編」それぞれに別々のコスチュームが取り入れられています

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どのファンドラ様のコスチュームも良いのですが、私が一番好きなのはPART Ⅱ「デッドランダー編」であります

何というか、白いロンググローブってエロくないですか?

こういったワンポイントファッションに結構弱かったりしますw(完全に好みですね)

 

 

本作の主題歌は3作とも全て『ドラゴンボール』のED「ロマンティックあげるよ」で有名な橋本潮さんが歌われており、中でも『ファンドラ』の代表曲ポジションにある「心のとびら」は凄く良いです

 

きまぐれオレンジ☆ロード ジャンプスペシャ

さぁ、こちらが今回の記事のメインディッシュ…一番紹介したかった作品であります

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本作は1987年にTVシリーズが放送される以前、1985年に「ジャンプスペシャルアニメ大行進」という全国を回るイベントで上映されたモノであり、パイロットフィルムに似た作品です(以後、本作を「ジャンプスペシャル版」と表記)

制作スタジオやスタッフに違いはなく、キャラクターデザインもTVシリーズ同様に高田明美さんが担当されています

では本作とTVシリーズの一番の違いはというと、出演されている声優さんでしょう

 


TVシリーズ又はOVAシリーズでは、恭介役を古谷徹さん、まどか役を鶴ひろみさん、ひかる役を原えりこさんが担当されています

しかしジャンプスペシャル版では、恭介役を水島裕さん、まどか役を島津冴子さん、ひかる役を小粥よう子さんが担当され、TVシリーズとは全く違ったキャスティングです

その為、ヒロインのまどかの演じ方にも大きな違いがあり、ジャンプスペシャル版で演じられた島津冴子さんのまどかにはオトナっほい感じがTVシリーズよりも深く出ている様に感じます

 


このジャンプスペシャル版は、配信サービスやDVDにもなっておらず、このLDソフトのような当時のメディアでしか観ることが出来ない作品であったりします

そんなこともありLDプレーヤーを購入してからずっと狙っていた作品でした


しかし問題なのが…とにかく高い!!

 
当時のメディアでしか観れないということは当然ながらその価値も増してゆき、30年以上前に発売されたソフトであってもプレミアな価値がつくのは必須ということです

(むしろ、30年以上前の作品だから価値があるのかもしれません)

その中でも本作はプレミアLDアニメの代表として君臨している存在であり、絶対に入手しておきべき作品でありました

 


本作の狙い続けること約半年…ついに購入!

値段は10,000円一万円です!

まさか一枚のLDソフトを買うのに万札が飛んでいくとは夢にも思っていなかったです

LD沼に入るということは、こういうことなのか…と実感する瞬間でした

それぐらい本作が欲しかったということであります

 

しかし、大枚をはたいて購入した本作ですが…収録されてる時間は、わずか30分!

LDソフトって恐ろしい子

 

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80年代アニメは面白くない?

前回紹介したLDソフト5作品で総額1万2000円ぐらいと書きましたが、今回は『きまぐれオレンジ☆ロード ジャンプスペシャル』があることで大きく跳ね上がり2万円となりました

 

やっぱりLD沼はヤバいです!!

 

もう5000円ぐらいするLDが可愛く見れるぐらい金銭感覚に狂いが出ています

しかしそれでも、収集して当時の空気感を体感したいと思えるメディアであることは間違いありません

 


 

80年代のアニメOVAというのは、正直に言えば面白い作品ばかりではありません

ストーリーが壊滅的に面白くない作品もあれば、続編を匂われる感じをして音沙汰がない作品など色んな意味でやりたい放題だったりします

その中で試験的に挑戦して失敗していた作品が80年代アニメがあり、今の作品の礎になっていると思うと熱くないですか?


おそらく、今後もLDソフトが増える一方で私のお財布からはお金が溶けていくでしょう

まだまだLD沼は暗く…そして深く続いていきますので、また見ていただけると嬉しく思います

皆様もLDプレーヤーを購入してLD沼を楽しみましょう!!

 

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🌟-前回の記事-🌟

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